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2012年8月25日 (土)

雇用ミスマッチと法政策

New『日本労働研究雑誌』9月号が出ました。まだJILPTのHPにはアップされていませんが、特集は「雇用ミスマッチ」です。

提言 ミスマッチの背景   大橋勇雄

論文 雇用ミスマッチの概念整理   川田恵介・佐々木勝

職業間ミスマッチの地域間格差に関する分析   佐藤仁志

雇用ミスマッチと法政策   濱口桂一郎

労働市場制度とミスマッチ-雇用調整助成金を例に   神林龍

企業内の雇用ミスマッチと解雇権濫用法理   島田陽一

雇用の場における若年者と高齢者-競合関係の再検討   太田聰一

このうち、わたくしが執筆した「雇用ミスマッチと法政策」について、論文冒頭の和文要約と巻末の英文要約を引用しておきます。

日本の労働市場法制の基本枠組みは諸外国と同様、具体的な職業能力と労働条件を互いにシグナルとしながら需給を結合させようとするジョブ型モデルに立脚しており、その需給の不適合(ミスマッチ)を公的職業紹介、失業給付、公的職業訓練といった諸施策で縮小するという政策体系である。一方、大企業正社員に典型的なメンバーシップ型モデルでは、潜在的な職務遂行能力ないし訓練を受ける能力(=人間力)が重要となるので、こういったミスマッチ縮小施策の有効性は少なくなる。

日本の労働政策は終戦直後から70年代初めまでは、職務分析、職業訓練と技能検定、職種別中高年雇用率制度など、ジョブ型を志向するものであったが、石油危機以降もっぱら「雇用の安定」を至上命題とする政策に転換した。職業や技能を重視しないミスマッチ対策とは企業への財政支援に集約される。その後90年代の「自己啓発」を標榜した時代を経て、2000年代には公的職業訓練や職業能力の公的証明といったジョブ型政策によるミスマッチ解消策に再び傾斜してきている。しかしながら、そのような政策方向はメンバーシップ型社会のただ中で生きてきた政権中枢の人々によって共有されておらず、無駄として繰り返し「仕分け」の対象となってきている。

The basic framework of Japanese labour market legislation bases on the job-model in which labour supply and demand are matched by signaling their concrete job skill and working conditions and the mismatches between them should be minimized with such measures as public job exchange, unemployment benefit and public vocational training. In contrast, in the membership-model which is typical in the regular workers in the larger companies, such measures to minimize the mismatches are less effective because potential ability to perform any job or to be trained is more important.

Japanese labour policy had been oriented to the job-model untill early 1970's, such as job analysis, vocational training, skill certification and job-based quota system for middle-and-older workers. After the oil crisis, however, it changed its course to the policy which placed "employment security" above anything else. Its mismatch measures which disregard job and skill concentrated on the financial support to the companies. 1990's passed with the slogan of "self enlightenment." In 2000's, It has been inclined to the job-model policy such as public vocational training and skill certification. Such policy orientation is, however, not shared with major politicians and has been targetted as "useless" in the policy classification.

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コメント

内容と無関係な指摘で恐縮ですが、
「至上命題」という表現は本来おかしくて、
「至上命令」、「至上課題」、「至上目的」等とするのが、意味が適正に表現されているといえます。

いや、まあ、このことを踏まえたうえであえて世間的慣習表現を用いた、というのなら、それはそれでいいのですけれど…。

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