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2012年12月18日 (火)

『POSSE』17号

Hyoshi17 ようやく『POSSE』17号が届きました。

http://npoposse.jp/magazine/no17.html

特集は「生活保護改革は、こう変えろ!」です。
2012年に猛威を振るった生活保護バッシングが、いくつもの改革案を経て、制度化へと着実に進んでいます。
衆議院議員選挙でこそ、報道や世論の関心が政局や脱原発に終始したために焦点化されませんでしたが、複数の党の政策で「不正受給」対策は確かに息づいていました。
政界再編後、それらが動き出すのは時間の問題です。
本特集では、生活困窮者を支援する社会運動の立場から、生活保護制度の限界を、そしてその改革論を論じます。

緊急企画は「「ブラック企業」変革論」です。
労働環境の劣悪な企業を指すインターネット発のスラングとして若者たちに定着したこの言葉は、2012年、日本経済新聞の一面をかざり、NHKのニュースに登場し、裁判所の判決文に登場するまでに一般化しました。
しかし、マスコミでも社会運動でもなく、「普通」の若者から企業につきつけられたこの言葉は、個別企業のバッシングや、就職先のマッチングの問題に収斂されてしまう危うさも持ち合わせています。
そこで、ブラック企業というフレーズを、日本の過酷な労働が生み出される構造を変革するための戦略と武器にしていくために、特別企画を用意しました。

ということで、例によってとりあえず目次を掲げておきます。

■vol.17目次
「尊厳を持って生きること、時代を書くということ」
桐野夏生(作家)
『OUT 』、『メタボラ』……〈労働〉を描く理由

「新都政が超えるべきは、「石原」ではない――都政を支配する都市の論理」
町村敬志(一橋大学大学院教授)×五十嵐泰正(筑波大学大学院准教授)
グローバルシティ、 再開発、 福祉と財政……東京は誰のものか?

「若者が求める政策はブラック企業対策だ」
今野晴貴(NPO法人POSSE代表)
日本の「第二のセーフティネット」は生活保護以下?

◆特集「生活保護は、こう変えろ!」

「生活保護の手前に、所得保障と基礎的社会サービスを」
後藤道夫(都留文科大学教授)

生活扶助以外の社会保障と、高齢者・子供・障がい者の現金給付を

「権利としての就労支援、出口としての中間的就労」
布川日佐史(静岡大学教授)

日本の「第二のセーフティネット」は生活保護以下?

「ソーシャルワークが生活保護を変える――貧困運動と支援者のあり方を問う」
藤田孝典(NPO法人ほっとプラス代表理事)

なぜ生活保護受給者が孤立死するのか

「生活保護バッシングが明らかにした「反貧困」の限界」
赤木智弘(フリーライター)

「被害者」でなければ「権利」はないのか?

「なぜイギリスでは公的扶助が受けやすいのか」
唐鎌直義(立命館大学教授)

月額8万円で 「絶対に漏れを出さない」 仕組みとは?

「ルポ 生活保護打ち切りが就労支援を破壊する」
川久保尭弘(京都POSSE代表)

「仕事を休んでもハローワークに行け」? 自立をさえぎる「自立支援」

「生活保護と奨学金」
岩橋誠(京都POSSE事務局)

貧困でも大学に進学すると生活保護を受けられない?

◆緊急企画「「ブラック企業」変革論」

「ガンダムを捨てよ、ジムになろう」
常見陽平(人材コンサルタント、作家)

ザクと戦わない「量産型人材」が日本の労働問題を救う?

「ブラック企業を正しく批判せよ!」
濱口桂一郎(独立行政法人労働政策研究・研修機構統括研究員)×今野晴貴(NPO法人POSSE代表)

ブラック企業言説は間違いだらけ? その根源は70年前の労働運動にあった

「若者の過労労働と生活時間保障要求」
木下武男(昭和女子大学特任教授)

日本型雇用システムの経験は、もう通用しない

「『資本論』から読み解く賃労働の過酷さの理由」
佐々木隆治(一橋大学社会学研究科特別研究員)×川村遼平(NPO法人POSSE事務局長)

労働運動のための、実践的マルクス入門

「EPAは介護・看護現場を変えたか」
安里和晃(京都大学大学院准教授)

外国人候補者、受け入れ先の実態と懸念される労働市場への影響は


「奨学金政策は、貧困層のためだけにあるのではない」
矢野眞和(桜美林大学大学院教授)

「普通の人」に投資するための教育を

「海外の教育支援政策と日本の奨学金制度の現状」
本誌編集部

奨学金が「借金」なのは日本だけ!?

「普遍的な出来事としての「フタバ」――映画『フタバから遠く離れて』監督インタビュー」
舩橋淳(映像作家)

双葉町の避難生活を通じて見えてきたものとは


「生活保護改革を考えるためのブックガイド」
本誌編集部


「15分でわかる生活保護改革 ――基準引き下げ、自立支援、最低所得保障」
本誌編集部


◆連載

新連載「はたらくっきんぐ! 第1回 夕食」
藤代薫(女子栄養大学在籍)

学生が考案した、働く人のためのレシピ集

新連載「NO CULTURE, NO WORK? #1 生活保護/日本は文化も貧困ビジネス頼み?」
坂倉昇平(本誌編集長)


「...And Philosophy for All 第4回 哲学と文法――中動態について(1)」
國分功一郎(高崎経済大学経済学部准教授)

「世界の社会運動から Social Movements around the World  No.2 アメリカ シカゴ教員ストライキの教訓」
タイラー・ジマー


「労働と思想17 ヘーゲル ――恣意と暴力から連帯と承認へ」
斎藤幸平(ベルリン・フンボルト大学大学院生)


「われらの時代の働きかた その9 ノルマのかたち」br> 熊沢誠(甲南大学名誉教授)

「労働相談ダイアリー 会社を見切るタイミング」
川村遼平(NPO法人POSSE事務局長)


「被災地はこれからも 第3回 被災地仙台における就労支援実践」
渡辺寛人(仙台POSSE事務局)


「My POSSEノート page3 生活相談」
大田ふみ

この中で、意外にも今までなかったのが「丸山真男をひっぱたきたい」赤木智弘さんとPOSSEの坂倉、川村両名の対談。大変面白いです。

坂倉 私が赤木さんにお聞きしたかったことに、言説的な戦略の問題があります。赤木さんは、これまでの「左派」だったり、ロハス的なミドルクラスだったり、「被害者」やお金を負担するものにのみ社会保障を与えるべきだと考えている人に対して、ある種、攻撃的な批判をしていますね。今日の議論もそうですが、そうした発言をストレートにしていくことは、啓蒙的に必要ですが、そういう人たちも味方につけていく言い方が、私は必要なのかな、と思います。

これに赤木さんがどう答えているかは、是非本誌でご覧頂くよう。

ちなみに、わたしがやたらに「りべさよ」などと嘲笑的な表現をすることも、坂倉さん的には「ある種、攻撃的な批判」に見えるのかも知れませんね。

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