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2012年4月28日 (土)

宮本太郎氏のいらだち

Img_month『生活経済政策』5月号が届きました、特集は「社会保障・税一体改革に求められる課題」です。

http://www.seikatsuken.or.jp/monthly/

  • 新しい国のかたちにつながる「一体改革」を-3つの連携へ/宮本太郎
  • 税・社会保障の逆機能と打開の道/大沢真理
  • 「一体改革」で求められる政府への信頼-自治体の取組みから信頼構築の可能性を考える/沼尾波子 
  • 増税の政治学/新川敏光

このうち、自公政権末期から、菅、野田政権期と、政府の社会保障改革に関わってきた宮本太郎氏の論考「新しい国のかたちにつながる「一体改革」を-3つの連携へ」は、最近の迷走ぶりにいささかいらだちを隠せない文章となっています。

「一体改革」をめぐる政局の形や報道においては、消費税増税の条件とタイミングのみが議論の前面に出ている。社会保障改革の内容やその意義は後景に退き、・・・個別の制度改革が脈絡なく浮上しその動向が報道される。断片的な報道からは、進行している改革の全体像を把握することは到底できず、そもそも政府が取り組んでいるのが社会保障の機能強化なのか削減なのかも判然としない。政治家から社会保障改革のための全体像が語られることもほとんどない。やはり、社会保障改革など増税のための口実なのではないかという受け止め方が広がっても不思議ではない。

しかし、日本社会の形の転換につながる社会保障改革こそ、「一体改革」の基軸であり税制改革はそのような社会を実現する手段であるはずである。・・・

ここには、畢竟するところ、社会保障改革の意義を認めないガチ増税派と社会保障改革の意義を認めないガチ反増税派の不毛な対立図式にばかり政治家やマスコミの注目が集中し、本来一番肝心なはずの社会保障改革が「そんなつまらねえことは知らねえ」とばかり抛り捨てられる現状に対するいらだちが、かなり抑えた筆致とはいえ噴出しかかっているように見えます。

・・・社会保障政策と雇用政策、成長戦略が一体のものとして追及されなければならない、ということを意味する。

しかし現実はまったくそうなっていないので、

その結果、社会保障改革が雇用の創出や成長のてことなる可能性は封じられ、相変わらず成長戦略や雇用論議は別立てにとどまり、経済再生への具体的展望のないまま、「景気低迷の時の増税や社会保障改革など常軌を逸している」といった議論がまかり通るのである。

「まかり通る」この手の議論に対する宮本氏のいらだちが伝わってきます。

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