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連合総研『経済危機下の外国人労働者に関する調査報告書』

Others02 4月に出た連合総研の『経済危機下の外国人労働者に関する調査報告書-日系ブラジル人、外国人研修・技能実習生を中心に-』が、まだ連合総研のHPにはアップされていませんが、昨年5月の『DIO』に内容紹介記事が載っていたので、それを引っ張る形でこちらでも紹介しておきます。

http://rengo-soken.or.jp/dio/pdf/dio260.pdf

日本における外国人労働者数は92.5万人(2006年、不法残留者を含む)におよび、1990年からは3.6倍の増加となった。1990年代以降には、滞在期間が長期化し、家族呼び寄せなど定住化の傾向が見られる。しかし、リーマンショック後の経済不況では、雇用調整の対象の一部となり、母国への帰国問題も生じた。このような状況の中で、外国人労働者がどのような労働や生活の問題に直面しているのか。その実態と諸問題を解明し、わが国における外国人労働者政策の課題を明らかにすることを目的として、連合総研では、「外国人労働者問題に関する調査研究委員会」(主査:鈴木宏昌・早稲田大学教授)を発足させた。
 本研究委員会では、2009年と2010年にヒアリング調査およびアンケート調査を実施し、調査結果を踏まえて、議論を重ねてきた。報告書は本研究委員会の成果をとりまとめたものである。

目次と概要は以下の通りです。

第1 章 今日の外国人労働者問題を考える( 鈴木宏昌・早稲田大学商学学術院教授)

本章では、今日の外国人労働者をめぐる問題意識をまとめ、先進国における最近の外国人労働者政策を点描した上で、日本の外国人労働者政策の課題を提起する。

第2章 日本の外国人労働者政策―労働政策の否定に立脚した外国人政策の形成と破綻( 濱口桂一郎・労働政策研究・研修機構統括研究員)

筆者は、1980年代末以来の日本の外国人労働者政策の大きな特徴は、労使間の利害関係の中で政策を検討し、形成、実施していくという、労働政策であれば必須のプロセスが事実上欠如してきたことにあると指摘する。では、なぜそのような政策が行われることになったのか。本章は、公式資料、新聞・雑誌等のリーク記事や取材記事等を用いて、政策決定プロセスの実相に迫っている。

第3章 中国人技能実習生の出身階層と技能実習の成果~母国への送金と職場規律・生活規律の習得( 上林千恵子・法政大学社会学部教授)

本章では、研究委員会で実施した技能実習生に対するアンケート・ヒアリング調査の分析と今後の制度課題の検討が試みられている。

第4章 外国人技能実習生受入れ組合・企業の新展開( 橋本由紀・東京大学大学院)

本章では、先進的な外国人技能実習実施組合・企業の事例を紹介するとともに、それらが今後の制度のあり方を考える上で、どのようなインプリケーションを持ちうるかが検討されている。

第5章 経済危機と移民労働者―静岡県の日系ブラジル人を事例に―( 竹ノ下弘久・静岡大学人文学部准教授)

本章の視点は、静岡県が2009年8月に実施した調査データを用いて、今回の経済危機が日系ブラジル人に与えた影響を明らかにすること、そして、経済危機に対する国や自治体の取り組みを検討することの二つである。

第6章 越境するブラジル人労働者と経済危機―長野県上田市のヒアリング調査を通じて( ウラノ・エジソン 筑波大学大学院人文社会科学研究科准教授)

 本章では、経済危機によるブラジル人移住者への生活、労働面での影響について、フィールド調査を通じた検討がなされるとともに、政策的提案がなされている。

第7章 連合の外国人労働者政策と労働組合の取り組みについて( 藤冨健一・連合 総合労働局雇用法制対策局部長)

 本章では、外国人労働者問題に関する連合の考え方を紹介するとともに、看護・介護分野における外国人労働者の問題、外国人研修・技能実習制度および高度人材に対するポイント制を活用した優遇制度の導入についてなど、個別の問題に対する考えが示されている。

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