河野太郎氏のメンバーシップ型思想
労務屋さんの紹介で、
http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20120502#p1(東電よ、値上げするなら賃下げせよby河野太郎先生)
全体としてとにかく値上げする以上は労働条件を引き下げろというトーンが非常に強く、まあ河野代議士の東電憎しの心情はわからないではないのですが、しかし国民にとってそれが本当にいいのかどうかはかなり疑問ではないかと思います。いや連合は本気で怒ったほうがと。
労務屋さんの感想とはいささか違う角度からになりますが、ここで河野太郎氏が示しているものの発想には、東京電力株式会社という法人の労働力取引相手先である労働者たちを、当該東京電力の一味郎党として一緒に叩いてやらずんば済まぬ、という感覚が濃厚に表れていますね。
まあ、当該東京電力の「社員」と法制的には間違って呼ばれているところの労務提供者たち自身も、そういう発想をかなりの程度共有している面もあると思われますので、そもそもそこのところを突っ込むなどという野暮な人間はあまりほかにいないのかも知れませんが、こういう理屈はほかの社会では通用しませんぜ、ということくらいは認識しておいた方が、グローバル化とか言っている方々はよいのではないかと思われます。
労働力の価格は、たまたま労務を提供している取引先会社が原発事故を起こしたからと言って、懲罰的に引き下げていいものではないわけです。もしフランスで原発事故が起こったときに同じようなことをされたら、彼の地の権利意識をもった労働者たちは冗談じゃねえ、とストに訴えるでしょうし、国民はそれに声援を送るでしょうな。
まあ、日本社会はみんなそうは思っていないから、政治家もごく自然にこういう発想になるわけですが。まことに、社会規範としてのメンバーシップ思想は、立法府の選良も含めて全ての人々に共有されているという良き実例でありました。
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コメント
独占企業で製品(この場合は電気)の販売価格が総括原価方式で決められる仕組みになっている電力会社(もちろん社員の人件費(福利厚生を含む)も原価の一部)は、適正レベル以上に人件費を上げるインセンティブがあると思います。普通の企業なら払えないような高い人件費を払ったとしても、経営上は問題ありません。(総括原価方式ならその人件費をカバーできるような販売価格になりますから)
ですから電力会社の賃金というのは、もっと下げるべきなのではないかと考えています。
こういう観点からの電力会社の賃金について、hamachan先生のご意見をお聞きできれば幸いです。
投稿: 学生28号 | 2012年5月 6日 (日) 15時03分