スポンサーから一言、ギリシャ人は週6日働け!
朝日の記事では、
http://www.asahi.com/international/update/0905/TKY201209050713.html(「ギリシャ守るため週6日働け」 EUが労働改革要求)
国家破産を逃れたかったら週6日働け――。財政危機に陥ったギリシャの現状を検証する欧州連合(EU)などの調査団が5日、アテネを再訪。その直前、EUなどがギリシャに求めたとされる労働市場改革の内容が報じられ、波紋が広がっている。
EUobserverでも、
http://euobserver.com/political/117435(Impose six-day working week or risk losing bail-out, Troika warns Greece)
Greece should impose a six-day week to secure the next tranche of its bail-out package, according to a leaked letter sent by the country's creditors.
Under a heading "increase flexibility of work schedules" the Troika - which is composed of officials from the European Commission, European Central Bank (ECB) and International Monetary Fund (IMF) - states that the country should "increase the number of maximum working days to six days across all sectors."
It adds that the government should also reduce daily rest between shifts to the 11 hours minimum and scrap restrictions on the length of shifts.
However, Greek employers will still be bound by EU labour laws such as the directive on working time, which requires workers to average no more than 48 hours per week over a four month period.
欧州委員会、欧州中銀、国際通貨基金の「トロイカ」が、ギリシャ人に対して、週6日働け!、毎日の休息時間は11時間まで減らせ!と要求しているようです。さもないと、借金を許してやらないぞ、と。
なんだか悪徳高利貸しみたいですが、この数字には一応根拠はあるのですね。
ギリシャも拘束されるEUの労働時間指令では、週労働時間の上限は48時間、1日の休息時間の下限は11時間、そこまでは働け、というわけです。
そういうことを言っているドイツ人たちの方がずっと労働時間は短いということは、以前本ブログでも紹介したところですが・・・。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-1d22.html(ギリシャ人は長時間労働なのに・・・)
念のために、ギリシャ人がどれくらい長時間労働しているか、そしてEUの中でそれがどれくらいに位置するのかを確認しておきましょう。
2010年のEU労働条件改善財団の資料から
http://www.eurofound.europa.eu/docs/ewco/tn0803046s/tn0803046s.pdf(Comparative analysis of working time in the European Union)
5ページのグラフを引用しておきます。データは2006年ですが、縦軸は年間労働時間、横軸は1時間当たりのGDP。
EU全体として、時間当たり生産性が高い国ほど労働時間が短く、生産性が低い国ほど労働時間が長いという傾向があるわけですが(右下がり)、ギリシャ人(EL)はその傾向よりもずっと上に外れています。つまり、予測される値よりもずっと長時間労働しているんです。それに対して、下の方に外れている、つまり予測される値よりもずっと労働時間が短いのが、そのギリシャ人を怠け者とと罵っているドイツ人(DE)やオランダ人(NL)であるというのが、なかなか皮肉なところです。
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