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2012年8月31日 (金)

上西充子さんの新連載@日経ビジネスオンライン

日経ビジネスオンラインで上西充子さんが「その数値に騙されるな データで読み解く大学生のシューカツの実態」という連載を始めました。第1回は、「「どっちがホント?」 異なる就職率が併存する理由と弊害 文科省と厚労省の共同調査に潜む3つの由々しき問題点」です。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120829/236163/

中身はこれまでも指摘されてきた、就職内定状況調査というのが、就職希望者が年度末に近づくにつれどんどん減っていって、分母が少なくなるから、結果的に就職率が高くなったように見える、という話ですが、噛んで含めるように丁寧に説明されています。

この中に、上田晶美「研究ノート 大学生の就職率調査の現状とその問題点」(『嘉悦大学研究論集』第54巻第2号通巻100号2012年3月)を引用しているところがあり、リンク先を覗いてみると、大変興味深い分析がされていました。

http://ci.nii.ac.jp/els/110008921084.pdf?id=ART0009877815&type=pdf&lang=en&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1346412673&cp=

本稿では、公的機関の行なっている以下の代表的な3つの大学生の就職率調査について検討する。1「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」(厚生労働省・文部科学省)、2「学校基本調査」(文部科学省)、3 各都道府県労働局の就職率である。1については厚生労働省担当者に直接疑問点を尋ね、聞き取り調査を行った。世の中に官民併せ多くの就職率調査がある中で、これらの3つの調査を選び研究することとした理由は、国や都道府県の行うものとして信頼度が高く、新聞紙上などでもひときわ大きく扱われ、国民への影響力が大きいだけでなく、国の就職対策の予算の根拠となっているものが含まれているからである。 大学生の就職の現状は、1990年代のバブル崩壊後、長期間にわたって厳しい状況が続いており、我々、大学教育現場にいるものにとって、憂慮すべき課題となっている。若年者の就職難は大学だけにとどまらない大きな社会問題であり、教育現場だけで解決できるものではなく、これまで以上に官民一体となった就職支援対策を講じることが必要であると思われる。そのためには、根拠となる「現状の把握」が不可欠であり、大学生の就職率を正確に調査することが大前提になる。ところが、本稿でとりあげるこの3つの調査は、国の調査という信頼度の高いものにも関わらず、また、同じ省庁が関与しているというのに、一見したところ調査結果の数字は大きく食い違うものとなっている。調査対象の選び方やいわゆる「就職率」の計算方法、特に調査ごとに計算式の分母がそろっていないことが主たる要因であると推定できる。本稿では、これらの調査を有効活用できるものにするために、それぞれの調査の調査対象の選び方や「就職率」の計算方法の特徴を検討した上で、大学生の就職支援対策にとってより有効な調査とするための改善策を提案する。

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