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2012年12月15日 (土)

その通り、新卒一括採用は「年齢差別」 。ただし差別されているのは・・・

サンケイビズの「ビジネスアイコラム」に、「新卒一括採用は「年齢差別」」という記事が載っています。

http://www.sankeibiz.jp/business/news/121215/bsg1212150501000-n1.htm

日本型経営の根幹は長期雇用を前提とした年功序列型システムだ。このシステム維持に必要なのが新卒一括採用。新卒一括採用は採用対象者を新卒者に限るため、事実上の年齢差別を招く慣行だ。だが、日本には「年齢制限=差別」という意識が希薄で、当局が年齢差別を摘発することもない。

いやぁ、まったくその通りなんですけどね。

だけど、その差別によって優遇されているのは、何のスキルもなくても、「あたし何にもできないけれどあなた色に染まって尽くすわ」という「処女の魅力」で就職できる若者なのであって、差別されているのが中高年であるということが、一番のツボであってね。

紙面上では性別などによる差別全般に批判的な新聞社も年齢制限には“寛容”だ。朝日新聞は13年春の記者職募集概要で、「入社時点で30歳未満であれば応募できます」としている。5年前の雇用対策法改正で年齢制限は禁止されたのに、新卒一括採用という形で堂々と年齢差別している、と指摘されてもしようがないのではないか。

だからこそ、その雇用対策法施行規則で、新卒一括採用の場合は例外だと認められているわけですよ。

三  事業主の募集及び採用における年齢による制限を必要最小限のものとする観点から見て合理的な制限である場合として次のいずれかに該当するとき。
イ 長期間の継続勤務による職務に必要な能力の開発及び向上を図ることを目的として、青少年その他特定の年齢を下回る労働者の募集及び採用を行うとき(期間の定めのない労働契約を締結することを目的とする場合に限り、かつ、当該労働者が職業に従事した経験があることを求人の条件としない場合であつて学校(小学校及び幼稚園を除く。)、専修学校、職業能力開発促進法 (昭和四十四年法律第六十四号)第十五条の六第一項 各号に掲げる施設又は同法第二十七条第一項 に規定する職業能力開発総合大学校を新たに卒業しようとする者として又は当該者と同等の処遇で募集及び採用を行うときに限る。)。

世の中には、こういう若者優遇政策を若者差別だと称する「ワカモノの味方」な人々もいますが、いや優遇策だからこそそこからこぼれ落ちてしまうと優遇されないという形で問題になるのであってね。単純な脳味噌の持ち主には分からないだろうけど。

本当の問題は例えばここに書いてあるように、

年齢差別による弊害は多い。有能な女性社員が出産を機に退社すると、年齢差別の壁に阻まれて再就職が難しくなる。女性の社会進出を促すには、性別による差別禁止に加えて年齢差別禁止も加える必要がある。そうすることではじめて企業は女性を戦力として有効活用できる。

といったことですが、そういう不合理を正すために、現在「処女の魅力」で売れることを前提に育てられ続けている若者たちを、いきなり「お前はいったい何ができるんだ?」という「職種と職業能力に基づく近代的労働市場」に放り出せるのか?というのが実は最大の難点なんですよ。その時に発生するであろう阿鼻叫喚の地獄絵図が余りにも恐ろしいから、そこは例外になっているわけであってね。

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コメント

日本以外の先進国では,若年失業が深刻な社会問題となっているのをみれば,若年者優遇を年齢差別の特例とすることには,一定の合理性があると認めざるを得ないですね.

「新卒一括採用が諸悪の根源」などと,したり顔でいう方々は,暗に新卒者の優遇措置を全年齢に広げるよう求めているのでしょう.しかし,そうなれば,優遇でも何でもなくなりますね.全員の条件が同じになれば,誰も優遇されないことになるのは当然の帰結です.若年層は現在優遇されている分不利になり,中高年は現在優遇されていない分有利になる,ということになるでしょう.

>「処女の魅力」で就職できる若者<かどうかは分かりませんが、新卒者に特別の利益が必要であることは自明の理。

問題は、これも仰せの通り、そこからこぼれた若者が完全にほうり出されているということですから、本来の制度の趣旨としては、各人で労働力の移動が可能なスキルが得られるまでは、今一度新卒者(同様)として扱われることではないでしょうか。
つまり制度趣旨としては、新卒者ではない労働者というのは“賞味期限切れ”労働者ということではだめで、丸腰ではない労働者としての道具というか乗り換え切符を持ったかどうか、ということなのだろうと思います。たぶん。
ほんとうは、新卒者だけではないそこからグラデーションにしたいという制度的意思も少しは読み取れるような…(妄想でしょうか?)。

でも海外はそれで何とかなっているのでは?
そんなに不合理ならさぞ海外は地獄絵図になっているのかと思うのですが、そうなっていないという事はそのシステムに合理性があるのではないでしょうか。
それに、一般的に考えてまだ親の援助がある若者が失業する方が、中高年が失業するよりも気楽だと思うのですが。
若いうちに失業するけれどその後適当に職を見つけて自活できるようになる……という人生設計が成り立つならば、若者の失業率が高くとも必ずしも大変ではないと思うのですが。

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