労務屋さん on 日本の雇用終了
ようやく労務屋さんのお手元にJILPT第2期プロジェクト研究シリーズ全6巻が届いたようで、「吐息の日々」でご紹介いただいています。
http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20120425#p1
ということで「オビ」をみるとけっこう読み物としても面白そうな感じの惹て句が記されている(まあ新書とかの売らんかなな惹句に較べるとずいぶん上品ですが)のではありますがはっきり言って研究書です。まあ労働政策研究報告書よりは読みやすいですが…。
そうなんですが、一冊だけちょっと毛色の変わったのがあるよと。
さて目立つのは基本的には調査に関与した多数の研究者による共同執筆になっているのですが、『日本の雇用終了-労働局あっせん事例から』だけはhamachan先生こと濱口桂一郎先生の単独執筆となっている点です。内容については先生がご自身のブログで紹介されていますのでそちらを御覧いただければと思いますが、中小企業を中心に実態として通用(横行)している事実上の解雇ルール?を「フォーク・レイバー・ロー」として整理しているあたり、まさにオビの惹区にあるように「判例研究と経済理論と告発ジャーナリズムの隙間を埋める一冊」というにふさわしいように思います。しかしこの惹句をみると、「研究」「理論」と言いながらも「告発ジャーナリズム」の印象が強くて、新書のように読みやすい本に思えてしまいますね。まあたしかに事例が豊富な本なのでその部分はけっこう読みやすくもあるのですが。
いやまあ、オビの文句は若干その気もあってひねり出しましたが、とはいえ、「告発ジャーナリズム」と違って、あっせん事案であるだけに、基本的に労使双方の言い分を紹介しているところがこの手のものとしてはミソかと。
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