アカデミックでもなければ職業教育に力を入れるわけでもないという大学教育の質
JILPTのコラムに、堀有喜衣さんが「日本の大学は多すぎるのか?」という柔らかくぴりりとした小文を寄せています。
http://www.jil.go.jp/column/bn/colum0212.htm
例の真紀子騒動をまくらに、「大学が多いこと」と、「学生の質の低下」や「未就職問題」との関連について述べています。
その後半の未就職問題について、
未就職についても、大学が多すぎることが学生の未就職に結びついているのかどうかはわからない。未就職は大学ランクの下位に位置づくマージナル大学で主に生じているが、マージナル大学は景気が回復しても、上位大学ほど未就職率が改善しない。アカデミックでもなければ職業教育に力を入れるわけでもないという大学教育の質における課題が、未就職率と深くかかわっていると推測される。大学での勉強の成果を評価しないという企業側の言説を背景に、「大学の増加」「少子化」→「大学進学率が高かった時代と変わらないアカデミックな大学教育」→「マージナル大学における未就職者の析出」、という見立てもできるだろう。大学が増加するにあたり職業教育的な要素の強い大学が増加していれば、今ほどマージナル大学の未就職率は高くなかったかもしれない。
その気になって読めば結構キツイ表現ではあります。
「大学が多いこと」自体については、
例えば個人や社会にとっての大学教育の効用、知識社会化や労働市場からの需要など論点は多岐にわたるが、それぞれの観点によって望ましい大学・学生数は大きく異なることが予想される。多くの人々の関心を集めたことをひとつのきっかけとして、議論が活発化することを望みたい
と、さりげにかわしていますが、もちろん先進国スタンダードからすれば日本は高等教育機関が多くないのです。むしろ少ない。ただ、「アカデミックでもなければ職業教育に力を入れるわけでもないという大学」がやたらに多いだけで。
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はじめまして。「マージナル大学」で派遣非常勤やってます。そのブラックすぎる職場環境についてはさておき。
マ大卒者の未就職率の要因としては、大学教育の質というより、本質的には、学生の素質によるところが大きいと考えます。すなわち、マ大学生の学習能力の低さ(推論できない、90分間学習に集中できない、本が読めない等学習障害に近い。)です。
そもそも彼らの多くは日本語運用力も不十分な留学生です。しかも、他国においては進学できない程度の基礎学力の。
このように、マ大生は、学習能力が極めて低い日本人並びに基礎学力及び日本語運用力低劣な留学生からなっており、そのうえ規範意識が希薄で、指示指導が通りません。
受信側の低い情報処理能力ゆえ、発信側で情報を単純化せざるを得ません。
さもなくば、SDのもと、学生評価アンケで低評価がつき、それに対する改善策を迫られるからです。有期雇用教員であれば失職の危険です。
投稿: しろうと教師 | 2012年12月 1日 (土) 18時28分