フランス人にとっては、国から金をもらうより子供から金をもらうほうが恥ずかしい
東京在住のフランス人が、ニューズウィークで例の生活保護バッシングについて書いているようです。
http://www.newsweekjapan.jp/column/tokyoeye/2012/07/post-531.php(フランスではあり得ない生活保護バッシング)
人気お笑い芸人の河本準一は生まれる国を間違えたのだろうか。・・・
フランスなら河本は模範市民と見なされたはずだ。勲章の1つももらえたかもしれない。フランスの基準からすれば、河本親子は当然のことをした。母親は失業して国に助けを求めた。息子は一生懸命働いて高い所得税を払っているのだから、政府の歳入の足しにさえなっている。息子がいくら成功していても、母親はできる限り政府の寛大さに甘えるべきだ──フランス人ならそう考える。
フランス人は困ったときに国からお金をもらうことを恥と思わない。日本人より高い税金を払っているから、経済的に困っている人間の面倒を見てもらうだけの金は政府に「支払い済み」だと考える。・・・
・・・フランス人にとっては、国から金をもらうより子供から金をもらうほうが恥ずかしい。一方で子供は、親のすねをかじらない自立した人間に育てる。・・・
おそらくここまでは、筆者レジス・アルノー氏の本音でしょう。ただ、それに続く部分は、彼の立場を考えると、やや母国に対する皮肉な感情も秘められているように見えます。
もらえるものはもらわなきゃ、というのがフランス流。・・・
多くのフランス人は政府に助けてもらって当然と考えていて、そのためなら詐欺まがいの手も使う。・・・
もちろん、フランスの制度には欠点もある。ある知人は父子家庭のふりをして「一人親」手当を受け取っているが、子供たちの母親とは今も同居している。・・・
要するに無責任と詐欺を野放しにする制度で、フランスの公的債務が膨れ上がる一因になっている。しかし日本の制度のほうがマシだと言えるだろうか。・・・
「仏フィガロ紙記者、在日フランス商工会議所機関誌フランス・ジャポン・エコー編集長」のアルノー氏としては、おそらくフランスではそういう「無責任と詐欺を野放しにする制度」を批判する側にまわるのではないかと思われますが、さすがに日本のウルトラ家族主義的騒ぎ方には呆れた、というところではないかと思われます。
河本はフランス語を勉強し、パリでコメディアンとして再出発するべきだ。失敗しても失業保険や生活保護を受け取ればいい。フランスの福祉制度は日本よりずっと寛大だ。
とは、フランス本国では言わないでしょう。
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