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2012年6月28日 (木)

HRmicsパネルディスカッション実録(前)

去る5月23日に行われた海老原嗣生さんプロデュースのパネルディスカッションの実録の前編がリクルートエージェントのサイトにアップされています。

http://www.r-agent.co.jp/kyujin/knowhow/tatsujin/

パネリスト:
濱口桂一郎氏(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 労使関係・労使コミュニケーション部門 統括研究員)
水町勇一郎氏(東京大学社会科学研究所 教授)
中澤二朗氏(新日鉄ソリューションズ株式会社 人事部 部長)
田中宏昌氏(日本電気株式会社 人事部 主任)

司会:
海老原嗣生(HRmics編集長)

という大変刺激的な面子でどういう議論が交わされたのか、是非リンク先をお読み下さい。

海老原さんの煽りに乗った私の発言から一部・・・

海老原 日本ではそもそも、能力が劣った人を辞めさせる指名解雇があまり行われないのはなぜなのか。

濱口 その問題は非常に根が深い。まず日本では解雇権濫用法理というものがあるようでない。要は中身が曖昧模糊としている。もっと不思議なのは「能力」という言葉の使われ方だ。日本企業における能力とは、本来の意味の職務遂行能力のことではなく、煎じ詰めれば、仕事に対するやる気や態度のことではないか。

海老原 日本企業はもともと職務採用ではないから、その人に合う仕事を見つける義務が人事にはあり、能力不足を理由になかなか人を辞めさせることはできない。

濱口 入り口、つまり採用場面で、綿密なスクリーニングを実施し、自社の風土に合った人だけを採用するのが人事の重要な役割となるわけだが、企業規模が大きくなればなるほど、一定の割合で不適合者が増えるのは仕方ない。といっても、解雇となると、事を荒立ててしまうので、何とか辛抱して雇い続け、60歳の定年を機にお引き取りいただく、というやり方で乗り切ってきた。ところが高年齢者雇用安定法の改正案が国会に提出され、「希望者全員の65歳までの継続雇用が義務づけられる」ことになり、企業が慌てている、というのが今だ。

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