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2012年3月10日 (土)

ラスカルさんの拙著紹介

ラスカルさんが、「日本の雇用労働を考えるための必携書」を8冊ほど紹介しておられますが、その中に拙著も一冊含まれています。ただし、ある程度世間で読まれたかと思う『新しい労働社会』(岩波新書)でもなければ、『日本の雇用と労働法』(日経文庫)のいずれでもなく、おそらくほとんど読まれていないであろうことが確実な旧著『労働法政策』(ミネルヴァ書房)が挙げられております。

http://d.hatena.ne.jp/kuma_asset/20120309/1331312139

ラスカルさんの挙げる書籍を、コメントとともに並べると、

1.島田晴雄『労働経済学』

とても内容の濃い労働経済学の教科書。古いですが、政策論を語る上では、いまだ通用するのではないかと。

2.大森義明『労働経済学』

前書を新しい理論から補う上で。

3.野村正實『日本的雇用慣行 全体像構築の試み』

日本の雇用システムの形成過程、いわば「縦軸」からそれを理解するための本。

4.デービッド・マースデン『雇用システムの理論』

雇用システムの一般論とその国際比較、いわば「横軸」から日本の雇用システムを理解するための本。

5.濱口桂一郎『労働法政策』

日本の労働政策の形成過程を理解するための本。ただし、最初の章は異端説(たぶん)。

6.菅野和夫『雇用社会の法』

日本の雇用システムと労働法の関わりについて。

7.久米郁男『労働政治 戦後政治の中の労働組合』

日本の雇用システムの中の労働組合を、一般論を踏まえて位置づける。

8.厚生労働省編『平成18年版労働経済白書』

これらの本では十分補えない日本の非正規労働者の実情について。やや古い分析であるが、世間の見識は、ここを起点にしていままであまり変わっていない。

拙著に関して言いますと、これは2004年に東大の公共政策大学院が創られるときに、そこで『労働法政策』というタイトルの講義をすることになったので、そのために書いた教科書なのですが、いかんせんもう8年も前の本で、その後の労働法制や政策の動きも凄まじく、あまりにも古くなりすぎてしまったために、ここ数年は同大学院での授業でもテキストとしての指定は諦めて、その後の動きを大幅に書き加えたドキュメントファイルを配布しています。

ラスカルさんが「異端説」と評する最初の章だけはあまりにも異端の極みなので古びていないと思いますが(笑)、その後の各章は、正直申し上げていまの時点でお買い求めいただくにはちょっと情報が古くなってしまっておりますので、「必携書」とまで言っていただくのは大変嬉しいのですが、いささかどうかな、とも。

(追記)

http://twitter.com/#!/train_du_soir/status/178302276597846017

反応早すぎ(笑)。『労働法政策』はいまのところ類書なく、改訂を期待。

いや、公共政策大学院の受講者以外にほとんど購入者なく、版元には未だに在庫が積み上がっているので、当分改訂の期待は実現しないかと・・・。

(元に戻って)

あと、最後に挙げられている『労働経済白書』ですが、ここで挙げられている平成18年版は、石水喜夫さんの書いた白書の1冊目です。その後、昨年に至るまで6冊の石水白書が書かれていますので、どうせなら全部読んでしまいましょう。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/post_e4d4.html(労働経済白書)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/post_e4d4.html(労働経済白書)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_13dc.html(3回目の石水白書)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-199e.html(平成21年版労働経済白書)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-bebf.html(やっと出た『労働経済白書』)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/2011-49c0.html(労働経済白書2011)

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