ガチ新古典派以外の社会保障研究者の皆さんはみんな「劣化著しい」
まあ、あごらな記事ですが、
http://agora-web.jp/archives/1483814.html(劣化著しい厚生労働白書 --- 鈴木 亘)
例によって、例の如くですので、いちいち引用しませんが、自分が唯一頼りとする新古典派経済学の手法以外の本ばかり並べ立ててる今回の白書に、「劣化著しい」という罵倒を繰り出すその姿は、知識社会学的な意味で興味深いものがあります。
何にせよ、鈴木亘氏と異なり、今回の白書の参考文献に並んでいるような社会政策論や社会学、政治学、社会哲学、政治哲学方面、それからもちろん経済学と雖もケインズやポランニの手法で社会保障を研究している皆さまは、みんな「劣化著しい」と罵倒されるようですので、お気をつけ下さいませ。
第1章 なぜ社会保障は重要か
◉ カール・ポラニー 『[新訳]大転換―市場社会の形成と崩壊』(野口建彦・栖原 学 訳 東洋経済新報社,2009年[ 原著1944年])
◉正村俊之 『グローバリゼーション 現代はいかなる時代なのか』(有斐閣,2009年)
◉福澤直樹 『ドイツ社会保険史 社会国家の形成と展開』(名古屋大学出版会,2012年)
◉田中拓道 『貧困と共和国――社会的連帯の誕生――』(人文書院,2006年)
◉ J.M.ケインズ 『雇用・利子および貨幣の一般理論』(普及版,塩野谷祐一 訳 東洋経済新報社,1995年[ 原著1936年])
◉ ウィリアム・ベヴァリジ 『ベヴァリジ報告 社会保険および関連サービス』(山田雄三監訳 至誠堂,1967年[ 原著1942年])
◉横山源之助 『日本の下層社会』(岩波文庫,1985年[原著1899年])
◉ 農商務省商工局工務課工場調査掛 『職工事情』(上)(中)(下)(犬丸義一 校訂 岩波文庫,1998年[原著1903年])
◉細井和喜蔵 『女工哀史』(岩波文庫,2009年[原著1925年])
◉濱口桂一郎 『労働法政策』(ミネルヴァ書房,2004年)
◉ 齋藤純一・宮本太郎・近藤康史 編 『社会保障と福祉国家のゆくえ』(ナカニシヤ出版,2011年)
◉堀 勝洋 『社会保障法総論』(東京大学出版会,1994年)
◉広井良典 『日本の社会保障』(岩波新書,1999年)
◉ 橘木俊詔 『安心の社会保障改革 福祉思想史と経済学で考える』(東洋経済新報社,2010年)
◉ 橘木俊詔 『朝日おとなの学び直し 経済学 課題解明の経済学史』(朝日新聞出版,2012年)
◉松村祥子 編著 『欧米の社会福祉の歴史と展望』(放送大学教育振興会,2011年)
◉糸賀一雄 『福祉の思想』(NHKブックス,1968年)
◉小峯 敦 編 『福祉の経済思想家たち』[増補改訂版](ナカニシヤ出版,2010年)
◉椋野美智子・田中耕太郎 『はじめての社会保障』[第9版](有斐閣アルマ,2012年)
◉ クリストファー・ピアソン 『曲がり角にきた福祉国家――福祉の新政治経済学』(田中浩・神谷直樹 訳 未來社,1996年[ 原著1991年])
◉東京大学社会科学研究所 編 『転換期の福祉国家[上]』(東京大学出版会,1988年)
◉坂井素思・岩永雅也 編著 『格差社会と新自由主義』(放送大学教育振興会,2011年)
◉友枝敏雄・山田真茂留 編 『Do! ソシオロジー』(有斐閣アルマ,2007年)
◉ Paul Pierson “Dismantling the Welfare State?:Reagan, Thatcher and
the Politics of Retrenchment”(Cambridge University Press, 1994)
◉宮本太郎 編 『比較福祉政治―制度転換のアクターと戦略』(早稲田大学出版部,2006年)
◉ アンソニー・ギデンズ 『第三の道―効率と公正の新たな同盟』(佐和隆光 訳 日本経済新聞社,1999年[ 原著1998年])
◉横山和彦 『社会保障論』(有斐閣,1978年)
◉宮本太郎 『福祉政治 日本の生活保障とデモクラシー』(有斐閣,2008年)
◉宮本太郎 『生活保障 排除しない社会へ』(岩波新書,2009年)
◉伊東光晴 編 『岩波 現代 経済学事典』(岩波書店,2004年)第2章 社会保障と関連する理念や哲学
◉伊奈川秀和 『フランス社会保障法の権利構造』(信山社,2010年)
◉重田園江 『連帯の哲学Ⅰ フランス社会連帯主義』(勁草書房,2010年)
◉(再掲)田中拓道 『貧困と共和国――社会的連帯の誕生――』(人文書院,2006年)
◉近藤康史 『個人の連帯 「第三の道」以後の社会民主主義』(勁草書房,2008年)
◉ アダム・スミス 『道徳感情論』(上)(下)(水田 洋 訳,岩波文庫,2003年 [原著1759年])
◉ アダム・スミス 『国富論』(一)~(四)(水田 洋 監訳,杉山忠平 訳,岩波文庫,2001年 [原著初版1776年,原著第五版1789年])
◉大野忠男 『自由・公正・市場 経済思想史論考』(創文社,1994年)
◉堂目卓生 『アダム・スミス 『道徳感情論』と『国富論』の世界』(中公新書,2008年)
◉塩野谷祐一 『経済と倫理―福祉国家の哲学―』(東京大学出版会,2002年)
◉塩野谷祐一・鈴村興太郎・後藤玲子 編 『福祉の公共哲学』(東京大学出版会,2004年)
◉ ジョン・ロールズ 『正議論 改訂版』(川本隆史・福間 聡・神島裕子 訳 紀伊國屋書店,2010年[ 原著改訂版1999年,原著初版1971年])
◉ ジョン・ロールズ 著/エリン・ケリー 編 『公正としての正義 再説』(田中成明・亀本 洋・平井亮輔 訳 岩波書店,2004年[ 原著2001年])
◉ アマルティア・セン 『正義のアイデア』(池本幸生 訳 明石書店,2011年 [原著2009年])
◉川本隆史 『ロールズ―正義の原理』(講談社,2005年)
◉長谷部恭男 『続・Interactive憲法』(有斐閣,2011年)
◉(再掲)広井良典 『日本の社会保障』(岩波新書,1999年)
◉ ロバート・ノージック 『アナーキー・国家・ユートピア 国家の正当性とその限界』(嶋津 格 訳 木鐸社,1992年[ 原著1974年])
◉ M・J・サンデル 『リベラリズムと正義の限界 原著第二版』(菊池理夫 訳 勁草書房,2009年[ 原著第二版1998年,原著初版1982年])
◉ マイケル・サンデル 『これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学』(鬼澤 忍 訳 早川書房,2010年 [原著2009年])
◉川崎 修・杉田 敦 編 『現代政治理論』(有斐閣アルマ,2006年)
◉ W・キムリッカ 『新版 現代政治理論』(千葉 眞・岡﨑晴輝 訳者代表 日本経済評論社,2005年[ 原著第二版2002年])
◉ アダム・スウィフト 『政治哲学への招待―自由や平等のいったい何が問題なのか?』(有賀誠・武藤 功 訳 風行社,2011年[ 原著2006年])
◉田中成明 『現代法理学』(有斐閣,2011年)
◉亀本 洋 『法哲学』(成文堂,2011年)
◉ 原 美和子 「浸透する格差意識 ~ISSP 国際比較調査(社会的不平等)から~」(NHK放送文化研究所 『放送研究と調査』2010年5月号)第1部 社会保障を考える
◉ 髙橋幸市・村田ひろ子 「社会への関心が低い人々の特徴 ~「社会と生活に関する世論調査」から~」(NHK放送文化研究所 『放送研究と調査』2011年8月号)第3章 日本の社会保障の仕組み
◉広井良典・山崎泰彦 編著 『社会保障』(ミネルヴァ書房,2009年)
◉ (再掲)椋野美智子・田中耕太郎 『はじめての社会保障』[第9版](有斐閣アルマ,2012年)
◉(再掲)宮本太郎 『生活保障 排除しない社会へ』(岩波新書,2009年)
◉ 阿部 彩 『弱者の居場所がない社会 貧困・格差と社会的包摂』(講談社現代新書,2011年)
◉島崎謙治 『日本の医療 制度と政策』(東京大学出版会,2011年)
◉ 堤 修三 『介護保険の意味論 制度の本質から介護保険のこれからを考える』(中央法規出版,2010年)
◉権丈善一 『再分配政策の政治経済学』Ⅰ~Ⅴ(慶應義塾大学出版会,2001~2009年)
◉ 細野真宏 『「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った? ~世界一わかりやすい経済の本~』(扶桑社新書,2009年)
◉太田啓之 『いま、知らないと絶対損する年金50問50答』(文春新書,2011年)第4章 「福祉レジーム」から社会保障・福祉国家を考える
◉ G・エスピン-アンデルセン 『福祉資本主義の三つの世界 比較福祉国家の理論と動態』(岡沢憲芙・宮本太郎 監訳 ミネルヴァ書房,2001年[ 原著1990年])
◉ G・エスピン-アンデルセン 『ポスト工業経済の社会的基礎 市場・福祉国家・家族の政治経済学』(渡辺雅男・渡辺景子 訳 桜井書店,2000年[ 原著1998年])
◉ G・エスピン-アンデルセン 『アンデルセン、福祉を語る 女性・子ども・高齢者』(京極高宣 監修/林 昌宏 訳/B.パリエ 解説 NTT出版,2008年)
◉(再掲)宮本太郎 『福祉政治 日本の生活保障とデモクラシー』(有斐閣,2008年)
◉(再掲)宮本太郎 『生活保障 排除しない社会へ』(岩波新書,2009年)
◉ (再掲)齋藤純一・宮本太郎・近藤康史 編 『社会保障と福祉国家のゆくえ』(ナカニシヤ出版,2011年)
◉ 富永健一 『社会変動の中の福祉国家 家族の失敗と国家の新しい機能』(中公新書,2001年)
◉ 藤井 威 『福祉国家実現へ向けての戦略―高福祉高負担がもたらす明るい未来―』(ミネルヴァ書房,2011年)
◉ 湯元健治・佐藤吉宗 『スウェーデン・パラドックス 高福祉、高競争力経済の真実』(日本経済新聞社,2010年)第5章 国際比較からみた日本社会の特徴
◉ OECD “Society at a Glance 2011:OECD Social Indicators” (OECD Publishing,2011)
◉ OECD 編著 『図表でみる世界の社会問題2 OECD社会政策指標 貧困・不平等・社会的排除の国際比較』(高木郁朗 監訳,麻生裕子 訳 明石書店,2008年)
◉ OECD “How’s Life?:Measuring Well-being”( OECD Publishing,2011)
256 平成24年版 厚生労働白書
◉ OECD 編著 『世界の若者と雇用―学校から職業への移行を支援する 〈OECD若年者雇用レビュー:統合報告書〉』(濱口桂一郎 監訳,中島ゆり 訳 明石書店,2011年)
第6章 日本社会の直面する変化や課題と今後の生活保障のあり方
◉ 国立社会保障・人口問題研究所 京極高宣・髙橋重郷 編 『日本の人口減少社会を読み解く 最新データから読み解く少子高齢化』(中央法規出版,2008年)
◉宮本みち子 編著 『人口減少社会のライフスタイル』(放送大学教育振興会,2011年)
◉宮本太郎 編 『弱者99%社会 日本復興のための生活保障』(幻冬舎新書,2011年)
◉大嶋寧子 『不安家族 働けない転落社会を克服せよ』(日本経済新聞出版社,2011年)
◉宇沢弘文・橘木俊詔・内山勝久 編 『格差社会を超えて』(東京大学出版会,2012年)
◉濱嶋 朗・竹内郁郎・石川晃弘 編 『社会学小辞典』[新版増補版](有斐閣,2005年)
◉内閣府 『経済財政白書』(各年版)
◉内閣府 『国民生活白書』(各年版)
◉内閣府 『男女共同参画白書』(各年版)
◉内閣府 『子ども・子育て白書』(各年版)
◉内閣府 『子ども・若者白書』(各年版)
◉文部科学省 『文部科学白書』(各年版)
◉国土交通省 『国土交通白書』(各年版)
◉経済産業省 『通商白書』(各年版)
まあ、
http://twitter.com/yasudayasu_t/status/241204715407421440
古典なんて読んで遊んでる暇はないぞ、と言われるほどバイアス掛かりまくった教育を受けてきた
方々に共通の症候群かも知れませんね。
(ぶくまより)
dongfang99 鈴木先生は学部生でも名前を知っているレベルの社会保障論の古典を全然勉強していないからなあ。アンデルセンを知らなくても専門家の顔をできるというのは、社会保障論のいいところでも悪いところでもあるが・・・
経済学(の特定の部分)を抜きに社会保障をちょっとでも論じると、この世の一大事みたいに大騒ぎするくせに、社会保障論のイロハのイの基本すらまったく知らなくても、経済学(の特定の部分)を振り回すだけで、社会保障論を偉そうに論じてしまえるという、この知的非対称性にこそ、根本的な知的退廃の根っこがありそうですね。
(皮肉にも)
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20120903#p1(鈴木亘『年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本対策』)
リフレ派の多くは鈴木提案に賛同している。僕もこの提案を支持する。
ほお、リフレ派の多くは公的年金の積み立て方式を支持するとな。
いやこいつはリフレ派じゃないとかなんとか、醜い仲間割れをされるんでしょうかね。
こういうときのために「りふれは」という記号を発案しておいて差し上げたのですけど。
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かといって、新古典派経済学に問題がある、とするのも逆の意味でバイアスが入る危険があります。もちろん、新古典派経済学に問題があり得ること自体は否定しません。
例えば、賦課方式の方が優れている、世代会計に批判的な経済学者は普通にいるでしょう。Diamondはそうです。
この前、図書館で脇田成『マクロ経済学のナビゲーター』を目にしてパラパラと見ましたが、世代間格差論に疑問を呈する記述がありました。脱脂粉乳の時代と今の時代を比べて意味があるのかなど。私も同感です。
また、鈴木亘氏の記事に小黒一正氏も事前積立方式に賛同するコメントを寄せてますが、一橋大だと高山憲之、小塩隆士氏は積立方式への移行に否定的です。
あるいは彼らは新古典派に区分されないのでしょうか?それならば、新古典派でない経済学者は結構いそうです。
結局、経済学が悪いのではなく経済学者が悪いということの方が多そうです。
投稿: spec | 2012年9月 2日 (日) 13時06分
誤解を招いたかも知れませんが、別に新古典派経済学自体が悪いなんてひと言もいってませんよ。実際、労働経済学方面では大変役に立ってます。
上で皮肉ったのは、新古典派経済学以外のさまざまな社会科学に基づく記述が一切目に入らず、自分の関心のあることが自分の正しいと信ずる手法で分析されていないということだけ取り上げて喚く鈴木氏の心性(これは他のネット上の類似の人々にも共通する心性でしょうが)であって、それ以上ではありません。
思うに、こういう心性は、「マルクスも引用していない、レーニンも引用していない、毛沢東も引用していない、こんなブルジョワ社会学は殲滅せよ」てなことを言ってたある種の国家のある種の人々の心性と酷似しているのではないかと思われます。
あんたが書いて欲しいことだけが社会科学ではないのだよ。
投稿: hamachan | 2012年9月 2日 (日) 13時54分
http://www.inhcc.org/jp/research/news/niki/20111001-niki-no087.html
>F・A・ハイエク(経済学者・哲学者。1899年生-1992年没)「[自然科学と異なり]社会研究においては、ある専門分野への極端な専門化はとりわけ破壊的な結果をもたらす。そのような専門化によってわれわれは、単に魅力的な話し相手とか良き市民になれなくなるというだけでなく、専門の領域において、または、少なくとも遂行していかなければならない重要な課題のいくつかにかんして、適正を欠くようになるのだ。物理学者でしかない物理学者は、それでも第一級の物理学者、そしてもっとも価値ある社会の一員、でありうる。しかし経済学者でしかない経済学者は、偉大な経済学者ではありえない。これに加えて私はむしろ、経済学者でしかない経済学者は、積極的な危険となるか、そうでなくとも迷惑となる、といいたい気がする」
新古典派経済学者の代表とされるハイエクも、「経済学者でしかない経済学者」の危険性に気づいていたのに、後学の徒には無視されてしまったようです。これも古典を読まなくなった弊害なのでしょうか。新古典派経済学の方法論さえ用いれば主要な社会問題に対する「科学的」解答を得られるとする勘違いを養成し、増長する構造が経済学教育にあるためでしょうか。
権丈教授の「再分配政策の政治経済学」シリーズを読んでいると、そのような考え方に対するアンチテーゼがみられるのがわかります。つまり、数学を駆使してモデルを作成しているから自然科学と同様の客観性があるわけではなく、他の社会科学と同様に思想や価値判断、時代の社会状況によって個々の学派の特徴が作られ、そして主流派、正しいとされる概念も変遷していったということです。
投稿: dermoscopy | 2012年9月 2日 (日) 21時22分
hamachan先生の意図としては、新古典派≒「歴史や哲学よりも数学を重視する経済学者」ということなのでしょうけど、むしろ年金数理みたいなバリバリの数学を理解している人なら、年金は破綻しないし、積み立て方式が非現実的ってことが分かるはず(高橋洋一氏すらそこは分かってる)なんですけどね・・・
池田信夫氏とか、同じくアゴラ界隈だと小黒一正氏とかもそうですけど、鈴木亘氏も、数学が苦手なのか、モデルも使わなければ統計分析もしない、悪い意味で「社会学者的」なストーリー頼みの論評ばっかりで本当に辟易します。
まあただ、私も厚生労働白書にはやや不満があって、年金が破綻しないことは年金数理でちゃんと示せるのに、なんでそれをしないんだと。白書だからって、数学ができない人向けを前提にするんじゃねえと、数式やモデルをちゃんと出せと。
hamachan先生もご存知のように、厚生労働省だって数理の専門家がいて、その人たちがとてつもない労力をかけて制度設計をしているのだから、鈴木亘氏みたいな数学が苦手な年金破綻論者を、真正面から数理でねじ伏せてくれよ、という。
投稿: charley | 2012年9月 3日 (月) 01時12分
私も「リフレ派の多くは鈴木提案に賛同している。僕もこの提案を支持する。」との発言に唖然としました。
まあ飯田泰之氏も積立方式がいいと言ってましたから驚きませんが、この10数年の年金議論の深化を無視していることだけは確かです。
運用利回り自体が人口変動の影響を受ける、同等定理などの議論を彼らは知っているのでしょうか。知っていてそういう議論をするのなら、それらについてどう考えているか提示してほしい。
高橋洋一氏は年金に関してはまともで、積立方式への移行を否定していますが。
もっとも、当初、積立方式が優れていると主張していた論者が、賦課方式に価値を認める方向に変遷することもまま見受けられるので、それを期待するしかないですね。
投稿: spec | 2012年9月 3日 (月) 22時46分