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2012年6月23日 (土)

反社会的勢力排除条項と雇用契約

今日は、経営法曹会議から機関誌『経営法曹』173号もお送りいただきました。

今号ではなんと言っても、今津幸子さんの「反社会的勢力排除条項と雇用契約」が興味深い論文です。

全国の都道府県で暴力団排除条例ができていますが、今津さんは代表的な東京都の条例を引きながら、雇用関係にどういう影響を及ぼすのかをわかりやすく解説しています。

http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/sotai/image/jourei.pdf

まず利益供与行為の禁止(24条)ですが、

労働契約における賃金の支払いも都条例で禁止される「利益供与」に当たりうる

ので、少なくとも

労働者が暴力団員等であることを企業が知ってしまったにもかかわらず、その後も漫然と当該労働者と労働契約を継続し、その対価として賃金を支払うことは、・・・企業の対応としては採るべきではなく、企業は当該労働者との間の雇用契約を解消しなければならないと言えよう。

と述べています。

次に事業者の契約締結時における措置(18条)について、

労働契約も、事業者が締結する契約の1つであるから、都条例18条の適用を受けることとなる。よって、企業は、労働者と労働契約を締結する際には、労働者の属性確認を行うべきであるし、かつ、労働契約においても、都条例18条2項に定める特約として、労働者が暴力団関係者であることが判明した場合には、契約を解除できる、すなわち当該労働者を解雇できる旨の特約を必ず入れるべきである。

と述べています。

企業ができるもっとも現実的かつ有用な属性確認としては、今津さんは労働者採用時に誓約書を提出してもらうことだと言います。

とはいえ、実際に解雇できるかについては、さらに議論が必要です。

このあたりの議論はなかなか面白いので、是非実物をお読み下さい。

なお、労基法3条との関係について、今津さんはこう述べています。

なお、暴力団員等であることを理由とする解雇は「信条」や「社会的身分」による差別的取り扱いであるとして労働基準法3条に違反するかどうかも一応問題となる。・・・同条の「信条」とは特定の宗教的もしくは政治的信念をいい、「社会的身分」とは生来の身分をいい、・・・自己の意思によっては逃れることのできない社会的分類を指すと解されているため、暴力団員または暴力団関係者であることは同条の「社会的身分」には該当しないと考えられる。

とはいえ、

当該労働者が暴力団員や暴力団関係者であることの主張立証責任は使用者である企業側が負うこととなる。そして、前述したとおり、労働者の属性確認が容易ではないという現状において、当該労働者が暴力団員や暴力団関係者であることの立証は、とりわけ、当該労働者の勤務態度に特段の問題が生じていないような場合は、非常に困難である。・・・

という状況もあるようです。

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