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2012年7月21日 (土)

「国家公務員に労働協約締結権」 今国会の法案成立断念 連合「野田降ろし」も

産経の記事ですが、

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120721/plc12072101310000-n1.htm(「国家公務員に労働協約締結権」 今国会の法案成立断念 連合「野田降ろし」も)

野田佳彦首相は、国家公務員に労働協約締結権を付与する公務員制度改革関連法案について今国会での成立を断念する意向を固めた。複数の政府関係者が20日、明らかにした。

法案には自民党が強く反対しており、強行すれば消費税増税を柱とする社会保障・税一体改革関連法案の成立などに影響を及ぼしかねないと判断した。民主党最大の支持団体である連合(古賀伸明会長)は、公務員改革法案の成立を首相支持の前提条件としてきただけに、今後一気に「野田降ろし」に転じる可能性もある。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120721/plc12072101310001-n1.htm(苛立ち募らせる連合 公務員改革法案、今国会がラストチャンス)

消費税増税に「命を懸ける」と執念を燃やす野田佳彦首相はついに公務員制度改革関連法案を断念した。公務員制度改革とは名ばかりで官公労の権限を強化する「お手盛り」法案だけに当然の判断だといえるが、連合は法案成立と引き換えに消費税増税を支持し、「国民の生活が第一」の小沢一郎代表との関係を断ち切っただけに収まらない。連合が政権の命脈を断ち切る可能性は十分ある。

「民間ガー」諸氏の「民間」が本物か偽物かを判定するのに一番いい試薬は、「そんなに民間並みにすべきなら、当然労働法も民間労働法ですよね」ですが、圧倒的に多くの場合、本物と判定できないようで、残念です。

それにしても、この記事に出てくるこの会話(?)は、なかなか興味深いです。「民間」経営者諸氏が、労働者への賃金が会計学上「費用」であって「利益」ではないということを理解していないというのもなかなかシュールですが。

「利益を生み出さない公務員に協約締結権を与える必要などない」

JR東海の葛西敬之会長がこう発言すると、京セラの稲盛和夫名誉会長もうなずいた。

言うまでもなく、利益が出ていない赤字企業でも、非営利のNPOでも、生産要素たる労働力の対価はきちんと支払わなければなりませんし、その決定基準は労働法に従う必要があります。JRであれ、京セラであれ。

そういうやり方を採らない代わりに、(マッカーサー書簡以来のいろんないきさつで)人事院勧告というやり方にしたわけですが、人事院勧告断固守れと主張されているわけでもなさそうです。

こういうレベルの方々も、週刊誌的ワイドショー的「民意」にどっぷり漬っておられるということがよく窺われます。

(追記)

労務屋さんからコメントをいただきました。

http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20120723#p1(公務員の協約締結権)

たしかに「利益を生み出さない公務員」を文字どおりにとらえて「利益が出ていない赤字企業」「非営利のNPO」という反論を行うことは可能だろうと思います。本当に文字どおりの意味で発言されたのであれば。

・・・そう考えれば、私は葛西氏のこの発言は(協約権付与の是非は別問題として)まさに協約締結権を有する国鉄・JRの労組との団体交渉で労働条件の決定に苦心してきた氏の率直な見解として相応の重みをもって尊重されるべきものと思いますし、やはり労組との団体交渉を重ねながらJALを再建した稲盛氏が「うなずいた」というのもそれこそうなずける話だと思います。

わたくしは行政改革懇談会などというところにはまったくアウトサイダーですので、「なおhamachan先生はインサイダーであり・・・」というのはまったく事実と異なりますが、まあそれはそれとして、

わたくしのようなアウトサイダーがこの記事を読んだときに、当該記事を書いた産経新聞の記者がこういう風に読んでもらいたい、受け取ってもらいたいと思いを込めて書いた、まさにその思いに沿って読んであげるのがごく普通であって、労務屋さんのように受け取ることは、少なくとも当該記者さんは考えていなさそうに見えます。

もちろん、議事概要に当該部分がまったく載っていない以上、現時点で本当のところいかなる発言があったのか、そしてそれはどういう趣旨であったかを正確に認識することは不可能であり、要は外野席であれこれ言うしかないわけですが、

その際、記事から素直に読めるように読んだわたくしは、なぜそのように読まなければならないかについて立証責任を負うわけではないのではないかと思います。

そして、国鉄やJALの経験を踏まえたとしても、この記事に書かれた文言(それが正確であるかどうかはもちろん分かりませんが)は、文字通りの意味にしか取りようはなく、そして、そうである以上、産経新聞の記事に書かれた記者による文言そのものについては「少なくとも「週刊誌的ワイドショー的「民意」」といっしょくたにして揶揄するのははなはだしく失礼ではないかと」は思われないところです。

いうまでもなくこのお二人が「労働者への賃金が会計学上「費用」であって「利益」ではないということを理解していない」とは実は思っておりませんが、少なくともそれを全然理解していないとおぼしき産経新聞記者やその読者の皆さまに向けては、それなりに適切な評語であったのではないかと思っております。

「hamachan先生のお怒りはごもっともではありますが矛先の向け方はいささかいかがなもの」であるかどうかは、現時点では不明ですので、とりあえず記事を書いた産経記者向けということにしておきましょうか。

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