超絶メンバーシップ型インターンシップ
上西充子さんのつぶやきから。
中身は経産省からリクルートに委託されている海外インターンシップGLACに関するものです。
経産省からリクルートに委託されている海外インターンシップGLACに関して再度。HPのQ&Aが充実してきたが、一次選考で何人合格させるのか、一次選考はWEB試験の結果だけで判断するのかなど、「選考に関する詳細については、お答えできません」と。
「文理枠の設定は行っておりませんが、学生に対し語学や理系知識を求める企業がある場合、全合格者の中から条件に合う学生を派遣させていただく予定です。」「語学力を必須とする企業もあるため」・・それで「大学・専攻・学年・語学力、不問」を全面に出しちゃダメだよね。
7/5応募締切、7/13-22ES提出・面接、7/17~順次合格発表、8/23-25成田で国内事前研修、8/26-9/7海外インターンシップ研修。見落としていた点は、直前の国内事前研修時に初めて、インターンシップ地域・企業が発表されること
地域・企業を選んだ応募ができないのは把握していたが、面接では受け入れ先企業とのマッチングが行われるのだろうと予想していた。が、経産省のGLAC担当者から伺った話では、面接は受け入れ企業が行うわけではなく事務方(経産省?リクルート?)が行う予定、とのこと。
つまり、面接に合格した学生は、企業や仕事内容はもちろん、ベトナムに行くのかインドに行くのかさえおそらくはわからないまま、手荷物を持って成田の研修に集まり、そこで発表された場所にそのまま飛行機で向かうということ!
「最終意志確認の書面取り交わしを8月早々に予定しています。それ以降の辞退は原則受け付けられないことを、ご承知おきください。」
どの地域に行くのか、どの企業でインターンシップを行うのか、どういう仕事をするのか、何も知らされないまま、「最終意思確認の書面取り交わし」を8月早々に行う、と。現行のインターンシップにはガイドラインが何もないという問題性が、ここに端的に表れている。
お話を伺った経産省のGLAC担当者の方は、学生を前に、治安や衛生などの自己管理ができることも重要、と語られた。しかし、上記のようなスケジュールで、そのような準備を求めるのは無理だ。
経産省のGLAC担当者の方が、私と同様の懸念を共有していないらしいことが気になった。霞が関官僚の方々は、どの地域のどの仕事への異動も、受け入れて対応してきた経験を積んでいる。だから上記のような扱いに学生がさらされることに問題性を感じないのではないか。
経産省GLAC担当者の方には、インターンシップに参加する学生、応募したが参加できない学生、それぞれの目線で、プログラムを見直してほしい、とお願いした。
お話の中で、インターンシップ内容として、「政府に提出する書類を書く」「プログラミング」という例が挙がった。例えばそういう例をGLACのHPに出すだけで、自分の能力とインターンシップ内容を照らし合わせ、応募は減るだろう。
例を出さずに応募だけ呼びかける、語学力が(当然ながら)必須の企業もあるのに「語学力、不問」と呼びかける、おそらくは文系より理系、1年生より3年生の方が参加可能性は高いだろうに、「専攻、不問」「学年、不問」と呼びかける・・。
それが、リクルートの戦略であるだけでなく、経産省も同意している内容であるということが、何とも無力感を覚える・・・。
まあ、経済産業省の頭にあるのはグローバル人材という名の超絶メンバーシップ型「世界中どこへでも」的エリート労働者であって、その甲羅に似せて穴を掘っているのでしょう。
それで「大学・専攻・学年・語学力、不問」というのはいささか詐欺的ですが。
« 労働者自主管理は究極のメンバーシップ型 | トップページ | 竹信三恵子『しあわせに働ける社会へ』 »
コメント