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2012年12月21日 (金)

あなたたちはテクノクラートのふりをして・・・

人事院公務員研修所から『初任行政研修実施結果報告書』が送られてきました。

その巻末に、「研修員個人レポート(抜粋)」というのがあって、その中にこんな記述があったので、備忘的に。

まずもっとも印象に残ったのが、1,2班の発表を受けての濱口先生のご指摘である。それは「あなたたちはテクノクラートのふりをして理想の制度設計を語っているが、いくら良い制度設計をしてもそれと、制度を現実に適用・執行していくこととは全くの別問題である」という趣旨のものであった。

私は大学4年生の夏に国家公務員の道を選択した際、現状の制度設計は社会保障、教育、農業、産業といった広範な範囲で非効率的なものであると認識しており、それらを理想的なものに変えていくための力になりたい、という思いが私の決断を後押しした。だが実際に労働政策を研究してこられた濱口先生が上記のように仰ったことは現実を気づかせてくださる貴重な機会であるとともに、私の描いていた国家公務員像を根底から覆す衝撃的な出来事でもあった。

濱口先生のご指摘の意図は、われわれ国家公務員は全体主義の独裁者として一元的に政策を決めることのできる存在でもなく、白地に無の状態から政策を描いていける未開の地の政策立案者でもなく、我々は様々な考え、利害を持った生身の人々が生きている社会において、各々の要望、思想、哲学を考慮しながら、現実的な政策を打ち出していくだけの存在であるということであると認識した。

「衝撃的」なことを語ってしまったようで、希望に胸膨らむ研修生のみなさんにはいささか残酷な発言だったかも知れませんが、これが分かってないまま現実にぶち当たり、失望にうちひしがれてふらふらと「脱藩官僚」化していく人々のあとを追いかけていくことのないように、との老婆心です。

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