衆院厚労委、高齢法の民自公修正案を可決
アドバンスニュースによると、本日衆議院厚労委で高齢法の民自公修正案が可決されたそうです。
http://www.advance-news.co.jp/news/2012/08/post-548.html
衆院厚生労働委員会は1日、高年齢者雇用安定法改正案(高齢法)について、政府案と民自公の修正案を同時に審議を続行した。採決の結果、修正案を賛成多数で可決。衆院本会議を経て、今週中にも参院厚生労働委員会で審議入りする見込み。成立すれば、施行は来年4月1日となり、それまでに労働政策審議会を開いて「現実的かつ柔軟性」のある大臣指針などを定める。一般的に「現行の待遇のままの定年延長」といった誤解もあるが、重要なのは「65歳までのエスカレーター的な定年延長ではなく、労働者の希望に合わせた継続雇用の契約を現行法以上に促す」という点だ。
その可決された修正案は、これですね。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/syuuseian/9_52E6.htm
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
第六条第二項第二号の改正規定中「限る。)」を」の下に「削り、同項第三号中「、同条第二項」を「並びに同条第二項」に改め、「並びに第九条の事業主が講ずべき同条に規定する高年齢者雇用確保措置」を」を加える。
第九条第二項の改正規定の次に次のように加える。
第九条に次の二項を加える。
3 厚生労働大臣は、第一項の事業主が講ずべき高年齢者雇用確保措置の実施及び運用(心身の故障のため業務の遂行に堪えない者等の継続雇用制度における取扱いを含む。)に関する指針(次項において「指針」という。)を定めるものとする。
4 第六条第三項及び第四項の規定は、指針の策定及び変更について準用する。
附則第一項に次のただし書を加える。
ただし、次項の規定は、公布の日から施行する。
附則第二項を附則第三項とし、附則第一項の次に次の一項を加える。
(準備行為)
2 この法律による改正後の第九条第三項に規定する指針の策定及びこれに関し必要な手続その他の行為は、この法律の施行前においても、同項及び同条第四項の規定の例により行うことができる。
「心身の故障のため業務の遂行に堪えない者等の継続雇用制度における取扱い」を大臣指針で定めるという規定になったようです。
先週の日経の記事では「心身の健康状態や勤務態度が著しく悪い人を継続雇用の対象外とすることを指針で明示する」となっていましたが、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-316c.html
さて、指針で「勤務態度」をどう書くのか、結構深刻な問題のような・・・。
これって、実は、皆さんどこまで気がついているかどうか分かりませんが、個別解雇事由(に相当するもの)を法令上に初めて明記することになるんですね。
労働契約法16条は「客観的に合理的、社会的に相当」という一般的基準を書いているだけで、具体的にどういうところにどういう問題があれば解雇が正当になりうるのか、を法令に具体的に書いたものは未だかつてないわけで、その意味でも、高齢法が労働契約法の伏兵になるという法則は、今回も作動しているようです。
そういえば、既に労働契約法(有期契約)は昨日参議院の委員会で可決され、本会議の議決を待つだけになっていますし、ここにきてものすごい勢いですね。
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