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2012年8月31日 (金)

敵を最強に描いておけば・・・

被災地で日夜奮闘するマシナリさんも、心が折れそうになったことが何度もあったのです。

http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-530.html(「絶対最強の公務員」なんているはずがない)

・・・被災地で復旧・復興支援に当たっていた公務員が自殺するという事態が発生しています。

・・・正直にいえば、私自身、震災後の被災地の状況やそれに対応するための業務の錯綜のため、心が折れそうになったことは何度もあります。あるいは、もうすでにある意味でのメンタルは崩壊しかかっているのかもしれません。もちろん、直接被災した地域ではない内陸部に住んでいて、自分を含む家族が直接の被害を受けていませんので、直接被害に遭われた方々に比べれば恵まれています。しかし、従来の通常業務に加えて被災地支援の業務を一部担当している中で、自分なりに手を尽くしても目に見えて被災地の復興が進むわけでもなく、したがって支援している方々に直接感謝されることも(たまにはありますが)ほとんどありません。むしろ、例年に比べて数倍に膨れあがったサー○ス残業を強いられながら、「役所なんかろくなこともしないでムダなことばかりしやがって」とか「くだらない決まり事ばかり気にして柔軟な対応もできない役立たずめ」という批判に日常的に晒されていれば、通常の精神状態でいられなくなるのもやむを得ないものと諦めております。

なぜこういうことがまかり通るのか、

・・・端的に言えば、報道機関による不適当な報道でこうした誤解や思い込みが広がっていくのですが、我々が普段接する批判というのは、こうした誤解や誤報に基づくものがほとんどでして、結局報道機関のミスのつけは公務員に回ってくることになります。公務員というのは、そうした誤解や誤報に基づく批判を正面から受けなければならない一方で、その誤解や誤報を指摘すれば「言い訳がましい」とさらに批判を強められてしまう立場ですので、基本的には平身低頭して不快・不満な思いをさせてしまったことをお詫び申し上げるしかありません。これで通常の精神状態を保つというのは、少なくとも私にとっては至難の業です。

・・・こうした我々の社会の「普通」の中では、不適切な報道やそれに基づき誤解を振りまいていく方々に手をつけることはできません。結局地元自治体として執りうる手段は、冒頭で引用した記事にあるように「男性の自殺を受け、派遣を受ける県内の市町村に対して、職員の心身のケアを徹底するよう通知」する程度です。不思議なことに、普段は「抜本的解決が必要だ」などと息巻いている方々の多くは、そうした公務員の心身のケアが必要となってしまうような状況の根本的な原因となっている誤解や誤報を「抜本的」に解決しようとすることありません。むしろそうした誤解に振り回された多数派を「民意」として、それは尊重されるべきという論調が多いように思います。しかし、こういう負のスパイラルはイタチごっこにしかなりませんし、それに対応するために要する時間、心身の疲労こそをムダの源泉として、その削減に取り組まなければならないものだと思います。

そして、さらに事態の本質をえぐっていくと、

敵を強大に描いておけば、持論が実現しない場合であっても「その敵が強大な力を有していて、あらゆる手段を使って陰謀を張り巡らしているから、俺は正しいことをいっているのに実現されないのだ」と言いつのることで、永遠に言い逃れをすることができます。「公務員は絶対的な権力を持ち、絶対に折れない精神力を持ち、絶対に利得を確保する頭脳を持ち、絶対にそれを知られないようにする陰謀を張り巡らしている」というあり得ない虚像を描いて、「相手が絶対に倒れない」という安心感から無秩序な批判を繰り広げるのが我々の社会の「普通」であるならば、その虚像に祭り上げられた生身の人間は心身を病んでしまいます。それもまた我々の社会の「普通」なのかもしれません。

という近年「りふれは」方面を中心に大流行の「陰謀論」に至りつくわけですが、肝心のその張本人の人々は、ハナから反省するどころか、まだまだ「巨悪」への攻撃が足りないとばかりに、空想的陰謀論の展開に余念がないようです。

被災地の公務員や公共サービスに関わる人々は、こういう不条理きわまる状況下で、それでも精神の健全さをなんとか保ちつつ、(そういう陰謀論者が指先一本動かすことのない)被災者のためのサービスに必死の思いで頑張っているのですが・・・。

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コメント

つい最近まで日本が中韓に向けていた目線は、都会が田舎に向ける視目と同じ。
名古屋人にしてみればタモリは早死にしろと思うのは当然と。

>被災者のためのサービスに必死の思いで頑張っているのですが・・・。

『民間のボランティア』なんてとんでもない!

阪神大震災で被災した当事者の一言。「助けに来てくれて一番ありがたいと思ったのは、自衛隊の人たち。 一番迷惑で邪魔だったのは、自称ボランティアの人たち。こちらが必要とする事はできず、逆に残り少ない食品や飲料水をコンビニで消費していく始末」
http://galasoku.livedoor.biz/archives/2738624.html

本当に困ったときに頼りになるのは専ら公務員。政府には政府でしかできない役割がある。

今日買った松下圭一さんの本に、マシナリさんを追い詰めるような役所は云々と書いている一節があって、ほんとうに悲しくなりました。

ご紹介いただきありがとうございました。

当初は陰謀論まで話を広げる意図はなかったのですが、書いているうちにいつもの話に行き着いてしまった感があります。

いろいろとコメントやTweetをいただいたのですが、批判的な意見が少ないのが意外でした。ネット空間で好き勝手に露悪的な言葉遣いができる場と、現実の人の死を目の当たりにしたブログエントリでは反応が違うようです。

自殺した職員には申し訳ないのですが、その尊い死が住民の方の意識が変わるきっかけになれば少しは報われるのかもしれません。

思うに、好き勝手に露悪的に言えるのは、その帰結が目の前に想像されることがないからなのでしょう。

それを目の前に突きつけることによる抑制効果というのは確かにありそうです。

ただ、目の前で人が死ぬことが描かれることによる抑制効果は、今まで見るところあまり持続性がないようで、別の場に行ってしまうと、また同じように露悪的な言葉遣いが乱舞する状況になってしまうようですが。

前回コメントはマリナリではなくマシナリでした。失礼いたしました。

抑制効果はあくまで抑制効果でしかないですね。やはりその心情が変わらなければ同じことが繰り返されていくのでしょうけれども、何ともやり切れなさが募ります。

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