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2012年9月15日 (土)

内定取消し告知を人材紹介会社に押しつける会社

「労働あ・ら・かると」に、先日の「成功した起業家が陥る‘ブラック企業’への道」に続いて、岸健二さんがこれまた大変興味深い事例をネタにした話を書かれています。

http://www.chosakai.co.jp/alacarte/a12-09-2.html(内定取消し告知を人材紹介会社に押しつける会社)

人材紹介業の方からの内定取消しをめぐってのご相談の中で目につくのは、人材紹介会社が求人企業から「おたく経由で内定した人材について、内定を取り消したいが、人材に対してその手続き(内定取消しの告知)をしてほしい。もちろんトラブルなくうまくやってほしい。」と言われ、困惑している(どうしたものだろうかと困っている)というものです。

 内定取消しの理由は多種多様なのですが、外資系企業の場合は「本国からの採用凍結指示」、国内企業では「オーナーの気が変わった」というものが多いように思います。

 「本国からの採用凍結指示」という理由は困ったもので、そういう時になると日本法人の代表者や人事担当責任者は自ら「名ばかり社長」「名ばかり管理職」になり下がってしまい、ひたすら「本国」を振りかざすばかりです。相談された人材会社とご一緒に日本での法律やルールを説明しに行っても、中には「ワールドワイドでリクルートメントがフリーズになったのだから」と、カタカナを連発すればこちらが引き下がるのではないかと思っているのではないかという方もいらっしゃいます。・・・

こういうタイプ、いそう・・・。

一方で、「気が変わった」という理由(実際にはいろいろな理由づけが付帯していることが多いのですが、煎じ詰めれば「やっぱりやぁ~めた」ということ)に至っては、返す言葉もありません。

これは、中小企業に結構あるタイプ。『日本の雇用終了』にもいましたな。

岸さんの快刀乱麻の解答は

「有料職業紹介事業についての厚生労働大臣許可を受けているということは、何をして良いという許可を受けているのでしょうか? 自動車運転免許を取得しているということは、許可された範囲の自動車などを運転して良いわけですよね? では有料職業紹介事業許可はどうなんでしょうか?」

 言われるとみなさん「なぁ~んだ」という顔(もしくは声)をされるのですが、職業安定法第4条にて、“この法律において「職業紹介」とは、求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすることをいう。”と定義されており、みなさん有料職業紹介事業者はそれ(雇用関係の成立をあっせんすること)を有料で行って良いという許可を受けているわけです。

 したがって、「間違っても内定取消しという《労働契約予約の解約》の代行を行って良いという許可を受けているわけではないことを、もう一度よく自覚した上で、その企業にお断りしてください。そもそも、そういった法律行為の代理をすることは、‘雇用関係の成立のあっせん’とは両立しない考え方なので、弁護士さんに依頼相談されるよう、内定取消しをしようとしている企業にアドバイスされてはいかがでしょうか?」とお話ししています。

まあ、こういう筋道の通った発想がなかなか通らず、それこそ「お客様は神さま」現象が瀰漫してしまうと、何でもアリになってしまうのでしょう。

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