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2012年11月17日 (土)

政治学者舛添要一氏の名言

「現代ビジネス」の「舛添レポート」というのは、もちろん政治家舛添要一のメッセージを示す場なのでしょうし、実際前半はそういう文章なのですが、後半にはいると、さすがに昔取った杵柄というか、政治学者舛添要一の片鱗がほのかに感じられ、かつて駒場で舛添ゼミにいたこともあるわたくしとしては、そこで読まされた本が登場していることもあり、懐かしさから思わず引用してしまいました。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34036

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34036?page=2

「一億総白痴化」を推進するマスコミ

 政治的リーダーシップについて、最近考えていることを少し書いてみたい。東大で政治学の研究者になったときに、最初に取り組んだのがナチズム、ファシズムの研究である。数多くの文献にあたったが、その中でも印象に残っているのが、シグムント・ノイマンの名著『恒久革命』である。

 ノイマンは、全体主義の特徴として、永遠の革命、つまり常に、コマネズミのように動き回り、次々と革命の対象を広げていくことをあげ、それこそがファシズム運動だと指摘した。具体的には、何かイベントを拵えたり、目新しい政策を打ち出したり、対外戦争に乗り出したり、とにかくじっとしておらず、次々と新しい課題を作っていくのである。そして、最後には、それが第二次世界大戦へとつながっていく。

 最近のポピュリスト政治家たちの言動を見ていると、まさに恒久革命を行っているかのようである。都政とは何の関係もない尖閣諸島問題を争点化したり、次々と攻撃対象を作ってツイッターで批判したりする、そして、それがマスコミによる増幅作用を通じてポピュリズムを刺激する。

 テレビのワイドショーを作る立場からは、こんなに美味しい素材はないが、かつて流行った言葉で言えば、「一億総白痴化」を推進している。これでしっかりした国の舵取りができるはずはない。今の政治の混迷は、政治家のみならず、国民全体の問題でもある。

薄っぺらな大衆煽動主義に終止符を

 日本の再生のためには、まず、第一に、ポピュリズムの克服が不可欠である。私は、長いことマスコミ、とりわけテレビの世界で仕事をしてきたので、その功罪については、よく知っている。メディア戦略のみの薄っぺらな大衆煽動主義に終止符を打つべきである。

 ユダヤ人という敵を作り上げて、大衆の憎悪心をそこに集中させた結果が、アウシュビッツの悲劇となり、人道に対する犯罪につながったことを忘れてはならない。マスコミ、とりわけテレビが恒久革命を推進させていることを、マスコミ人は自覚して仕事をせねばならない。視聴率、部数は伸びても、日本国が滅びたのでは何にもならない。

 第二は、敵を措定することでしか、自分の価値をあげることができないような政治家には、日本国を導いてもらいたくない。ナチスの御用学者カール・シュミットは、政治を友・敵関係と規定したが、確かに政治をそうとらえるのは間違ってはいない。しかし、ユダヤ人や「シナ人」を敵視して、自分の優位を誇るようなリーダーは国を滅ぼす。

 中国は、いまだ人治国家で、法治国家になりきれていない。だから国内法も国際法も無視する野蛮なことをする。彼らに、そして彼らを批判してやまない日本のポピュリスト政治家にも必要なのは、「文明の作法」である。品格や風格をそなえ、「文明の作法」を心得た政治家にこそ、わが日本を指導してもらいたいものである。

(参考)

http://www.msz.co.jp/book/detail/04931.html

04931_big著者は1902年ドイツのライプツィヒに生まれた。俊敏な社会科学の業績『プロシア保守主義の諸段階』(1930)『ドイツ政党論』(1932)で知られたが、ナチスの権力掌握とともに外国に去る。1942年アメリカで出版した本書は、ナチを一典型とする全体主義支配の社会構造の分析と記述をこころみたものである。刊行と同時に古典としての声名を得、現在なお高い評価を受けている。それは本書の主題が全体主義の一つの「理想型」の提示として理解され、いかに時代が変ろうとも、現実分析における制度と勢力の秤量と把握に有益であるからである。著者はまた、ドイツのアカデミズムの最良の伝統である社会科学と思想史の関連をみずから体現しているので、変貌する世界の現代史の叙述としても、比類のないレベル。に達している。
本書の邦訳は、著者と丸山真男教授との相互の深い敬愛に機縁を持つ。この独創的な学者また偉大な教育者であった人は1962年に世を去った。しかし著作は朽ちず深い感銘と影響を残しつづけるであろう。

目次は以下の通り

日本の読者に寄せる序
序章
謝辞

第1章 現代独裁制の特質
歴史的背景/現代独裁制の起源、三つの例/現代独裁の諸類型
第2章 指導者
比較と対照=制度の象徴/独裁=個人支配
第3章 運動幹部
No・2マン=その性格と類型/エリートの複合的構造/リーダーシップの訓練と継承
第4章 無形の大衆
大衆の反逆/産業革命の衝撃/ファシズムの社会的基盤/大衆の非合理性
第5章 一党国家
民主的政党制の崩壊/全体主義政党の性格/人と組織/その発展段階
第6章 大衆の統制=制度的手段
基礎的諸原則/官僚制=三つの型/兵営国家の経済/独裁と軍隊/独裁と教会/独裁と家族制/政治教育/政治的武器としてのテロ
第7章 大衆の統制=世論と宣伝
宣伝に関する誤解/宣伝の対象/全体主義的支配のテクニック/象徴と大衆操作
第8章 恒久の戦乱とその衝撃
全体主義の基盤/ドイツにおける世代の相剋/ファシスト・イタリアとソヴェト・ロシアの場合/西欧デモクラシーと戦争の衝撃
第9章 国際政治における独裁
全体戦争への途/征服の政略と戦略/デモクラシーに対する挑戦

訳者あとがき

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コメント

私は現代国際政治史の研究者です。ある著名な米国は1943年9月にチャーチルを次のように評しています。

チャーチルには他者を高揚させる才がある。ウィット、ユーモア、戦略の才があるだけでなく、雄弁で寛大、礼儀正しく、他者を見下すこともない。

チャーチルは「他者には知る権利があることを知っているので、彼は他者に話すのである。彼は自分が堂々としていることを他者に保証しているので、彼はその旗の下へと人々を呼び集めるのである」。

※チャーチルにもわざと自国民をナチスによる空襲にさらしたのではないかとの疑惑もありますが、それを差し引いても現代日本のポピュリストとは比較にならない指導者です。

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