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2012年10月13日 (土)

名古道功・吉田美喜夫・根本到編『労働法Ⅰ集団的労働関係法・雇用保障法』

Isbn9784589034540名古道功・吉田美喜夫・根本到編『労働法Ⅰ集団的労働関係法・雇用保障法』(法律文化社)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.hou-bun.com/cgi-bin/search/detail.cgi?c=ISBN978-4-589-03454-0

集団的労働関係法および雇用保障法を詳細に概説した体系的教科書。初学者以外に労働者にも理解しやすく丁寧に叙述し、学説・判例は客観的に解説した。旧版刊行(06年)以降の動向をふまえ改訂。

ということで、中級レベルの教科書として手頃です。第1章が総論(吉田美喜夫・名古道功)、最後の第8章が労働市場法(根本到)で、その間に集団的労働法が6章分はいっているという構成です。

根本さんの書かれた第8章のそのまた一番最後の項で、労組労供についての説明といくつかの裁判例を紹介しているのは、このクラスの教科書としては珍しいのではないかと思います。

ここでは、第1章の最後の「労使紛争解決システムの課題」のそのまた一番最後の二つの段落を引用しておきます。

労使紛争が増加する中で、紛争処理システムが多様化し、それぞれに適合的な解決制度が整備されたことは評価しうるであろう。これまで泣き寝入りしていた労働者も解決を求めやすくなったと言える。しかし、真に実効性のある解決となっているかは慎重に検討する必要がある。例えば、労働者にとってアプローチしやすいのは、相談窓口が労働基準監督署に置かれている個別労働紛争解決制度であるが、あっせんとの解決制度であるため、必ずしも満足のいく解決につながっていない。

最近、コミュニティユニオンが注目されている。その理由は労働者の個別紛争の相談に熱心に取り組み、団交を通じた自主解決において成果を上げているためである。労働者が「駆け込み訴え」を行うのは、多様な紛争解決システムへのアプローチのハードルが依然として高い、あるいは実効性に欠けているためであるように思われる。こうした点の改善が求められるとともに、紛争の発生を防止することが重要である。このためには、第1に経営者が労働法の知識を有することが必要になる。第2に、駆け込む労働者の大多数は中小零細企業で働いている。そこでは企業内労働組合の組織率は低く、労使コミュニケーションは不十分であると推測できる。従業員代表制も含めて、組合の存在しない企業において従業員の声を反映させる制度の検討が必要である。

今日の問題状況を手際よくまとめていると思います。

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