認識はまったく同じなのですが・・・
金子良事さんのつぶやきから、
http://twitter.com/#!/ryojikaneko/status/193329189397606401
日教組は労働組合なんだから、教師の労働条件を上げることのみに集中し、その一点で組織率を上げる努力をすべきだと思う。それが成功したら、問題の大部分は解決するんじゃないかな。
実をいえば、本ブログでも同じことを結構繰り返してきてはいるわけですが・・・、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-4ed1.html(日本教職員組合の憲法的基礎※欄)
・・・相手が、本来労働組合たる日教組を(その政治的活動を理由に)政治結社として非難してきているときに、その土俵に乗って結社の自由を持ち出すんですかねえ、と言ってるだけで。
正直言って、わたしは政治結社としての日教組を擁護する気持ちはありません。勝手に右翼と喧嘩してればよろしい。
しかし、全国の教育労働者の代表組織には、重要な存在意義と責任があります。近年、労働者としての権利主張をすること自体がけしからんかのような言論も多く見られるだけに、そこはきちんと言っておく必要がありましょう。わたしははじめからそこにしか関心はありません。
・・・も一つわたしが直感的に感じたのは、上のいっちゃん氏のコメントにあるように、日教組以外の労働関係者だったら、間違いなく違和感を感じるだろうな、ということでした。同じ公務員労組でも、日教組じゃなく自治労とかだったら、たぶん間違いなく28条を持ち出していたはずで、まあ、その辺の感覚のずれを日教組の方々はどこまで感じているのかな、というのがこのエントリーを書いた一つの理由でもあります。
ただ、それこそ大阪方面の出来事の推移を見てもわかることですが、日教組の労働組合としての本質ではない部分を意識的にフレームアップする政治意図と、その労働組合としては本来非本質的な部分を自分たちのこれこそ本質的な部分だと思いこんでいるある種の人々のパブロフの犬的条件反射的行動様式とが、ものの見事にぴったりと合わさって、政治結社としての日教組という定式化されたイメージを飽きもせず再生産するメカニズムが働き続けているという、(おそらく心ある労働運動家だけではいかんともしがたい)どうしようもなさがその根っこにあるので、この金子さんのそれ自体としてはまことに正しいつぶやきが、何の役にも立たないという事態がそのまま続いていくわけです。
(追記)
このエントリへのコメントも含め、はてぶコメントやツイートなどをみても、依然として教師という労働者の労働条件などというどうでもいい詰まらんことなどよりも、遥かに偉くて高邁な大政治を論じたくって仕方がないたぐいの人々が一杯いることが改めてよく分かります。
そういう人々にとっては、たとえば、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_bbfc.html(教師の時間外労働)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/post-b495.html(今こそ、教師だって労働者)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-d0c3.html(辞める新人教員、10年間で8.7倍 「心の病」急増)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-0b85.html(飲む、鬱、買う 教師の疲弊)
で取り上げたような話題は、高級な政治結社であるべき日教組がやるべきことではなく、もっと低級な労働組合あたりがやってればいいことなんでしょうね。
そういう発想が教育労働者たちの労働現場をどういう状態にしてきたか、というのが、本当の問題なんですけど。
« 早稲田大学の稲穂切り子 | トップページ | 他人の解雇は自由でも、自分の解雇は許せない »
ご指摘はそのとおりだが、歴史認識が薄いといわれる日本の中で、戦前は正しい戦争だといって生徒を戦地におくりだし、戦後はそれがまちがっていたとして墨塗りをした教科書で教育をした、ということについての、複雑な気持ちみたいなものは、社会的記憶として残しておくべきではないだろうか。
ねじまがっていたそしても、そういう記憶を組織として残していること自体、そんなに悪いこととも思えないが。
投稿: 元リフレ派 | 2012年4月21日 (土) 16時58分
>戦後はそれがまちがっていたとして墨塗りをした教科書で教育をした
日教組が中国やソビエトから支援を受けて、出鱈目な歴史や社会学を日本の学生に教えていたことも忘れてはいけません。
それらを反省せずに多くの嘘を繰り返してきた日教組には、すでに教育労働者の代表組織としての正統性は無いと思います。
新しい労働組合を作るべきでしょう。
投稿: ma10 | 2012年4月22日 (日) 03時03分
>ma10さん
>日教組が中国やソビエトから支援を受けて、
こういうことは、きちんとしたソースを出してから言いましょう。
多分あなた、「唯物史観派」とか言われたって何の事やら分からないでしょう?
>新しい労働組合を作るべきでしょう
全教連ではダメなのですか?
ダメだというなら何故なのですか?
投稿: 懲りもせずに一つ覚えかよ | 2012年4月22日 (日) 10時07分
>日教組が中国やソビエトから支援を受けて、出鱈目な歴史や社会学を日本の学生に教えていた
初耳です。どのような支援を受けたのか、何が間違いだったのでしょうか。
仮に行きすぎがあったとすれば、皇紀2600年や現人神のような戦前の出鱈目な教育の反動もあるでしょう。
投稿: spec | 2012年4月22日 (日) 14時10分
教職員団体全体の加入率、昭和51年以降36年連続の低下。加入率 40.2%(前年41.2%) 日教組加入率は26.2%(前年26.6%)、全教は5.3%(厚労省による調査)。実状は知りませんが、現在日教組にそんなに力があるのでしょうか?それと日教組の名前ばかり上げて全教に触れないのも不思議です。
70年代、私の通っていた小学校の図書室には人民中国、今日のソ連邦、朝鮮画報が置いてありました。つまらないので生徒は読みません。しかし反戦教育など受けた記憶はありませんし、社会主義礼賛のような話もありません。ただ差別的な言動は厳しく注意されましたけど。
当時を知らない人たちが、40年くらい前の話を聞いて想像を膨らませているような気がします。
投稿: 500drachmas | 2012年4月22日 (日) 20時23分
まあ、最近では教育合同労組のようなものも登場しているので、多少は変わってきているのでは。
投稿: 小野山 | 2012年4月23日 (月) 18時30分