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2012年6月10日 (日)

『DIO』272号

Dio連合総研の機関誌『DIO』の2012年6月号(272号)が届きました。HP上にもアップされています。

http://rengo-soken.or.jp/dio/pdf/dio272.pdf

特集は「英仏の最低賃金の動向」で、奥田香子さんがフランス、神吉知郁子さんがイギリスについて書かれています。

9784797258851神吉さんは、昨年『最低賃金と最低生活保障の法規制』(信山社)を出され、それを見た連合総研に呼ばれて喋ったという話ですので、それが今回の特集につながったということでしょう。

最低賃金と生活保障をめぐる問題は日本でも近年急激に論じられるようになったテーマですので、参考になると思います。

その後に来るのは、小野善康さんの「成熟社会の経済政策」という講演録ですが、例によって小野節が炸裂していて、一杯楽しめます。

〔ケーススタディ1;震災復興における復興税〕

労働力が余っているときには、税金を使ってでもその人たちを活用した方がいい例として、はじめに震災復興への増税を考えてみましょう。

まず、震災復興における義援金と復興税の違いを考えます。震災のとき、非被災地域の人びとは被災地に義援金を送りました。被災者は多くを失いましたから、受け取ったお金をため込まず物の購入に向けます。では、そのお金は誰に支払われるか。被災地では生産設備が失われていますから、非被災地で働いている人の所得になります。結局、非被災者が払った義援金は全部非被災地に戻ってくるのです。

では、義援金ではなく税金を集めて被災地に渡す場合はどうか。被災者にとってはどちらでも同じで、やはりそのお金は非被災地に戻ってきます。つまり、非被災地では税負担が増えた分だけ所得も増える。ですから、非被災地での消費を減らすことはありません。その上で、被災地での需要増加分だけ非被災地での雇用が増えますから、デフレも雇用不安も軽減され、非被災地でも消費が増えます。それでまた収入が増えるという好循環が始まる。つまり、復興税による雇用創出によって、先ほど説明した好循環が生まれるのです。

復興税というと、景気が悪くなると批判する人がいます。でも、今述べたように、義援金も復興税と同じです。義援金は非被災者が赤十字やNHKを通して払っています。税金は政府を通して払っている。それだけの違いで、経済的には同じです。だから、増税は景気を悪くすると反対するなら、義援金禁止令を出すべきということになってしまいます。

増税がケシカランのなら、義援金も同じくらいケシカランのに、目の仇にしないのは不思議ですね。

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コメント

増税したら非被災地の消費が減り雇用も減るが、被災地の需要により生産が増え、
減った雇用が回復しさらに元の雇用水準を超える。
しかし、増税でなく国債なら、当初の雇用減がなく、達成される雇用水準も高いものとなる
ということで、増税はケシカラン、ということになる。(もちろん、景気が加熱したら増税)

消費が減り雇用も減る、という意味では義援金も同じ。
ではなぜ、義援金はケシカラン、にならないかは、ネタにまじレスになるので・・

不思議という点では、非被災地の消費が減らないよう、義援金分をそっくり減税するという発想が
出てこないほうが不思議。

ところで増税派の濱口さんはクルーグマンのファンだそうですが、クルーグマンが推奨する
deficit spendingには反対なのでしょうか?

>増税がケシカランのなら、義援金も同じくらいケシカランのに、目の仇にしないのは不思議ですね。

でも、被災地の復興に国庫をつかうことについてケシカランと言ってる人はいなかったと思いますが。

復興財源の調達方法については議論になりましたが(増税で賄うか国債で賄うか、短期で償却するか長期で償却するか)、お金を使って復興することに反対する人はいなかったと思いますが。まさに、増税で賄おうが、国債で賄おうが、復興財源には違わないわけです。

税金に対する寄付の優位性ですが、使途が決められるとか、寄付者には名誉が与えられるとかですか。法人税が大嫌いな経営者が寄付には積極的になるわけです。

消費増税については、赤字国債の発行高を減らすのに使われるでしょうから、景気の浮揚、デフレの解決には貢献しないんじゃないでしょうか。増税分きっちり社会保障などの所得移転に使われるならば話は別ですが。本当に使われ方が重要なのですが、ここ最近の野田内閣の報道は増税のみが目的化していて、ほかは知らんって感じがして心配です。

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