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均等待遇は使用者側が先にやってくれるというブラックジョーク

Hyoshi16 さて、その『POSSE』16号ですが、も一つの特集「ブラック化する介護・保育?」の中に、札幌地域労組の鈴木一さんのインタビューが載ってます。日本3大オルグの一人といわれる鈴木さんが、

「崩壊した介護労働は再生するか――札幌地域労働組合と介護保険制度後の現場」
鈴木一(札幌地域労働組合書記長)

劣悪な職場が生む虐待
職場の民主化の戦術とは

について語っているのですが、その中のこの一節が何とも皮肉で。

札幌市にある特養のルミエールという事例は、やはり安かろう、悪かろうの典型だと思います。ここはまさに介護保険のスタートに併せてオープンした施設なんですね。大体、介護保険のスタートに合わせてだったり、その後に立ち上げられた法人は、ほぼ最低賃金に毛が生えたくらいの賃金設定です。経営者は「これからは介護保険で儲かる」と、ただ金儲けを考えるんですね。従って使えるなら誰でもいいという雇用で、ベテランのスタッフが全然いません。

また、ここで驚いたのは、正社員と非正規社員が均等待遇なんです。最低賃金に毛が生えたところにみんな並ぶわけですね。そうすると、ほとんど賃金が変わらないから正社員になりたいという欲望もない。均等待遇は使用者側が先にやってくれるんだというブラックジョークのような話です。

特養でまともなところなら1年目の職員でも年収は300万円くらいになります。ところがルミエールは臨時職員も正規職員も同じ年収で220ー230万円。

そういう中で虐待問題が起きてきた。自分たちが大事にされていないのに、人に優しくなれるのかという問題なんです。

最後の方は、鈴木さん流の組合組織術。

組合運動の展望というところで言えば、現在、札幌地域労組は約30箇所の社会福祉法人の支部を組織していますが、過去の戦いではそのうち8箇所で経営者(理事長)を退陣させています。社会福祉法人は不正などの事実があれば、行政が指導監督するという制度になっているので、組合を作って不正を告発し、世論を盛り上げていけば、そういう戦いを組むことも可能です。・・・うまくいけば、社会福祉法人では、独裁者のような経営者を退陣に追い込むところまで持って行けるというのを広めて欲しいと思います。

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「第24回コミュニティ・ユニオン全国交流集会in京都」に参加し、やっと家にたどりついた。旧知の皆さんから、「ガンだと聞いたけど、元気そうですね」と声をかけられたが、正直、楽ではない。したがって、新たなテーマを書く気力はなく、業界の楽屋おちの話しを紹介して終える。JILPTの呉学殊さんも参加されていて、歓談させてもらった。その際に、呉さんの上司である濱口桂一郎さんの話題になり、濱口さんの先日のブログに「日本3大オルグの一人といわれる札幌地域労組の鈴木一さん」との記述があり、それ以来抱えていた...... [続きを読む]

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