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2012年10月26日 (金)

湯浅誠『ヒーローを待っていても世界は変わらない』より

14122ということで、世の中ではあちこちでヒーローが騒ぎを起こしているようですが、何にせよ、本ブログでも何回か取り上げてきた「保守と中庸の精神」に満ちた湯浅誠さんのこの言葉を、改めて拳々服膺したいですね。

http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=14122

・・・尊重されるべきものが尊重されていないという不正義が自分の身に降りかかっていて、他にもそういう被害者がいるらしい。なぜそんな不正義がまかり通るのかといえば、自分のことしか考えず、自己利益のために正義を踏みにじる「既得権益」が世の中にあるからだ。だから、「切り込み隊長。頼むよ」ということで、バッサバッサとやってもらうことが正義にかなうと感じられるのですが、複雑な利害関係がある中でバッサバッサとやることで、気づいてみたら自分が切られていた、ということもあり得るでしょう。

なぜなら、自分にとっては「必死の生活とニーズ」であるものも、他の人からは「所詮は既得権益」と評価されることがあり、それが「利害関係が複雑」ということだからです。

自分はヒーローの後ろから、ヒーローに声援を送っているつもりだった。ヒーローはバッサバッサと小気味良く敵をなぎ倒し、突き進んでいく。「いいぞ。やれやれ」とはやし立てていたら、あるときヒーローがくるりと振り向いて自分をばっさり切りつけた。

一瞬何が起こったか理解できなかったが、遠のく意識で改めて周囲を見回してみたら、ヒーローをはやし立てている人は自分以外にもたくさんいて、そのうちの何人かは自分を指さして「やっつけろ」と言っていた。そのことに気づいたときには、自分はもう切られた後だった--という事態です。

実際、世の中には、自分が切りつけられる寸前なのに、やんややんやとヒーローに声援を送りつづけている無邪気な人が絶えませんね。

(参考)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-9f6e.html(湯浅誠氏が示す保守と中庸の感覚)

・・・世の中の仕組みをどうするかというときに、「ステップを踏むなんてもどかしい」と「ウルトラCに賭ける」のが急進派、革命派であり、「ウルトラCなんかない」から「ステップを踏んでいくしかない」と考えるのが(反動ではない正しい意味での)保守派であり、中庸派であると考えれば、ここで湯浅氏と城氏が代表しているのは、まさしくその人間性レベルにおける対立軸であると言うことができるでしょう。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-3bac.html(湯浅誠氏がさらに深めた保守と中庸の感覚)

・・・わたくしがこれらの言葉の中に聞くのは、「他者をこきおろす者が、それが強ければ強いほど高く評価されるような状態、より過激なバッシングへの競争状態」が猛威を振るう現代において、ほとんど得難いほどの透徹した「保守と中庸の感覚」の精髄です。

なにゆえに、保守と中庸の感覚が期待されるはずの人々にもっともそれらが欠落し、かつてまでの常識ではそれらがもっとも期待されないような「左翼活動家」にそれらがかくも横溢しているのか、その逆説にこそ、現代日本の鍵があるのでしょう。

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