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『生活保護200万人時代の処方箋~埼玉県の挑戦~』

510787400000埼玉県アスポート編集委員会編『生活保護200万人時代の処方箋~埼玉県の挑戦~』(ぎょうせい)をお送りいただきました。

この本で描かれている「埼玉県の挑戦」については、実はその企画段階で本ブログでも取り上げたことがあります。ご記憶の方もおられるのではないでしょうか。

http://shop.gyosei.jp/index.php?main_page=product_info&products_id=7567

「生活保護200万人」時代、自立支援をいかにしてすすめるか?
全国から注目される先進県・埼玉の成功事例を発信!

「教育・就労・住宅」三本柱の自立支援とは…?
全国から視察が訪れる埼玉県福祉部の取り組みを、考え方からノウハウまで丁寧に記録。
全国で生活保護受給者支援に取り組む関係者のバイブルとなる一冊。

平成24年6月、生活保護受給者が210万人を超え、過去最高を記録した。増え続ける生活保護予算及び同受給者の自立対策が地方自治体の喫緊の課題となっている。また、最近では芸能人家族の生活保護受給がマスコミに取り上げられるなど、生活保護制度自体のあり方についても、世間の注目が集まっている。

本書は、このような情勢のなか「生活保護受給者チャレンジ支援事業」はじめ最も先進的な取り組みとして注目される埼玉県の事例を中心に、地方自治体の抱える課題の検証とその解決策を明らかにするもの。

「教育・就労・住宅」の3分野から、包括的に生活保護受給者の自立を支援する全国初の取り組みについて、実例を豊富に掲載し具体的に解説。生活保護受給者支援に取り組む自治体担当者にとって即役立つ内容。

Isbn9784569697130その本ブログで取り上げたのは、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-4287.html(埼玉県が生活保護家庭の教育支援へ)

埼玉県といえば、『生活保護とワーキングプア』を書かれた大山典宏さんがおられるところですが、今回の政策に何らかのつながりがあるのでしょうか。

(追記)

本事業は、まさに大山典宏さんが担当されていました。

今回の本も、現埼玉県福祉部社会福祉課保護担当主査である大山典宏さんを中心にして、このアスポート事業で教育支援を担当される白鳥さん、就労支援を担当される下村さん、住宅支援を担当される竹嶋さんがそれぞれの章を執筆する形で書かれています。

序章 2年間のひきこもりから抜け出した誠君 
   ~アスポートの支援員がみた生活保護世帯の子どもたち~

1 生活保護200万人の時代
2 埼玉県の生活支援戦略(アスポート)
3 貧困の連鎖を断つ
4 職業訓練の提供で自立へ
5 住まいを失った人々の尊厳の回復を目指して
6 生活保護制度の目指すもの

実話がいっぱい載ってますので、是非手にとって各章をじっくり読んで欲しいのですが、ここでは、最後の6章から、この取り組みで現場の感覚がどう変わったかを大山さんが描き出しているこの部分を、

・・・事業の実施を通じて、福祉事務所の常識も変わりつつあります。

高校進学に関しては、自分の責任で勉強嫌いの子どもが多いから「仕方がない」、「そこは福祉の仕事ではなく教育の仕事で、我々は知らないよ」という状況だったのが、「やっぱり学習教室に行かせたい」と自分が関わっているケースのお母さんに「子どもに勉強させて高校へ進学させた方が良いですよ」と、ケースワーカーが説得するのが当たり前になりました。

「とにかくハローワークへ行って仕事を探せ」ということが、それまでの常識でした。それが、「一人ひとりの適性に応じた職業訓練を受けることで、長く働くことができる職場に就職することができる。どんな訓練が有効なのか、しっかり考えなければ」と現場が変わっていきました。

無料低額宿泊所については、「入れたら入れっぱなしで、あとはもう知らないよ」というところも少なくなかったのですが、「やっぱり宿泊所というのは長くいるところじゃない。次に向けて準備するところだ」「丁寧な支援でアパートに移ってもらわないと」という雰囲気に変わって来つつあります。

しかし、もっとも大きな変化は、ケースワーカーが支援の楽しさややりがいに気づいたことです。アスポートが行う支援を通じて、ケースワーカーは「ありがとう」と言ってもらえるのです。・・・

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