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2012年7月11日 (水)

『日本の雇用終了』2刷決定

112050118『日本の雇用終了』がおかげさまで在庫が50部を切ったということで、第2刷を出すことになったようです。

地味な本ではありますが、内容がそれなりにその筋の玄人受けする面もあり、じわじわと読まれているようで、有り難いことです。

せっかくですので、ここで若干の広報を。

たとえばコミュニスト漫画評論家として名高い紙屋高雪さんが、こちらも近年労働界で名高い向井蘭弁護士の『社長は労働法をこう使え!』を書評された際にも、

http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20120710労働側も読んでおきたい 向井蘭『社長は労働法をこう使え!』

たとえば、話題の中心になっている解雇規制。

 それがいかにキツいか、ということが本書の主張の中心にあるわけだが、現実に起きていること、目の前のリアルな課題として何があるかといえば「首切り自由」「無法の横行」なのだ。

「明日から来なくていいよ」と言われてあっさりクビを切られる――若い人に働く実態の聞き取りなんかをやっていると、こういう話がボロボロ出てくる。

として、本ブログの

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-a1c3.html(解雇するスキル・・・なんかなくてもスパスパ解雇してますけど)

を引用していただいているわけですけど、その最初に出てくるケースが、こちらでは

・10185(非女):有休や時間外手当がないので監督署に申告して普通解雇(使は業務対応の悪さを主張)(25 万円で解決)

という1行コメントみたいな感じですが、それが『日本の雇用終了』では

・10185(非女)普通解雇(25万円で解決)(不明、不明)

 会社側は「個性が強く、店のスタッフとの関係も不仲で、口論が絶えない」こと、他のパート従業員から「このままではここで働けない、やめる」との話が再燃したため、「店舗の運営を第一と考え」「不協和音を理由に」解雇を通告したと主張。本人側は「私が・・・労働基準監督署に対して申告したこと等を理由に解雇されたと判断」している。
 本人の申立によると、「有休は付与されるはずですけどもと聞いたら、次長がパートには有休はありませんとはっきり言われた」、「時間外労働手当のことを聞いたら言ってる意味が分からないといわれた」、「本部に問い合わせしたところ、雇用契約書および労働契約書は社員にはありますが、パートさんにはありませんといわれた」ため、監督署に相談し、次長が呼び出され、指導してもらった。
 これは、日常の「態度」と「発言」が交錯するケースであるが、むしろ労働法上の権利を主張するような「個性の強さ」が同僚との関係を悪化させる「態度」の悪さとして捉えられ、権利を主張しないことが「職場の和」となるという職場の姿が現れている。

というくらいの詳しさで掲載をされております。ほかのケースも、大変興味深いものが目白押しですので、是非書店等で手にとってご覧いただければと存じます。

(追記)

なお最近でも、

http://slashdot.jp/~shimashima/journal/552807

「日本の雇用終了 -労働局あっせん事例から」は濱口桂一郎氏がメインで執筆を行った、日本における解雇事例集。サブタイトルにあるように労働局あっせんの事例を分析したものだ。
某所ですこし感想を書いたが、いわゆる大企業中心の「強い解雇規制」という一般論とは別の、日本におけるより生々しい実態が描き出されている。あっせん事例のため、多数「打ち切り」や「当事者不参加」によりあっせんに至る事由の詳細がわからないものがあるが、突き詰めると「態度が悪い」ことによる解雇がけっこう見受けられる。これも、濱口氏が主張している「メンバーシップ型雇用」を前提にした場合に周りと合わないことでメンバーシップからの除外という理屈で行動が理解できる。当たり前だが、理解することと許容することは別だ。

http://twitter.com/proton21/status/222976672767541248

雇用契約の終了をあっせん事例分析から整理。別に理由がある表見的整理解雇が多いとか、適性や能力を理由としたものがほぼ勤務態度問題だとか。実例が並ぶと説得力ある。RT :『日本の雇用終了―労働局あっせん事例から』 ☆3

等と、評していただいております。

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