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2012年11月24日 (土)

つか、それこそが金融左翼なんだが・・・

松尾匡さんが、もと朝日記者の記事に対して。

http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay__121124.html(欧州左翼はこんなに「金融右翼」だぞ~(笑))

と述べています。「金融右翼」ってのは元記事の山田厚史氏の表現ですが、いや、それは「金融右翼」じゃなくて「金融左翼」でしょ、20世紀以来の常識で言って。

それは、本ブログでも相当以前から繰り返しているんですが、松尾さんのお友達と覚しき方面からは罵詈讒謗しか聞こえてこないのが悲しいところです。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-4a3a.html(欧州労連曰く:日本型デフレに陥るな)

デフレとの戦いに勝つ金融政策を、インフレ率がゼロに達する前に利率を徹底して下げろ、

賃金の下方への柔軟性を避けろ、さもないとデフレが昂進するぞ、

不安定雇用も労働者の交渉力を弱めることによってデフレを加速するんだ、

という風に、本来的な意味での労働者側や社会民主主義勢力が主張すべきことを適切に主張しております。

反労働者的な揚げ塩さんたちにリフレの旗を独占させて平気なこの日本のねじれを嘆くのももう幾年月という感じですが。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-bd8b.html(「他人の経験」に学ぼうとする欧州労連)

・・・しかし、「労働者の側に立つ」とか「社会民主主義」とかいうのは、経済政策においてこういうケインジアン的立場に立つことなんだよ、と未だに(それに反する思いこみ(とはいえ、日本においては知識社会学的現実でもある)に対して)説明しなければならないということ自体が徒労感ですが。

(追記)

なお、上記を読んでこられた方には言うまでもないことですが、理解の乏しい方もおられるようなので念のため一言。

こういう欧州労連の考え方は、言葉の正しい意味における「リフレ派」と呼ぶことは可能ですが、もちろんどこぞの国のネット上ではびこっているような、最低賃金の意義を否定し、積極的労働政策を馬鹿する、リフレ粉をちょいと振りかけただけのフリードマン教徒の揚げ塩さんたちとはその本質において正反対であることは言うまでもありません。「リフレ」というおまじないを唱えれば、みんな仲間というわけではないのです。

(追記)

一方で、社民党は極右になったそうですし・・・

http://twitter.com/ustht/status/272233386481950721

社民党はいつから極右になったの?解党してください。 社民党の又市征治副党首は22日の記者会見で、「『生活』や減税日本などとは政策がおおむね一致してきている 

ぎゃ、減税日本と「政策がおおむね一致」する社会民主主義・・・

(再追記)

本ブログでかつて紹介したシュトゥルムタールの『ヨーロッパ労働運動の悲劇』から、現代にこそ際だつ痛切な一節を・・・

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-5632.html(他人の経験)

・・・大不況が1929年に始まったとき、前述と同様な矛盾した事態が起こり、それは一層大きな重要性を有し、いっそう広範な結果をもたらしたのである。ヨーロッパの大手労働者団体は、不況を処理する政策を持っていなかった。まさに、労働組合のみが明確な方針を有していたのである。即ち、それは賃下げ反対、失業給付切り下げ反対ということであった。しかし、これは経済政策ではなく、労働者に対して、恐慌の結果をできるだけ緩和する一つの試みに過ぎなかったのである。労働者政党は、それ自身の経済政策を有していなかったので、自己の哲学と隣接していると伝統的に考えられた運動から政策を借りてこざるを得なかった。それは、イギリスでは急進主義、大陸では民主主義的自由主義であった。その原則とは、均衡予算、安定した兌換通貨制、自由貿易であった。労働者政党は、経済恐慌というものが好況時に行われた不確実な投資を清算する手段として必要であると確信していた。・・・

以上の見解のいくつかは、労働運動の最近の経験から支持されていた。労働運動が均衡予算や安定通貨をいっそう良いと考えたことは、インフレの恐れで強化された。労働者政党は、インフレの悲惨な結果-低実質賃金、労働組合資金の破産、労働条件悪化への無抵抗-を最近になって認めたため、そういった社会的破滅を繰り返してはならないと決心していた。また、消費者の利益の擁護者としての労働者政党は、伝統的に保護関税に反対し、それを実質賃金の切り下げの試みと見なしていた。・・・

このようにして、ヨーロッパ大国の労働運動は、自由放任経済政策の守護者となった。そして、労働運動は、自由放任と明らかに矛盾する労働組合の要求と、自由放任経済政策とを関連づけた。賃金は、有効需要の縮小が物価を下げた不況前の水準を維持できなかった。税収入が減少し、失業が増大するにつれて、もし失業給付が不変に保持されるならば、予算の均衡は図られないであろう。労働運動は、組合の圧力や自由放任の圧力のいずれかを受けて、依然として仮死状態であった。他方、その運動を取り巻いている世の中は、崩壊しつつあった。・・・・・・・

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コメント

松尾匡氏は“欧州左翼はこんなに「金融右翼」だぞ~(笑)”
http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay__121124.html

において、山田厚史氏(元朝日新聞編集委員)の“「金融右翼」が円を卑しめる/国債の日銀引受け」は暴論”
http://diamond.jp/articles/-/28308

という記事を引用して、この記事のタイトルをもじって欧州左翼を「金融右翼」といっているようです。

松尾匡氏は上記の記事において、欧州左翼は景気を刺激して雇用を創出するためにリフレ政策を主張していると述べています。欧州左翼と安倍自民党総裁の提唱するリフレ政策とは通底します。

ところが、山田厚史氏は安倍自民党総裁のリフレ政策を「金融右翼」とレッテルを貼っています。そこで、松尾匡氏は山田氏の「金融右翼」を揶揄して、“欧州左翼は「金融右翼」だぞ~(笑)”と言ったのです。

山田厚史氏のようなネオリベ達が、日銀の金融政策を擁護してここまで日本経済を低迷させたのです。

ウィキペディアによると、山田厚史氏は元朝日新聞編集委員で日銀、財務省、金融業界などを担当していたようで、安倍氏が首相在任当時、公設秘書から謝罪広告の掲載と損害賠償を求める裁判を起こされたという経緯があったとのことです。鳩山元首相とは近かったようで、鳩山元首相の個人献金問題では鳩山氏を擁護していたようです。

金融右翼が、社会民主主義的政策が主流のスウェーデンの中央銀行の政策を持ち上げるというように、日本の言論地図はいつも不透明。

軸がないということなのでだろう。福田恒存みたいな保守派の礎石になるような人物が求められるところ。

欧州の労働運動も、ゼロ金利下の流動性のわなの状況で、建設国債を買うようなマネタイゼーションまで賛成なのか、松尾氏も学者というならはっきり示してほしい。ヒトラーがアウトバーンのような公共事象で失業者を吸収して支持を集めたということを想起してるのだろうが、当時にくらべても、金融はグローバル化しており、市場からの攻撃(クルーグマンのいう債券自警団)をかわしてそのようなことができるのか、疑問。

最近のユーロ危機についても、遠因は寛大な金融政策による周辺国のバブルの崩壊が問題だったのではないか?

思考実験だが、国債大増発で日本の金融機関が国債の増大に懸念をもつようになったところに、中国が、その豊富な外貨準備で、右翼化した日本に狙いを定めて国債先物市場で、国債を巨額に執拗に売り建ててきたらどうするのだろうか。ソロスの比ではないだろう。

円安になれば、パナソニックなどの日本を代表する電気機器メーカーが復活するかどうかについて、「松下幸之助は泣いている」(朝日新書 岩谷英昭著)が非常に有益。
ここで分析されている敗因(デジタル化・水平分業への対応の遅れなど)は、円安になっても状況は改善しないとみることができる。技術流出、デザイン力・ブランド力の低下は、シバキハの好きな株主重視の短期的利益追求による、リストラの人材劣化の帰結のようだ。

最近、りふれ派は、金融緩和による円安・株高を待望する層を味方につけようとして論戦をはっているようだが、円安による輸出ドライブによる経済成長という方策は、小泉政権時と同じ処方箋。本来の内需主導の復活と違うのではないか。

「円安」という神風をまっていたが、その前に日本の企業が労働者を粗末にして、組織としてメタメタであったという「失敗の本質」にいまこそ気づくべきではないか。

実は、私も給料を税金で持っていかれるのは嫌だというのがあるので(笑)もし、政府がマネタリゼーション、社会保障を中心とする需要創出によってインフレを起こすが、一定の%を超えればマネタリゼーションをやめ、課税強化によってインフレ率を一定の範囲内に収めるという強力な方針を打ち出し、クルーグマンのいう「調整インフレ」の状態に持っていければベストだとは思います。しかし、それはヘッジファンド、機関投資家、日本国民などがそれを信じ、通貨の信任が保たれるという幻想を前提としたものにすぎません。新自由主義者のいう、小さな政府、規制緩和こそが経済成長につながる、それは数学的に証明されているという主張が社会のごく一部の側面を切り取った、恣意的な条件設定の下になされたものであり、ケインズのいう「正確に間違えた」戯言であるのと同様に。

保守イチローのブログ
http://hoshuichiro.cocolog-nifty.com/blog/

このブログの管理人さんの市場原理主義的な考え方には私はまったく同意できません。しかし、日銀に国債を直接引き受けさせることによって通貨の信任を失い、コストプッシュによる経済を抑制するインフレが起こる可能性が高いという、管理人さんのそれ自体は全うな指摘に対して、コメント欄ではチャンネル桜の経済評論家(笑)の言うことを鵜呑みにした方々が喚き散らしているだけで、何一つ有効な反論を示せていません。
濱口先生のいうソシウヨ、二木立・日本福祉大学副学長のいう左翼ナショナリストである中野剛志氏も、増税反対、公共事業重視(注)と今やすっかりチャンネル桜やニコニコ動画の政治カテゴリなど、ネトウヨ界隈御用達の人物となった感があります。そしてタカ派すぎる改憲案、国土強靭化計画、日銀叩きと続く自民党の政権公約や安部総裁の言動を見るにつけ、この国では政治家がネトウヨ化してしまったのかと眩暈を覚えます。
濱口先生が指摘されていたように、自由を盲目的に賞賛し、国家を敵視するリベサヨの考え方は結果的にネオリベ応援隊となってしまいました。そして、りふれはの代表格である高橋洋一はみんなの党や昭和、いやいや日本維新の会のブレーンとなり、リフレーション政策といえば新自由主義と不可分なものという状況を作り上げてしまっています。橋下市長も次なる生贄、シバキアゲのターゲットとして日銀に狙いを定めた感があります。
結局、思想的に適度なバランス感覚を持った、政策の実現可能性と向かい合うまっとうなソーシャルが政治に大きな影響を与える勢力になりえず、非現実的な左派的な思想が結果的に右派やデマゴーグを支援してしまう構造がこの国の最大の悲劇であるように思います。
ただ、ケインズや権丈教授は政治家を間違った道に進ませる知識人の責任を重視する立場なんでしょうが、私には福沢諭吉の「この人民ありてこの政治あるなり」という言葉がむしろしっくりきます。有効需要ならぬ有効願望というべきか、知識人に何らかの効用(経済的利益、権力の獲得等)をもたらすような国民の行動を引き起こす願望がある限り、その願望にそったもっともらしい学説を引っさげる不届き者が現れるのは止めることができないのではないかとも思います。頭の回転の速さと思想傾向や良心、自制心の程度は必ずしも合致しないものですから。
「あの民主党が最後のデマゴーグとは思えない。もし国民の政治家、官僚への軽蔑、不信感や抜本改革願望が続けているとしたら、あの民主党の同類がまた日本のどこかに現れてくるかもしれない」
(映画「ゴジラ」の山根博士の台詞のパロディです)

(注)政府が行うべき仕事として公共事業を挙げているのは、社会保障は憎き高齢者の既得権益を守るものだと、彼らの支持層が社会保障に対する嫌悪感を持っていることを察した結果とすれば、商売としてみれば実に良く考えてあるなあとも思います。

謹んで前回コメントを訂正します。

”山田厚史氏のようなネオリベ達”と書きましたが、”山田厚史氏のようなリベサヨ達”の間違いでした。

未だ焦付きをネタに融資先が増加に転じないのがどうなのかと、
といった金融機関自体の問題は今後100年先送りなんじゃないかと。
金貸しなんてララ〜ラ、ララララ〜ラ〜

日本には都市部の住居費という、欧州には無い大問題がありますので単純に比較はできないかと思います。おまけに「自己責任」で「市場」から調達せよ、というのが近年の日本の政策なので。インフレは、借家暮らしやこれから家を手にいれる人たちには直撃でしょう。

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