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2012年5月 9日 (水)

今野晴貴「若年非正規雇用問題の焦点」@『労働調査』

Coverpic労働調査協議会の『労働調査』4月号は、「若年非正規雇用における問題点とその対応」という特集で、次のようなラインナップですが、

http://www.rochokyo.gr.jp/html/2012bn.html

1.若年非正規雇用の増加とその背景
阿部 正浩(獨協大学・経済学部経済学科・教授)

2.若者のキャリアと非典型雇用から正社員への移行
小杉 礼子(労働政策研究・研修機構・統括研究員)

3.若年非正規雇用問題の焦点 
-非正社員と正社員を包括した「限定」の課題-
今野 晴貴(NPO法人・POSSE代表)

4.若年者の就労支援の現状と課題  
-ハローワークの現場から-
駒井 卓(東京職業安定行政職員労働組合(東京職安労組))

5.学びのセーフティネットとしての普通職業教育のとりくみ 
-若年非正規雇用における問題点とその対応-
成田 恭子(日教組・組織労働局・高校センター事務局長)

ここでは、POSSEの今野さんの文章を紹介します。今野さんは、6年間に及び若年労働者からの相談を踏まえて、

正社員・非正社員ともに共通する問題の方が大きいように感じられるのだ。両者に共通する問題は契約内容そのものが守られないことであり、過剰な業務命令の「限定」が課題となっている。

と述べています。具体的な相談内容を示しつつ、

こうした「どんな命令でもできる」状況下では、業務の過酷さにおいて、正社員と非正社員の状況は「接近」してくる。先ほど見たように、長時間労働の相談も多数寄せられていることがそれを物語る。・・・ところが、実態は契約規範から逸脱し、雇用が不安定なまま命令が厳しさを増している。・・・

ではその「接近」しつつある正社員の状況はどうか。相談の中では、そもそも「正社員」の雇用自体も守られていない。・・・強い指揮命令権が濫用されると、正社員においても契約による労働条件や、無期雇用による雇用の保障という、契約上の権利が意味を持たない。「どんな命令でもできる」状態は、むしろ正社員にこそ本来的に当てはまり、これを駆使した退職強要は避けがたいのが実情だ。

・・・以上のように見てくると、非正規雇用問題については、これまでは「正社員になればよい」という対案が支配的であったが、そうではない実相が浮かび上がってくる。非正規においても正規においても、指揮命令をどのように制約・労使合意するかということが、共通する重大課題となっている。

と論じていき、最後に、

以上のように、非正規雇用の「限定」の課題は、契約規範の遵守という課題であり、これは正社員も含めた全般的な雇用改革の内実にも影響を与える。政策レベルにおいても、労使関係においても、この点に焦点を絞った検討が求められている。

と述べています。

用語法に若干違和感のある点もありますが、おおむね共通する認識を示していると思います。私流に言えば、「無限定」であることによるメリットを享受してきたかつての「幸福な」正社員モデルの規範的影響力が大きすぎて、「限定」にむけた労働者の意図や行動が(自分自身も含めて)正当と感じられなくなってしまっているところに一つの原因があるのでしょう。

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