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OECD『学校を超えた技能 韓国』

Askillsbeyondschoolreviewofkorea_97OECDの『学校を超えた技能』というプロジェクトの国別報告で、先日公表された韓国編を紹介するのは別に他意はありません。日本編がないからです。

こういう職業教育訓練という世界的には教育と労働をつなぐ最重要政策課題になっているテーマについては、日本国政府はなぜか興味を示そうとせず、このプロジェクトに参加している世界17カ国の中に日本は入っていません。既に公表されている国別報告書は次の通りで、

http://www.oecd.org/edu/highereducationandadultlearning/countrystudies.htm

OECD加盟国じゃない中国がなぜかちゃんと入っているのに、日本は入っていないのですね。

職業教育訓練などというのがどうでもいいとでも思っているからか、なんにせよ、日本の客観的な姿は、こういうところに現れたりするのですよ。

さて、そういうわけで、日本編がないので仕方なく9月4日に公表された韓国編を紹介します。

http://www.oecd.org/education/educationkoreashouldimproveitsvocationaleducationprogrammessaysoecd.htm

04/09/2012 - Korea should reform its vocational education and training programmes to ensure that students leave college with the skills and expertise that companies need in today’s rapidly changing labour market, according to a new OECD report.

OECDの新報告書によれば、韓国は、急速に変化する労働市場で企業が必要とする技能や専門性をもって学生たちが大学を卒業できるように、その職業教育訓練プログラムを改革するべきである。

The Skills beyond School review of Korea says that strengthening Korea's postsecondary programmes and institutions for vocational training will help the country meet the rising demand for higher level technical and professional skills.

「学校を超えた技能」も韓国レビューによれば、韓国の高校後教育プログラムと職業訓練機関を強化することは、韓国が高水準の技術的・職業的技能への増えつつある需要に応えることを助けるであろう。

Korea can build on several strengths: the high value placed on education in society, the strong literacy and numeracy skills of its young people, and a strong base of research and data linked to dynamic policy making. The main challenge is that the Korean labour market and its skills system contain rather weak incentives for investment in the skills required by the economy, as opposed to education qualifications which are widely revered.

韓国は、社会において教育へ付与されている高い価値、若者の読み書き計算能力の高さ、ダイナミックな政策形成につながる研究とデータの強力な基盤など、いくつもの長所の上に構築しうる。主な課題は、韓国の労働市場と技能制度が、広く尊重されている教育資格とは反対に、経済によって必要とされる技能への投資へのインセンティブをあまり含んでいないことである。

Among the OECD’s recommendations are that Korea should:
•Boost industry and business involvement in vocational training through a high profile national body;
•Improve quality in postsecondary junior colleges, with more rigorous assessments, and standardized curricula linked to national competency requirements; and
•Introduce mandatory workplace training in junior college programmes
•This review of Korea is the first published, alongside that of Denmark, of 17 countries pursuing OECD examinations of their postsecondary vocational training systems as part of the OECD's Skills beyond School exercise.

OECDの韓国への勧告の中で、とりわけ

・高い地位を有する国家機関を通じて職業訓練へ産業界を巻き込むこと

・厳格な評価と国家的能力資格とリンクさせた標準的カリキュラムにより、高校後の短期大学の質を向上すること。

・短期大学のプログラムに義務的な職場訓練を導入すること。

韓国は日本と共通するところもあれば違うところもありますが、韓国への勧告はそれを念頭に置きつつ参考になります。

表紙まで入れれば114ページ分あるこの報告書の全文は、ここで読めます。読む気のある人はどうぞ。

http://www.keepeek.com/Digital-Asset-Management/oecd/education/a-skills-beyond-school-review-of-korea_9789264179806-en

(追記)

田中萬年さんがこうコメントしているのですが

http://d.hatena.ne.jp/t1mannen/20120909/1347185719

そのような韓国でさえ、OECDより強い学校制度と職業訓練との連携を助言していることは注目されます。

日本へはこのような助言も意見も言わないと言うことは、日本は聞く耳を持たないと言うことが分かっているからなのでしょうか。

国際機に人材育成としては日本は無視されているようですね。

いやいや、OECD「が」日本「を」無視してるんじゃありません。

上で述べたように、そもそも日本国政府(OECDの担当部門が教育局なので、当然担当は文部科学省)が、こういう職業教育訓練に関わるプロジェクトに参加しようとしないから、OECDとしては文句の言い様すらないのです。

OECD非加盟国の中国が参加しているのに、日本は無視しているのです。

日本「が」職業教育訓練「を」無視しているのです。

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