本田由紀さんのツイート経由で、
http://twitter.com/hahaguma/status/231714590663254017
中日新聞:大学でも消費者教育 今国会で法案を審議中:暮らし(CHUNICHI Web) 労働法教育もこれと同等以上に必要。
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2012071902000172.html
若者の消費トラブル防止や生活設計力向上のため、中学高校や大学での消費者教育の推進を盛り込んだ「消費者教育の推進に関する法律案」が、今国会で審議されている。中高では、家庭科や公民の授業に組み込まれているテーマだが、大学での取り組みはこれから。普及に向けた動きと課題を探った。(小形佳奈)
専門家を講師に招き、新入生対象の必修科目に取り入れる大学も出てきている。筑波大は消費生活専門相談員が、大妻女子大では弁護士が、授業一コマ分を使い消費者被害の実例や契約の大切さを伝える。
日本学術会議は家政学分科会で、新たな教養教育科目「生活する力を育てる」に消費者教育を盛り込む準備を進めている。
若者の消費者教育を重視する背景には、インターネットや携帯電話の普及で、若い世代の消費者トラブルが増えていることがある。文部科学省は昨年三月、「大学等及び社会教育における消費者教育の指針」を作成。六月には法案が提出された。
<消費者教育の推進に関する法律案> 今国会に参院で議員提案され、6月20日に可決、現在衆院で審議中。消費者教育の重要性を掲げ、国や地方自治体の責務、消費者庁に消費者教育推進会議の設置、人材の育成-などとともに、学校での消費者教育の推進を盛り込んでいる。
その法案を見てみると、
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18002026.htm
消費者教育の推進に関する法律案
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、消費者教育が、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差等に起因する消費者被害を防止するとともに、消費者が自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動することができるようその自立を支援する上で重要であることに鑑み、消費者教育の機会が提供されることが消費者の権利であることを踏まえ、消費者教育に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、基本方針の策定その他の消費者教育の推進に関し必要な事項を定めることにより、消費者教育を総合的かつ一体的に推進し、もって国民の消費生活の安定及び向上に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「消費者教育」とは、消費者の自立を支援するために行われる消費生活に関する教育(消費者が主体的に消費者市民社会の形成に参画することの重要性について理解及び関心を深めるための教育を含む。)及びこれに準ずる啓発活動をいう。
2 この法律において「消費者市民社会」とは、消費者が、個々の消費者の特性及び消費生活の多様性を相互に尊重しつつ、自らの消費生活に関する行動が現在及び将来の世代にわたって内外の社会経済情勢及び地球環境に影響を及ぼし得るものであることを自覚して、公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に参画する社会をいう。
(基本理念)
第三条 消費者教育は、消費生活に関する知識を修得し、これを適切な行動に結び付けることができる実践的な能力が育まれることを旨として行われなければならない。
2 消費者教育は、消費者が消費者市民社会を構成する一員として主体的に消費者市民社会の形成に参画し、その発展に寄与することができるよう、その育成を積極的に支援することを旨として行われなければならない。
3 消費者教育は、幼児期から高齢期までの各段階に応じて体系的に行われるとともに、年齢、障害の有無その他の消費者の特性に配慮した適切な方法で行われなければならない。
4 消費者教育は、学校、地域、家庭、職域その他の様々な場の特性に応じた適切な方法により、かつ、それぞれの場における消費者教育を推進する多様な主体の連携及び他の消費者政策(消費者の利益の擁護及び増進に関する総合的な施策をいう。第九条第二項第三号において同じ。)との有機的な連携を確保しつつ、効果的に行われなければならない。
5 消費者教育は、消費者の消費生活に関する行動が現在及び将来の世代にわたって内外の社会経済情勢及び地球環境に与える影響に関する情報その他の多角的な視点に立った情報を提供することを旨として行われなければならない。
6 消費者教育は、災害その他非常の事態においても消費者が合理的に行動することができるよう、非常の事態における消費生活に関する知識と理解を深めることを旨として行われなければならない。
7 消費者教育に関する施策を講ずるに当たっては、環境教育、食育、国際理解教育その他の消費生活に関連する教育に関する施策との有機的な連携が図られるよう、必要な配慮がなされなければならない。
(国の責務)
第四条 国は、自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動することができる自立した消費者の育成が極めて重要であることに鑑み、前条の基本理念(以下この章において「基本理念」という。)にのっとり、消費者教育の推進に関する総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
2 内閣総理大臣及び文部科学大臣は、前項の施策が適切かつ効率的に策定され、及び実施されるよう、相互に又は関係行政機関の長との間の緊密な連携協力を図りつつ、それぞれの所掌に係る消費者教育の推進に関する施策を推進しなければならない。
(地方公共団体の責務)
第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、消費生活センター(消費者安全法(平成二十一年法律第五十号)第十条第三項に規定する消費生活センターをいう。第十三条第二項及び第二十条第一項において同じ。)、教育委員会その他の関係機関相互間の緊密な連携の下に、消費者教育の推進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の社会的、経済的状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
(消費者団体の努力)
第六条 消費者団体は、基本理念にのっとり、消費者教育の推進のための自主的な活動に努めるとともに、学校、地域、家庭、職域その他の様々な場において行われる消費者教育に協力するよう努めるものとする。
(事業者及び事業者団体の努力)
第七条 事業者及び事業者団体は、事業者が商品及び役務を供給する立場において消費者の消費生活に密接に関係していることに鑑み、基本理念にのっとり、国及び地方公共団体が実施する消費者教育の推進に関する施策に協力するよう努めるとともに、消費者教育の推進のための自主的な活動に努めるものとする。
(財政上の措置等)
第八条 政府は、消費者教育の推進に関する施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措置を講じなければならない。
2 地方公共団体は、消費者教育の推進に関する施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めなければならない。
第三章 基本的施策
(学校における消費者教育の推進)
第十一条 国及び地方公共団体は、幼児、児童及び生徒の発達段階に応じて、学校(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校をいい、大学及び高等専門学校を除く。第三項において同じ。)の授業その他の教育活動において適切かつ体系的な消費者教育の機会を確保するため、必要な施策を推進しなければならない。
2 国及び地方公共団体は、教育職員に対する消費者教育に関する研修を充実するため、教育職員の職務の内容及び経験に応じ、必要な措置を講じなければならない。
3 国及び地方公共団体は、学校において実践的な消費者教育が行われるよう、その内外を問わず、消費者教育に関する知識、経験等を有する人材の活用を推進するものとする。
(大学等における消費者教育の推進)
第十二条 国及び地方公共団体は、大学等(学校教育法第一条に規定する大学及び高等専門学校並びに専修学校、各種学校その他の同条に規定する学校以外の教育施設で学校教育に類する教育を行うものをいう。以下この条及び第十六条第二項において同じ。)において消費者教育が適切に行われるようにするため、大学等に対し、学生等の消費生活における被害を防止するための啓発その他の自主的な取組を行うよう促すものとする。
2 国及び地方公共団体は、大学等が行う前項の取組を促進するため、関係団体の協力を得つつ、学生等に対する援助に関する業務に従事する教職員に対し、研修の機会の確保、情報の提供その他の必要な措置を講じなければならない。
なるほど、消費者教育のためにはここまでやろうという国会議員がいっぱいいるのに、労働法教育にはそれだけの熱意はないのでしょうか。
まあ、あんまり中身のない法案で、法文中「消費者」というのを一括変換で「労働者」に置換したらそのまま別の法案になってしまいそうでもありますが。
労働者教育の推進に関する法律案
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、労働者教育が、労働者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差等に起因する労働者被害を防止するとともに、労働者が自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動することができるようその自立を支援する上で重要であることに鑑み、労働者教育の機会が提供されることが労働者の権利であることを踏まえ、労働者教育に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、基本方針の策定その他の労働者教育の推進に関し必要な事項を定めることにより、労働者教育を総合的かつ一体的に推進し、もって国民の労働生活の安定及び向上に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「労働者教育」とは、労働者の自立を支援するために行われる労働生活に関する教育(労働者が主体的に労働者市民社会の形成に参画することの重要性について理解及び関心を深めるための教育を含む。)及びこれに準ずる啓発活動をいう。
2 この法律において「労働者市民社会」とは、労働者が、個々の労働者の特性及び労働生活の多様性を相互に尊重しつつ、自らの労働生活に関する行動が現在及び将来の世代にわたって内外の社会経済情勢及び地球環境に影響を及ぼし得るものであることを自覚して、公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に参画する社会をいう。
(基本理念)
第三条 労働者教育は、労働生活に関する知識を修得し、これを適切な行動に結び付けることができる実践的な能力が育まれることを旨として行われなければならない。
2 労働者教育は、労働者が労働者市民社会を構成する一員として主体的に労働者市民社会の形成に参画し、その発展に寄与することができるよう、その育成を積極的に支援することを旨として行われなければならない。
3 労働者教育は、幼児期から高齢期までの各段階に応じて体系的に行われるとともに、年齢、障害の有無その他の労働者の特性に配慮した適切な方法で行われなければならない。
4 労働者教育は、学校、地域、家庭、職域その他の様々な場の特性に応じた適切な方法により、かつ、それぞれの場における労働者教育を推進する多様な主体の連携及び他の労働者政策(労働者の利益の擁護及び増進に関する総合的な施策をいう。第九条第二項第三号において同じ。)との有機的な連携を確保しつつ、効果的に行われなければならない。
5 労働者教育は、労働者の労働生活に関する行動が現在及び将来の世代にわたって内外の社会経済情勢及び地球環境に与える影響に関する情報その他の多角的な視点に立った情報を提供することを旨として行われなければならない。
6 労働者教育は、災害その他非常の事態においても労働者が合理的に行動することができるよう、非常の事態における労働生活に関する知識と理解を深めることを旨として行われなければならない。
7 労働者教育に関する施策を講ずるに当たっては、環境教育、食育、国際理解教育その他の労働生活に関連する教育に関する施策との有機的な連携が図られるよう、必要な配慮がなされなければならない。
(国の責務)
第四条 国は、自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動することができる自立した労働者の育成が極めて重要であることに鑑み、前条の基本理念(以下この章において「基本理念」という。)にのっとり、労働者教育の推進に関する総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
2 内閣総理大臣及び厚生労働大臣は、前項の施策が適切かつ効率的に策定され、及び実施されるよう、相互に又は関係行政機関の長との間の緊密な連携協力を図りつつ、それぞれの所掌に係る労働者教育の推進に関する施策を推進しなければならない。
(地方公共団体の責務)
第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、労働生活センター(労働者安全法(平成二十一年法律第五十号)第十条第三項に規定する労働生活センターをいう。第十三条第二項及び第二十条第一項において同じ。)、教育委員会その他の関係機関相互間の緊密な連携の下に、労働者教育の推進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の社会的、経済的状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
(労働者団体の努力)
第六条 労働者団体は、基本理念にのっとり、労働者教育の推進のための自主的な活動に努めるとともに、学校、地域、家庭、職域その他の様々な場において行われる労働者教育に協力するよう努めるものとする。
(事業者及び事業者団体の努力)
第七条 事業者及び事業者団体は、事業者が商品及び役務を供給する立場において労働者の労働生活に密接に関係していることに鑑み、基本理念にのっとり、国及び地方公共団体が実施する労働者教育の推進に関する施策に協力するよう努めるとともに、労働者教育の推進のための自主的な活動に努めるものとする。
(財政上の措置等)
第八条 政府は、労働者教育の推進に関する施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措置を講じなければならない。
2 地方公共団体は、労働者教育の推進に関する施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めなければならない。
第三章 基本的施策
(学校における労働者教育の推進)
第十一条 国及び地方公共団体は、幼児、児童及び生徒の発達段階に応じて、学校(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校をいい、大学及び高等専門学校を除く。第三項において同じ。)の授業その他の教育活動において適切かつ体系的な労働者教育の機会を確保するため、必要な施策を推進しなければならない。
2 国及び地方公共団体は、教育職員に対する労働者教育に関する研修を充実するため、教育職員の職務の内容及び経験に応じ、必要な措置を講じなければならない。
3 国及び地方公共団体は、学校において実践的な労働者教育が行われるよう、その内外を問わず、労働者教育に関する知識、経験等を有する人材の活用を推進するものとする。
(大学等における労働者教育の推進)
第十二条 国及び地方公共団体は、大学等(学校教育法第一条に規定する大学及び高等専門学校並びに専修学校、各種学校その他の同条に規定する学校以外の教育施設で学校教育に類する教育を行うものをいう。以下この条及び第十六条第二項において同じ。)において労働者教育が適切に行われるようにするため、大学等に対し、学生等の労働生活における被害を防止するための啓発その他の自主的な取組を行うよう促すものとする。
2 国及び地方公共団体は、大学等が行う前項の取組を促進するため、関係団体の協力を得つつ、学生等に対する援助に関する業務に従事する教職員に対し、研修の機会の確保、情報の提供その他の必要な措置を講じなければならない。
はは、まんまだ。
でも、そういう法案は提出しようという動きはないんですね。
「お客様は神さま」の日本にふさわしい光景と言うべきでしょうか。
(参考)
http://twitter.com/roubenshiomi/status/232068384676777985
どうせなら「お客様は神様」的思考がサービス産業の生産性を下げ労働者の所得低下を招くことも教育して欲しいものです
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post-107c.html(スマイル0円が諸悪の根源)
・・・それを裏返すと、消費者天国の日本だから、「スマイル0円」の日本だから、サービスの生産性が異常なまでに低いのです。膨大なサービス労務の投入量に対して、異常なまでに低い価格付けしか社会的にされていないことが、この生産性の低さをもたらしているのです。
生産性を上げるには、もっと少ないサービス労務投入量に対して、もっと高額の料金を頂くようにするしかありません。ところが、そういう議論はとても少ないのですね。
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