若干誤解が・・・
朝日新聞英語版の2月9日に、本田由紀さんの顔写真とともに「Japan's unique recruitment system no longer working」(日本の独自な採用システムはもはや機能しない)という記事が載っています。
http://ajw.asahi.com/article/economy/AJ201202090014
記者はスタッフライターのSOPHIE KNIGHTさんですが、中身はほぼ本田さんの主張に沿ったものになっています。
で、その中に、私の名前が引用されているんですが、おそらく本田さんの話を若干誤解したからではないかと思われるのですが、こういう記述があります。
Under this system, companies do not assign regular workers to specific jobs, but rather confer "membership" on them in exchange for absolute loyalty and diligence--a theory first introduced by Keiichiro Hamaguchi, a professor who acts as an adviser to the government on labor law. Companies are therefore very concerned about choosing the right candidates, as they will become long-term members of the firm.
このシステムの下では、企業は正社員を特定の職務に任命するのではなく、絶対的な忠誠心と勤勉さと引き替えに「メンバーシップ」を付与する。これは労働法に関して政府へのアドバイザーとして活動する教授である濱口桂一郎によって初めて提出された理論である。企業はそれゆえ、企業の長期的なメンバーとなるので、適切な候補者を選抜することに極めて関心を持つ。
わたくしは別に政府へのアドバイザーでも何でもありませんよ。一研究機関の研究者です。いまは「大学教授」でもないし(非常勤講師ではありますが)。
また、こっちの方がより重要ですが、私は(初めは主として外国人学生向けの説明タームとして)「ジョブ型」とか「メンバーシップ型」という分かりやすいラベルを作って説明しただけで、中身は半世紀前から社会政策界隈で口が酸っぱくなるほど繰り返されてきたことにすぎません。「初めて提出された理論」などといわれると裸足で逃げ出しますよ。あるいは、「オレ様が10年前に発見していたのじゃ」などと変な人がしゃしゃり出てくるかも知れませんしね。
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