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2012年8月31日 (金)

なぜ、こうも本質を取り違えた問題設定をしてしまうのか?

安藤至大さんのついーとですが、

http://twitter.com/munetomoando/status/241029907721900033

仮に高齢者の継続雇用を企業に強制しても問題がないのであれば、いっその事、老若男女を問わず希望者全員の雇用を企業に義務付けてはいかがでしょうか?失業問題が完全に解決しますね!

なぜ、こうも本質を取り違えた問題設定をしてしまうのか?とため息が出ます。

いうまでもなく、老若男女を問わず、正当な理由があれば雇用の継続を希望する人であっても雇用を終了して構わないし、正当な理由がなければそういうわけにはいかない、というのがものごとの出発点。

問うべき問いは、なぜ60歳という一定年齢であれば、「他の年齢であれば許されないような」雇用終了が許されるのか?という問いでなければなりません。

いうまでもなく、OECD加盟国では日本と韓国を除き、そういう年齢差別は許されないことになっています。

それがすっぷりぬけおちて、こういうおかしな問いの立て方になってしまうのは、60歳という一定年齢に達しない限り、正当な理由があっても解雇することはできない、などという現実とはかけ離れた、しかしながらある種の経済学者や評論家が主張したがる偏見が背後にあるからでしょう。

実は、今回の改正案は国会で修正がされていて、そういうわけではないということが法律上に明記されています。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-25a6.html(衆院厚労委、高齢法の民自公修正案を可決)

3 厚生労働大臣は、第一項の事業主が講ずべき高年齢者雇用確保措置の実施及び運用(心身の故障のため業務の遂行に堪えない者等の継続雇用制度における取扱いを含む。)に関する指針(次項において「指針」という。)を定めるものとする。

この趣旨は、昨年末の建議にあるように、

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000022toc-att/2r98520000022tt7.pdf

・・・その際、就業規則における解雇事由又は退職事由(年齢にかかるものを除く)に該当するものについて継続雇用の対象外とすることができるとすることが適当である(この場合、客観的合理性、社会的相当性が求められると考えられる)。

別に年齢を理由にしなくても雇用終了できるような場合だったら継続雇用しなくていいよ、とごく当たり前のことを言ってるだけでして、それが困るというのは、要するに解雇できるのに姑息にも解雇しないでおいて、60歳まで待ちに待って、「いやあ年ですからやめてよね」と言いたいというだけのことでしょう。

それだけのことが、それほど大騒ぎしなければならないことなのか、というのが実のところかくも騒ぐ人々が真剣に考えるべき事柄でもあります。

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