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2012年3月23日 (金)

研究者のキャリアとポスドク問題

有期契約に係る労働契約法改正案のエントリに、「けんきゅうしゃの」さんがコメントで紹介された長々しいツイートの連鎖があるようですが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-eb88.html#comment-89159351

http://togetter.com/li/277188(有期雇用5年超で無期雇用転換を義務付ける労働契約法改正案が研究者コミュニティーに与える影響について)

いろんな方々がいろんなことを言うてはりますが、既に有期契約について出口規制を設けているEUにおける、研究者のキャリアやポスドクの扱いについての憲章や行為規範がここにありますので、まずはそれらを読むのも一興かと。

http://ec.europa.eu/euraxess/index.cfm/rights/europeanCharter(The European Charter for Researchers)

Career development

Employers and/or funders of researchers should draw up, preferably within the framework of their human resources management, a specific career development strategy for researchers at all stages of their career, regardless of their contractual situation, including for researchers on fixed-term contracts. It should include the availability of mentors involved in providing support and guidance for the personal and professional development of researchers, thus motivating them and contributing to reducing any insecurity in their professional future. All researchers should be made familiar with such provisions and arrangements.

キャリア開発: 研究者の使用者や出資者は、できれば人的資源管理の枠組みの中で、有期契約の研究者も含め、その契約状況にかかわらず、その全キャリア段階において、特定のキャリア開発戦略を設定すべきである。それは研究者の個人的、職業的発展への支援と指導を提供するメンターを提供し、彼らにモチベーションを与え、その職業的未来におけるいかなる不安定さをも削減することを含むべきである。

http://ec.europa.eu/euraxess/index.cfm/rights/codeOfConduct(The Code of Conduct)

Postdoctoral appointments

Clear rules and explicit guidelines for the recruitment and appointment of postdoctoral researchers, including the maximum duration and the objectives of such appointments, should be established by the institutions appointing postdoctoral researchers. Such guidelines should take into account time spent in prior postdoctoral appointments at other institutions and take into consideration that the postdoctoral status should be transitional, with the primary purpose of providing additional professional development opportunities for a research career in the context of longterm career prospects.

ポスドクの採用: ポスドク研究者の募集採用については、期間の上限とそのような採用の理由も含め、明確なルールと明示的な指針が、ポスドク研究者を採用する機関によって設定されるべきである。そのような指針は、以前に他の機関でポスドクとして採用されていた期間を考慮に入れ、かつポスドクという地位は一時的なものであり、その主たる目的は長期的なキャリア開発の枠組みにおいて研究キャリアをさらに発展させる機会を追加するためのものであることを考慮に入れるべきである。

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コメント

大隅典子の仙台通信
2012年 04月 26日任期付ポジションについて考える

http://nosumi.exblog.jp/15782092/

大学教育の職業的レリバンスの問題のようでもありますが、
(「ポスドク1万人計画」が策定された時点において、「そのポスドクの人たちは次のキャリアパスはどうなるのか」についてどのような議論が為されたのかについては、伝聞になるが、「米国のように、専門性の高い博士人材がアカデミア以外でも活躍されるべきである」と考えられていたようだ。)

憧れ職業がブラック化してもどんどん若い人材が供給される(がゆえに問題が隠ぺいされる)ルートのようでもあり。
「ところで、実は、日本では人口1万人当たりの研究者数は、2010年の時点で65.6人と、主要な国々の中でもっとも多い(平成23年度版科学技術要覧)。」

医療従事者も憧れ産業≒ブラック職場であるのですが、
30年前は
「イタリア(だか東欧の国)では医学部を出ても食っていけないから医師免許を持ったタクシー運転手がごろごろしてるらしいぞ」という噂があったそうです。
結局は産児制限を行わないといけないのかもしれませんね

投稿: ごち | 2012年4月27日 (金) 11時05分

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