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『情報労連REPORT』6月号

2012_06『情報労連REPORT』6月号が届きました。

http://www.joho.or.jp/up_report/2012/06/_SWF_Window.html

特集は「男女格差を見つめ直す」で、弁護士の林陽子さん、もと朝日新聞記者の竹信三恵子さんなどが登場しています。

わたくしの連載「労働ニュースここがツボ!」は、「真に憂うべきは現代の魔女狩りなのでは?」です。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/johororen1206.html

雑誌『文藝春秋』が今年の3月号に、今から37年前に同誌に掲載された「日本の自殺」という論文を再掲載したとして話題になりました。そのきっかけになったのは、朝日新聞の若宮啓文主筆が今年1月10日付の1面の「座標軸」という欄に、「『日本の自殺』を憂う」というタイトルで同論文を引用し、「いま、『日本の自殺』がかつてなく現実味を帯びて感じられる」と述べたことです。再掲誌も売れ行き好調だったことに気をよくした文春は、今年の5月号に「新・日本の自殺 わが国がギリシア化する日~シミュレーション国家破綻 戦慄のシナリオ」なるやや際物風の文章を載せて、「改革」気分を煽っています。

 朝日と文春の共闘による「日本の自殺」ブームを横目で見ながら、いささか複雑な思いを抱かざるを得ませんでした。というのは、同じ「グループ1984年」が書いた警世の論文をあえて今世に問うのであれば、昨今の「改革派」が似たようなことを繰り返し叫んでいる「日本の自殺」よりも、はるかに今日の日本の風潮を痛烈に批判する内容の論文があるからです。今はもうほとんど忘れられていますが、1975年12月号に掲載された「現代の魔女狩り」という論文です。

 当時の時代背景を反映して、ここで「魔女狩り」として批判されているのは自動車批判、カドミウム、商社批判などですが、最後のこの分析は、今日私たちの眼前で起こっている現象を見事に説明しているように思われます。「・・・魔女狩りに適合的に論理体系は、世界を神と悪魔との、或いは真理と誤謬との、対立と闘争に還元する単純な二値論理である。神と悪魔の葛藤というこの世界像には、灰色の箇所は一箇所もない。絶対的に正しいか、絶対的に間違っているか、この二色しか、単純な二値論理の世界像にはない。・・・真の合理精神は懐疑精神を不可欠の一部とし、自分も含めて人間は認識上、行動上の誤りを犯しやすい不完全な存在であると考えるものであるが、神か悪魔かの単純な二値論理の独断の支配する世界には、懐疑精神の入り込む余地などまったく残されていないのである。・・・二値論理の世界は、認識の行動の主体との関係でいえば、絶対的な一元主義の世界であり、無謬性と不寛容の支配する世界である。自分だけが絶対的に正しく、誤りなきものであり、自分に反対する者は絶対的に誤りで、邪悪である。この思い上がりと独善こそがある条件の下では恐るべき魔女狩りを繰り広げることになるのである。」

 私たちが今日真に憂うべきは、龍馬かぶれの維新論者が異口同音に口走る「日本の自殺」であるよりも、心ある人々が内心「こんなやり方でいいのか」と思いながら世間で横行する「正義」の名の下の「現代の魔女狩り」なのではないのか、と、ひそかに思うのですが・・・。

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