藤沢道郎『ファシズムの誕生』
1987年の刊行ですから、もう25年も前の本ですが、改めて読んでみて、やはり20世紀は大衆の時代、マスメディアの時代として現れたんだなということを再確認。
それにしても、兵役逃れでスイスに逃げて乞食しているのを労働運動に拾われて、帰国後も社会党のお蔭で飯を食えてた奴が、その社会党の機関誌の編集長になって活躍して、参戦論をぶって社会党から追い出されたら今度はファッショ運動のリーダーになって片っ端からテロぶっこいて権力を握っていくという、このムッソリーニという人物像は、小説だったら見事な悪漢小説の主人公として褒めそやされるんでしょうけど、残念ながら現実の話なんですよね。
独裁者は最初は道化っぽい姿でやってくる。
ていう歴史の法則は、ときどき歴史書を読んで思い出したおいた方がいいかもしれません。
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