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2012年5月 3日 (木)

プレカリアートの幽霊

欧州労研(ETUI)の今日付のニュースに「The Spectre of the Precariat(プレカリアートの幽霊)」という記事が載っています。

http://www.etui.org/News/The-Spectre-of-the-Precariat

冒頭、どこぞのマニフェストみたいな文が出てきますが、

A spectre is haunting Europe in the form of a new class-in-the-making called the precariat and it is still unclear how this new class will restructure the political landscape.

ヨーロッパに幽霊が取り憑いている。プレカリアートと呼ばれる形成中の新たな階級の形をとって。この新たな階級が政治的情景を作り替えてしまうかどうかはなお明らかではない。

4月27日にバース大学で開かれたETUIの月例フォーラムで、スタンディング教授が語った言葉だそうですが、

Professor Standing explained how globalisation had given rise to a new class fragmentation which threatens democratic governance. At the top of this new global class structure are the capital elites or the “plutocracy”. Below these elites is “the salariat”, a group with over-average income and employment security. A third group are the “proficians”, self-selling entrepreneurs with socially liberal but economically conservative values. Next in line is the old manual working class, the proletariat whose union-led agenda has come under pressure in the 21st century.

スタンディング教授はグローバル化が民主的ガバナンスを脅かす新たな階級分裂を引き起こしていると説明した。この新たなグローバル階級構造の頂点に立つのは資本エリートあるいは「プルトクラシー」である。これらエリートの下に来るのは「サラリアート」であり、彼らは平均以上の収入と雇用保障を得ている。第3のグループは「プロフィシアン」であり、社会的にはリベラルだが経済的には保守的な価値観をもつ自営企業家である。この列の次に位置するのは古き肉体労働者階級であり、その組合主導のアジェンダは21世紀に圧力を受けている。

The newest group is the “precariat”, a class-in-the-making, which consists of people in millions of insecure jobs, with no “occupational identity” and fewer rights than normal citizens. That’s why Standing calls them “denizens”.

一番新しいグループが「プレカリアート」で、雇用の保障もなく、「仕事のアイデンティティ」もなく、普通の市民よりも権利の乏しい何百万の人々からなる。それゆえ、スタンディング教授は彼らを「デニズン」と呼ぶ。

The precariat is not an underclass or lumpen proletariat but is desired by the current capitalist system according to Standing. It is a “dangerous class” because its members are disengaged from traditional political discourse and could turn to more radical populist voices.

プレカリアートは下層階級でもなければルンペンプロレタリアートでもなく、現在の資本主義システムによって求められている。そのメンバーは伝統的な政治的議論から切り離されており、よりラディカルなポピュリストの呼びかけに向かいがちであるゆえに「危険な階級」である。

日本でもじわりと沁みる分析です。

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コメント

資本エリートンだとかプロフィシアンだとか、あるいは、両者の間くらいに位置する教授職に居る人々の抱く恐怖感の方が、ずっと危険なような気もします。

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