権利過剰論者に見えている世界
「すなふきん」さんのツイートから、
http://twitter.com/sunafukin99/status/247811545961201664
戦後日本人は権利ばかり主張して・・・というおなじみの言説って変だよな。もしそうならブラック職場環境や過労死や自殺がこんなに多くないはず。
http://twitter.com/sunafukin99/status/247813275369238530
保守右派の改憲論で問題なのは権利関係の制限をやりたがるところかな。元々法的に認められた権利行使にさえ控えめな国民なのに、これ以上権利を規制されたら相当まずいことになる懸念がある。
http://twitter.com/sunafukin99/status/247817007418986496
おそらく権利過剰論者に見えてる世界は現実よりめちゃめちゃ甘く見積もられているんじゃないかと思う。ブラック労働なんか存在しない、みんな9時から5時しか働いていない、残業手当は必ず出る、土日休み当たり前、そんなのけしからん!みたいなw
とりあえずはその通り。とともに、もう少し複雑な事情もありそう。つまり、現実社会は結構ブラックなんだが、それを「けしからん、是正されるべきだ」と個別事案で主張する立場からすると、現実は結構ブラックというのを出発点にするよりも、あるべきホワイトな姿を出発点にしがちで、それはともすると、「世の多くの現実はこんなにホワイトなのに、こいつはブラックでけしからん」というロジックになりがち。
弁護士が裁判官を説得する上ではそれは有用ではあるけれど、そういうロジックが積もり積もると、本当の真実の現実よりも、仮想的なホワイトな姿があたかも現実であるかのような誤解が瀰漫しがち。
労働法の世界で起こったのは、まさにそういうことじゃないか、と私は思っている。それが「日本ではよほどのことがなければ絶対に解雇なんかできない」などという言説が結構まともに流通したりする事態の原因。
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解雇に関してはアメリカだと云々というかたもいらっさいますが、
あっちでもほいほい首切られてるのは金融関連とか上位ホワイトぐらいでしょう。
その上ヘタ打つと差別となって訴訟となり、
結構あっさり負けたりします。
社会的に抹殺される危険があるので結構慎重になってるかと。
投稿: Dursan | 2012年9月19日 (水) 07時10分
>・・・現実は結構ブラックというのを出発点にするよりも、あるべきホワイトな姿を出発点にしがちで、それはともすると、「世の多くの現実はこんなにホワイトなのに、こいつはブラックでけしからん」というロジックになりがち。
「企業文化」という“縦割り”意識が常識的だと、「敷居をまたいだ隣は、こんなにも…」という言い分を成り立たせるしかないけれど、
「労働(者)文化」という“横割り”意識が常識的(ある“普遍価値”を共通保持)だったなら、わざわざ「(現実には存在しない)隣のホワイト」なんて、そもそも主張する必要がない、といえるわけで、
この辺、日本はまだまだヨーロッパ(アメリカだとたぶん違う)から学ぶところが多そうだな、と。
(学んだところで、「日本には合わない(アメリカ型でもないんだし)」とされて、スルーされてしまいそうだけど…)
投稿: 原口 | 2012年9月20日 (木) 23時27分