この学問の生成と発展@JIL雑誌4月号
『日本労働研究雑誌』4月号は、「この学問の生成と発展」という特集です。
http://www.jil.go.jp/institute/zassi/new/
とにかくこの目次を一瞥しただけで、その豪華執筆陣に唸りますが、
【労働経済】
労働経済学 神代 和欣(横浜国立大学名誉教授)人的資本理論 赤林 英夫(慶應義塾大学経済学部教授)
人事の経済学 松繁 寿和(大阪大学国際公共政策研究科教授)
労働市場サーチ理論 今井 亮一(九州大学留学生センター准教授)
【社会政策・労使関係・人事管理】
社会政策 久本 憲夫(京都大学大学院経済学研究科教授)労使関係論 石田 光男(同志社大学社会学部産業関係学科教授)
雇用制度比較 宮本 光晴(専修大学経済学部教授)
産業社会学 上林 千恵子(法政大学社会学部教授)
人的資源管理論 上林 憲雄(神戸大学大学院経営学研究科教授)
【教育・心理】
職業指導論 木村 周(元筑波大学教授)産業・組織心理学 渡辺 直登(慶應義塾大学大学院経営管理研究科トヨタチェアシップ基金教授)
キャリア教育 菊池 武剋(東北大学名誉教授)
教育社会学 潮木 守一(名古屋大学名誉教授)
高等教育論 金子 元久(筑波大学大学研究センター教授)
【労働法】
労働法学 西谷 敏(大阪市立大学名誉教授)労働法社会学 石田 眞(早稲田大学大学院法務研究科教授)
労働の法と経済学 飯田 高(成蹊大学法学部准教授)
労働市場法学 有田 謙司(西南学院大学法学部教授)
ジェンダー労働法学 浅倉 むつ子(早稲田大学大学院法務研究科教授)
現時点で、この中で一番注目すべきは石田眞さんの「労働法社会学」です。というのも、近日刊行の『日本の雇用終了』の中で、あえて法社会学の話に足を踏み入れ、フォーク・レイバー・ローとかなんとか言っていたりするからで、しかもこの論文の主旨からすると、私の議論は今や時代遅れの川島武宜風の労働法社会学ということになってしまいそうなので。
ここで全面展開するわけにはいかないのですが、私の認識は、日本的雇用慣行とは決して近代的に対する意味での封建的なものではなく、むしろ欧米社会における20世紀システムへの転換(契約から身分への再転換)の一変種であって、その変種のあり方が独特であるということだと思っているのです。詳しくは、来月刊行される『現代の理論』終刊号に「日本型雇用システムの歴史的位置」として書いています。
それ以外のエッセイもいずれも結構凄い。必読です。
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