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2012年3月 5日 (月)

それがつまり純粋なジョブ型ってこと

冷泉彰彦さんという方が、ニューズウィーク日本版のブログに「アメリカの外食産業に過労死がない理由とは?」という記事を書かれています。

http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2012/03/post-407.php

いろいろと書かれていますが、要約すると・・・

(1)役割分担がハッキリしています。・・・

(2)職務内容は契約書で明確になっています。・・・

(3)もっと言えば、人の仕事はやってはいけないのです。・・・

(4)決して給与は高くありません。

(5)本部の経営層やマーケティング専門職、商品開発専門職は管理職扱いで給与も高いですが、・・・フルタイム雇用者が管理職候補で将来の出世を人質にムリな働き方を強制されるということは絶無です。

(6)店全体の管理責任と業績の責任を負うのは店長です。ですが、・・・「ゲームのルール」さえ守っていれば、・・・終身雇用と将来の出世を人質に、ネチネチとエリアマネージャーに管理されるということはありません。

(8)サービスのレベル一般は低いです。・・・

(9)労働法規のコンプライアンスに関しては、・・・実際に労働法規違反が顕著であれば、多くの労働者は弁護士を雇って訴訟に持ち込みます。

もちろん、ジョブ型にはジョブ型の良さもあれば悪さもあり、メンバーシップ型にはメンバーシップ型の良さもあれば悪さもあるわけですが、良きメンバーシップ型の安心感を与えないまま、使用者側にとって都合のいいところだけをいいとこ取りして、メンバーシップ型の緊張感だけを要求して、ジョブ型の気楽さを許さないというところに、近年のブラック企業のブラックさがあるというのが、この間申し上げてきているところで、この冷泉さんの記事は、それをちょうど裏側から書いているということになりましょうか。

(追記)

楠さんのさりげないコメント:

http://twitter.com/#!/masanork/status/176755036641165313

これはこれで露骨な身分社会なんだよね

まさにそのとおり。

というか、しゃかりきに頑張る約束のエリートとそれほど頑張らない(やることだけはちゃんとやる)約束のノンエリートが分かれているということ。

戦後日本は、ある意味で世界に冠たる「みんながエリート」社会をつくったわけです。生涯の安心感とみんながしゃかりき労働の交換によるそれなりに安定した社会を。

それを「みんながダラカン」の護送船団だからけしからんと批判して出てきた「ベンチャー」な人々が作り上げたのは、なぜか「みんながベンチャー」という看板の下で、安心感なき恐怖政治の下でやはりみんながしゃかりき労働というまことにインバランスな仕組みだったというオチ。

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コメント

”多くの州で「従業員控え室には労働法規の一覧と最低賃金額を記載したポスターを掲示しなくていけない」という法律があって、それが雇用側が法律順守をするようなプレッシャーになっています。”

こういう訴訟以前に法律遵守を迫るしくみ(法律)があってよいですね

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» 最低賃金が米国と違い何ら話題にならない日本 [シジフォス]
本来は「准正規労働」提起や「有期雇用労働者が200万人も増えた」問題について書くべきなのだろうが、あほらしすぎて気力が起きない。今日はこれからある産別の非正規労働者むけに元気の出る話をするために、遠く南の島まで出張しなければならないのに、虚しすぎるテーマは回避しよう。そういえば、今年に入っての「労働情報」が誌面を一新したこともあり、評判が良い。きちんと「非正規の春闘」「沖縄問題」「倒産増に立ち向かう」などの特集を立て、東海林さん、松元千枝さん、北健一さんなどのジャーナリストが取材と執筆をし...... [続きを読む]

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