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2012年12月22日 (土)

「非正規雇用労働者の能力開発抜本強化に関する検討会」報告書

ずいぶん長たらしいタイトルの検討会ですが、昨日ようやく公表されました。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002rlop.html

獨協大学の阿部正浩さんが座長ですが、JILPTの小野晶子さんもメンバーに入っています。

プレス資料に報告書のポイントがまとめられていますので、まずそれを見ましょう。

<基本的な視点>
○ 正規・非正規という雇用形態にかかわらず、将来に夢や希望を持ちながら安心して生活を送れるような収入を確保できるよう、能力開発機会を提供し、キャリアアップを支援(特にフリーター等不本意非正規に焦点)
○ 能力開発の主体については、個人がその取組の中心となるが、個人任せでは限界があるため、非正規雇用の労働者を「人財」として、企業、業界団体、公的部門等社会全体で育成していくことが不可欠。
○ 能力開発後の処遇やキャリアパスなど「将来像」を「見える化」、労働者一人ひとりに施策が「届く」よう積極的に情報発信、身近な地域での能力開発の提供等

<施策の方向性>
~産業政策や教育政策と連携し、政府一丸となって強力に取組を推進~
1.フリーター等不本意非正規の増加の防止
・雇用・就業志向の積極的な教育政策 (職業人としての自覚等に関するキャリア教育の充実等)
・初期キャリア形成支援(早期離職防止、劣悪な雇用管理の企業の指導)

2.複線的なキャリアアップの道の確保、労働者の選択に応じた能力開発機会の確保
 (正規雇用への転換)
  ・即戦力重視型訓練と人間力養成型訓練の開発・実施
・地域コンソーシアムによる身近な場での訓練実施

(企業内でのキャリアアップ)
・統合型雇用管理の普及、企業によるキャリアアップに向けた取組への包括的支援

(企業の枠を超えたキャリアアップ)
・専門職型キャリアシステムの構築(スキルポータビリティ化に向けた資格・検定制度の再構築、キャリアアップ型派遣モデルの推進)

★ 上記の選択肢を個人が主体的に選べるよう、キャリアサポート環境を整備(キャリア・コンサルタント等の人材育成・配置等)

3.労働者の能力の労働市場での適切な評価、相応の処遇確保のための環境整備
・実用的な職業能力評価ツールの整備(ジョブ・カードや職業能力評価基準の活用に向けた見直し、スキルポータビリティ化に向けた資格・検定制度の再構築)

→こうした方向性を踏まえ、今後、具体的な取組を強力に推進し、「好循環型社会」を実現 (労働者派遣制度や雇用保険制度の見直しが行われる場合には、こうした観点から取組を強化)

本文はこちらです。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002rlop-att/2r9852000002rmfn.pdf

基本的な視点のところもなかなか深みのある表現がならんでいますが、ここではおそらく中心論点であろう「正規雇用への転換」のところから、

イ 他方で、転職による正規雇用への転換を目指す場合には、各企業での訓練機会の提供は望めないため、特に個人による自発的な取組への支援の強化や公的部門による訓練の拡充が不可欠である。その際は、これまで一定の就業経験を有する労働者が離職した場合を想定した訓練が中心となっていた公共職業訓練について、非正規雇用の労働者の特性に配慮し、正規雇用としての就職につながる能力を十分に養えるようなものとなるよう必要な見直しを行っていくことが重要である。

ウ この点、企業が正規雇用の労働者を中途で採用する場合には、即戦力となるスキルを有していることを求める一方で、コミュニケーション能力、判断力、対応力や、責任感、成長志向、共通の目的達成に向け協同して働く意欲など、社会人としての基礎的な能力や職業意識も強く求める傾向がある。こうした企業ニーズを踏まえつつ、労働者の態様に応じて、安定的な雇用に真につながるような充実した能力開発機会を、雇用保険の受給者だけでなく、全ての労働者に提供していくことが必要である。(即戦力重視型訓練と人間力養成型訓練の開発・実施)

エ さらに、身近な地域で、必要な訓練を受けることができるよう、地域の能力開発の拠点として、コンソーシアム方式で、地域の公共職業訓練機関、大学等教育機関を活用して、経済団体等と連携・協力しながら、地域や社会全体の人材ニーズを踏まえた能力開発機会を身近な場で提供していくことが必要である。(地域コンソーシアムによる訓練実施)

オ 上記の視点を踏まえ、具体的な施策としては、即戦力となるスキルの向上のためには、例えば、公共職業訓練について、長期の訓練機会を確保する、企業現場での実習を重視する等その訓練期間、訓練内容・質の充実を図っていくことが必要と考えられる。また、その際には、公共職業訓練機関や業界団体等が連携・協力して効果的な訓練カリキュラム等を開発・普及させていくことに加え、民間職業訓練機関の質を向上させることも重要であり、訓練手法等のノウハウを提供する人材の育成・確保や研修の充実を図ることなど7が考えられる。
さらに、大学等教育機関での1~2年程度の専門的な教育訓練の受講を支援することも望まれる。また、ハローワークと訓練機関の連携強化により企業現場での実習を重視した就職率の高い訓練8への誘導等を進めるとともに、求職者支援訓練の積極的な活用を進めていくことも必要と考えられる。

カ また、コミュニケーション能力等の社会人としての基礎力が十分でない者に対応するためには、例えば、公共職業訓練についてコミュニケーション能力等の向上を目指す訓練科目を積極的に設定していくことや、生活訓練や労働体験等を通じて社会性や集団的規律、勤労観、目的達成意欲等を養える場を確保9していくこと等が求められる。

また、「企業の枠を超えたキャリアアップ」のところから、

ア 企業の枠を超えてキャリアアップができるようにするためには、専門性を身につけられる能力開発機会の確保と身につけた能力を持ち運べる環境の整備が必要である。(専門職型キャリアシステムの構築)

イ 企業の枠を超えたキャリアアップを目指す場合には、各企業での訓練機会の提供を望めないため、まず、個人による自発的な取組を支援することが必要である。また、その身につけた能力が企業の枠を超えても適切に評価されるよう、資格制度、検定制度等の整備も望まれる。(スキルポータビリティ化に向けた資格・検定制度の再構築)

ウ 専門性のある業務については、企業は個人請負を活用することも多く、こうした個人による取組も重要である。一方、労働者のキャリアアップの観点からは、このような分野においては、労働者派遣事業者による能力開発や仕事の場のマッチングが可能な派遣労働の形態の活用も期待される10。このため、労働者派遣事業がこうした分野で非正規雇用の労働者のキャリアアップに資することも踏まえた育成を図っていくことが必要である。(キャリアアップ型派遣モデルの推進)

エ しかしながら、引き抜き等により個々の労働者派遣事業者の能力開発投資の回収が難しい面もあるため、業界団体等の取組や公的部門による支援も重要である。

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