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2012年7月 3日 (火)

竹信三恵子『しあわせに働ける社会へ』

500715朝日の記者から和光大学に行かれた竹信三恵子さんの『しあわせに働ける社会へ』をお送りいただきました。岩波ジュニア新書です。

http://www.iwanami.co.jp/hensyu/jr/toku/1206/500715.html

ジュニア新書ですから、語り口は易しいですが、中身は一般向けの本と比べて全然レベルを落としていません。竹信さんの現時点での全力投球の本です。

編集部の方の紹介では、

「しあわせな働き方」ときいて,あなたはどんな働き方を想像するでしょう.そんなことを考えている暇があったら,一社でも多くエントリーして,入社試験を勝ち抜き,安定した名のある会社に就職することが大事! そのためには資格をとったり,ボランティアをしたりして自分に付加価値をつけることが重要! 足がかりをつくるためには就職に有利な学校にはいることが大切! そんなふうに考えている人も多いことでしょう.
「みんな,就職することが先で,どう働くかまでなかなかイメージできないようです」とおっしゃったのは,中高生や大学生に,労働法や労働者の権利を紹介する講座を開催する弁護士さんでした.ゆえに本書では,「働く」ことを具体的にイメージし,今の社会のなかで働く仕組みがどうなっているかをみていきます.「大手だから安心!」「正社員だから大丈夫!」とはいえない現実にへこみそうになるかもしれません.が,そんな社会に風穴をあけようとする若者たちの取り組みや生き方に,この世の中がまだまだがすてたものではないことがわかります.しあわせに働ける社会は,みんなでつくっていくもの,そう感じていただける一冊です.巻末には,労働相談窓口を付し,困ったときの駆け込み先を紹介しました.

目次は次の通りです。

はじめに

第1章 就職難は若者のせいなのか
それは「ぜいたく」なのか/それは「スキル」のせいなのか/それは「えり好み」のせいなのか/それは「覇気のなさ」のせいなのか/労働の手すりが腐食した/手すりが腐ったわけ/「新時代の『日本的経営』」構想/「自己責任」主義の限界

第2章 正社員,大手企業なら安心なのか
会社は「働く」の足がかりにすぎない/「社畜」といわれた人びと/フリーター人気/名ばかり正社員の広がり/中心的正社員にもリスク/「多様な正社員」で大丈夫か/中小企業の再評価を

第3章 まともな働き方をさぐる
「前期ロスジェネ」からの出発/ブラック企業の連続/「派遣切り」がやってきた/介護労働と「便利屋」にかけた夢/労働相談への関心/サブカルチャーに支えられ/キャバクラ労組の登場/反貧困のたすけあいネット/人間関係で食べていく/長時間労働を押し返す/大人の支え

第4章 落とし穴に備える自分づくり
落とし穴を知っている人,知らない人/働くことの楽しさと苦しさ/労働教育とキャリア教育の両輪を/雪玉型とリセット型/雪玉の核をどうつくるか/自分史年表を書いてみる/方向を定め直す/未来年表で歩き出す方向を考える/時間を生み出すための二四時間手帳/負け癖から抜け出す/自立とは人に助けを求められる力

第5章 しあわせに働ける仕組み作り
それは偉い人が考えればいいこと?/過労死を防ぐ労働時間制度/なぜ長時間労働が騒ぎにならないのか/安定雇用をつくり出す/労働権と派遣法/賃金差別を防ぐ仕組みづくり/安全ネットをつくる/だれが仕組みを変えるのか

おわりに

社畜からブラック企業までてんこ盛りです。

はじめの方で、竹信先生が非正社員として働く若者の低賃金や不安定さを説明したら、学生の1人がこう書いてきたというエピソードも、分かったつもりの学生が分かってないその分かってなさぶりが哀しいまでのエピソードになっていて、なかなか上手いのですが、

「学生のうちにしっかりスキルを身につけておけば正社員になれるはず。非正社員になった人は遊んでいて会社に選ばれるようなスキルを学ばなかったからで自業自得だ。自分は資格学校にも通って勉強しているので大丈夫だ」

竹信さんはひと言

うーん、がんばってるなあ。

でも、その頑張りが素直にそのまま評価されるほど、れりばんすじゃないのよ、この社会は。

最後に、本書のタイトルのもとでもあり、「はじめに」でも引用されている「しあわせのうた」は、こんな歌です。たぶん、本ブログを読んでいる方の多くは知らない歌だと思います。

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