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2012年9月21日 (金)

「権利過剰論者」にとって問題であること、問題でないこと

権利過剰論者にとっては、こういうニュースを見ても、本来問題ではないことが問題だァ!と騒ぐべきこととなり、本来問題だァと騒ぐべきことが全然問題ではなくなるということが、これほど如実によく現れている典型例はないですねぇ。

http://www.j-cast.com/2012/09/21147316.html(残業年1873時間で783万円、年収1574万 さいたま市職員なぜそんなことが許されるのか)

時間外手当を給与とほぼ同額受け取り、昨年度の年収が1500万円超に達する40代のさいたま市職員がいることが分かった。この職員を含めて、年間1000時間以上も残業した職員が80人ほどもいたというが、なぜそんなことが許されるのか。

まっとうな感覚の持ち主であれば、「なぜそんなことが許されるのか」というのは、言うまでもなく、そんな長時間労働をやらせることが許されるのか、という問いでなければならないはずですが(なにしろ、地方公務員には労働基準法の労働時間規制が直接適用されているわけですし)、どうもこの記事の記者にはそうでないようです。

高額な時間外手当支給が発覚したのは、2012年9月19日のさいたま市の定例市議会でのことだった。

一般質問に立った冨田かおり議員(改革フォーラム)が時間外手当についてただしたのに対し、市の総務局長が答弁で明らかにした。

さすが、「改革」を名乗る政治団体の政治家らしく、およそ問題にすべきことは、長時間労働でも何でもなく、労働基準法通りの時間外労働手当を法律に則って支払ったことのようでありますな。

さいたま市の職員課では、取材に対し、この職員が震災対応に追われ、土日祝日も働いていたことが大きいと説明した。ゴミ収集などの現業ではなく、一般事務をしていたというが、具体的な業務の内容などについては、個人情報保護のため答えられないという。

   2000時間近い時間外勤務については、臨時公務に当たるため、労基法違反にはならないとした。それを市が認めたのは、震災という特殊な事情があったからで、臨時職員を雇う時間もなかったとしている。

とにかく、この「改革」大好き政治家と、そういう政治家大好きなマスゴミさんたちは、長時間労働自体には何の問題意識も向けず、土日祝日まで長時間労働をさせるぐらいなら人手を増やせというようなことも言わず、ただとにかく、法律に基づいた正当な時間外手当を払ったことがケシカランケシカランとわめき立てるわけなのですね。

まさにここに、ブラック企業現象を草の根で支えるブラック政治家とブラックマスゴミとそしてそういう記事を読んで「そうやそうや、そんな奴らに残業代なんか払うな」と叫び立てるブラック一般人たちのがっちり組んだスクラムがあるわけなんでしょうなあ。

こういうブラック全開の人々に向かって、いや、問題は長時間労働なのだ、残業代さえ払えば長時間労働させても良いというのはおかしいのだ、なんてまっとうな話をしても、ただの一ワードすら通じないのではないか、と絶望感にうちひしがれる思いです。

(追記)

続きはこちら:

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/http.html(現代社会の常識)

・・・・・・・

その議員のブログを見てみました。

・・・・・・・

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コメント

これは、「やらなくて良い残業をやって残業手当を水増ししているんじゃないか?」という疑惑でしょう。そこをスルーするのは意図的なミスリーディングと取られてもしかたがないでしょう。

何をするためにこんなに残業が必要だったかが重要ですが、具体的な業務内容については「個人情報保護」を理由に回答拒否って訳がわかりません。公務員の作業内容だなんて、業務機密にはなりえても個人情報にはならないでしょうに。被災地対応を理由にはあげてますが、さいたま市って被災地とは別地方なわけで、それだったら他の自治体も同じであり、他の自治体でもこんなに超過勤務やってるのでしょうか。

まずは、業務内容に正当性を確認するのが先であり、確認できてから初めて、「勤務時間が長すぎる」だの、「もっと人を増やせ」だのといった議論が出てくるもんだと思われますが。

ブラック企業というと、長時間勤務を強制され、残業代は出ず、それで心身ともに消耗して退社とか入院とかがパターンですが、今回の話は、残業代は支払われてますし、職員が体を壊したわけではないので、ブラック企業の話に直ちに関連付けるのは不適切かもしれません。はたして、この話を聞いたブラック企業の労働者はかの公務員に同情するのでしょうか、逆に反発するかもしれませんよ。

仕事の内実を詮索する前に、まず問題にすべきは、さいたま市が労務管理もまともにできていないということなんじゃないでしょうか(記事によれば異常な労働時間は他職員でも発生していたようですし、そんな体制なら、1,800hとまでは行かなくても1,000h以上とかはザラにあっても不思議じゃないです)。
これはこの労働者が公務員だからチートしているという連想になるのでしょうか。だとすれば長年のマスゴミによる公務員バッシングは大いに功奏したといえますね。
なんの証拠もないのに、長時間労働やって可哀想とか、健康や精神状態は大丈夫だろうかとはならずに、俺達の金がチート野郎に盗まれてるんじゃないかというほうに思いが向かうのは、本当に危うい時代になったのだなと思います。
ちなみに私の前職は、例年年間1,200hぐらいは残業があるのに残業代は支払われてませんでした。でも、労働組合がないので誰も何も言いませんでした。体を壊す奴もそいつが悪いぐらいの扱いでしたね。


確かに。
多すぎる残業に対して職員の健康を心配しての批判がとても少なく、嵩む人件費への批判がほとんどなのが日本的ですね。

>>くまさん
>>今回の話は、残業代は支払われてますし、職員が体を壊したわけではないので

体を壊したかどうかはこの記事からは判断できませんよ。年間1000時間以上の残業をしては体を壊したり、精神を病んだ職員も居るのではないかという推測はできますが。

>>今回の話は、残業代は支払われてますし、職員が体を壊したわけではないので、ブラック企業の話に直ちに関連付けるのは不適切かもしれません。はたして、この話を聞いたブラック企業の労働者はかの公務員に同情するのでしょうか、逆に反発するかもしれませんよ。

つまり、「真のブラック企業の労働者はこんなもんじゃないんだ、残業代が払われるだけさいたま市の職員はまだマシなんだ。さいたま市をブラック扱いするなんておかしい。」とおっしゃりたいのでしょうか。
hamachan先生はまさにくまさんの様な方に絶望感を
感じられているのだと思います。

少なくとも、こういう実態が明るみに出てきたのはよろしいかと思います。
これを材料に公論が起こることを期待します。個人的には。

で、問題は、縦割り労務の自治体。
形式的には労働者でも、業務内容が個人請負状態。勿論仕事のボリュームで対価が支払われるのでなく、あくまで時間外(=“時間買”いとも言う)でペイするという仕組みです。当然。なかにはインチキもありますけれど。

もう一つの問題は、サラリーマンの仕事の「割り振り」が個人請負化していくと、その影響で(たぶんそうです!)請負や委託業務も仕事の割り振りが「一人単価の仕事量の相対比」で、契約獲得競争が行われるようになってくることです。使用価値ではなく仕事量と交換価値の比率に競争の目的が移っていく。
なので、両者(労働者も請負者も)、販売する労働力(ないし労務)が、“時買い化”して、ギュッと凝縮してリスク計算(安全・衛生やその他の危険回避の計算)を誰もしなくなっっちゃうことだと思います。

寧ろ、「成果」とか「結果」だけの評価で支払われる方が、“まだいくらかましだ!”、というところに追い込まれているわけですね。

>くまさん
あのセンテンスごとのタイトルの付け方だと、残業代の大きさのみを問題にしているように読まれても仕方ないと思いますよ。
生業としているのに文章の書き方がうまくないのか、プロなのに問題意識がそこにしか行ってないのかどちらかわかりませんが、変な方向にリードされている方々もいて、それは問題だと思います。

冨田かおり議員のブログを見てみると、記事とは多少トーンが違うようですけどね。
http://minnanokaori.net/?p=411

以前一度書き込みしたものです。いつも勉強させてもらっています。

さて、今朝(2012.10.31)の朝日新聞埼玉版には、中村純という記者の署名入りで本件が報道されていましたが、これがまあ、すごい内容で…。

http://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000001210310003

「労働基準法は残業を年360時間までと定めるが、公務員は適用除外だ。民間企業の「サービス残業」とは違い、申請すれば残業代は全額支給される。」
この記者は何が言いたいんですかね?労働基準法で残業が年360時間までと制限されているから(たぶん、この言い方も不正確なんだと思いますが。36協定で労使が過労死超えレベルまで認めてしまっているとかいう記事を数ヶ月前に読んだ気がしますが)、民間ではたとえ2000時間残業しても、360時間を超える部分はサービス残業になるが、公務員はそういう規制がないから満額出るとでも言いたいのでしょうか?
(しかし、地方公務員って労働基準法が原則適用されているのではなかったでしたっけ?どうも適用関係が私にはよく分かりませんが。)

しかし、「サービス残業とは無縁の公務員」というのには、現職国家公務員の私としてはビックリしましたよ。

なんでこんな新聞記事を金払って読まなきゃいかんのか。

残業が多いのがけしからんのではなくて、残業代を払うのがけしからんのでしょうね。この記者にとっては。

(それにしても1000時間超えなんて(公務員には)あり得ないと言わんばかりの記事ですが、年1000時間÷50週=20時間/週の残業というのは県庁あたりでも忙しい課なら割と平気でありそうですが。まあ、霞ヶ関だとサービス残業の嵐なので、満額付くのはすごいなというのは私から見ても本音ではそう思いますが、しかし、新聞社が違法な使用者のほうを正しいと言わんばかりの記事を書くのはいかがなものかと。)

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