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2012年5月25日 (金)

『グローバル化・社会変動と教育2文化と不平等の教育社会学』

9784130513180 本田由紀さん、筒井美紀さんより、『グローバル化・社会変動と教育2文化と不平等の教育社会学』をお送りいただきました。第1巻に引き続き、ありがとうございます。

http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-051318-0.html

イギリスの教育社会学者たちが編んだ,定評あるリーディングス最新版の訳書第2巻.急激な社会変動は教育の場における文化を変貌させ,さまざまな問題が現出している.本書は各国の興味深い事例を交えつつ,現代の教育社会を描き出す.第2巻の編訳者による論文を巻末に収録.

収録論文は以下の通りですが、

1章 統治性と教育社会学(C・マッカーシー、G・ディミトリアディス/大田直子訳)
2章 新しい家族とフレキシブルな労働(M・カーノイ/平沢和司訳)
3章 社会的相続と機会均等政策(G・エスピン-アンデルセン/小内透訳)
4章 社会的紐帯から社会関係資本へ(E・マクナマラ、E・B・ウェイニンガー、A・ラルー/稲垣恭子訳)
5章 バイリンガリズムをめぐる政治的駆け引き(P-S・ライ、M・バイラム/酒井 朗訳)
6章 モダニティの歩兵たち(P・ウィリス/山本雄二訳)
7章 民主主義、教育、そして多文化主義(C・A・トーレス/小玉重夫訳)
8章 「ジュリアには問題がある」(E・ヒョルン、R・サーリョ/志水宏吉訳)
9章 教育における市場(H・M・レヴィン、C・R・ベルフィールド/小林雅之訳)
10章 教職の専門性と教員研修の四類型(A・ハーグリーブス/佐久間亜紀訳)
11章 教育の経済における成果主義と偽装(S・ボール/油布佐和子訳)
12章 パフォーマンス型ペダゴジーの枠づけ(M・アーノット、D・レイ/山田哲也訳)
13章 教育的選別とDからCへの成績の転換(D・ギルボーン、D・ユーデル/清水睦美訳)
グローバル化・社会変動と教育―解説にかえて(苅谷剛彦・志水宏吉・小玉重夫)

これは版元のHPをコピペしたのですが、現実の本とは順序がちょっと違いますね。これで第1章になっているマッカーシーらの論文は、実際は第13章になっています。以下1章ずつずれています。たぶん、編集の最終段階で変わったのが反映されていないのでしょうけど(おおい、東大出版会!)。

巻末の苅谷剛彦・志水宏吉・小玉重夫氏らによる解説が充実していて、とりあえずはまずこちらを読むのがいいでしょう。とりわけ、志水氏による日本の教育についての次のコメントは、労働をはじめあらゆる分野にも共通する問題でしょう。

・・・現代の日本においては、様々な後期近代的な現象が同時並行的に、しかも釣り合いのとれないまま、時にはねじれや逆説を伴いながら進行している。自立した個人が育っていないというリベラルな言説が、市場での個人の選択を強調する議論と同居する。そもそも社会関係の密度の高い社会において、その社会的紐帯の弱体化が言われつつ、同時に、選択的に形成されるネットワークの社会関係資本としての役割が高まる。もともと教育段階が上になるに従って私学への依存度が高まる、市場的で個人の選択に依存する仕組みを持ちながら、さらなる教育の市場化が求められる。教師の共同性や同僚性が質の高い教職の専門性を維持してきたとの海外からの高い評価がありながら、それらを解体して個人化した教員評価のスキームに載せようとする、などなど、跛行性が随所に見られる。しかも、こうした変化をもたらしている一因が、「海外の動向」の無批判な摂取であったりする。このようにもつれ合った、ねじれや逆説を丁寧に解きほぐしていくことが日本の教育論には求められている。

まったく同じように、「合った、ねじれや逆説を丁寧に解きほぐしていくこと」が日本の労働論にも、そしていうまでもなく政治経済社会のあらゆる分野の議論に求められているのでしょう。

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