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2012年3月 8日 (木)

「信念を持った愚直さ!」@草野忠義さんの遺文

Biz12030722370042p1_2昨日、連合総研の草野忠義理事長の訃報が流れましたが、その翌日の今日、連合総研の機関誌『DIO』の3月号が届きました。

http://rengo-soken.or.jp/dio/pdf/dio269.pdf

去る2月号までこれまでずっと草野理事長が巻頭言を書かれてきたのですが、今3月号では薦田所長になっています。巻頭言を書くことなく亡くなられたのですね。

そこで、前2月号に草野理事長が書かれた巻頭言を改めて読み直し、故人を偲ぶよすがとしたいと思います。

http://rengo-soken.or.jp/dio/pdf/dio268.pdf

巻頭言「信念を持った愚直さ!」

昨年末、それもかなり押し詰まって、野田首相が執念を燃やしている「社会保障と税の一体改革素案」がまとまった。いわば消費税率引き上げの方向が見えてきたわけである。これに対して、もちろんそれ以前からであるが、マスコミを含めて様々な論評が出されているし、国会の中でも野党のみならず与党の中からも異論が噴出しているように思われる。これらの議論に対する私見については先月号の新年のあいさつの中で多少触れてみたが、それでは私の思いが足りず、実は新年号のあいさつの補足として書きためていたもののごく一部をここで紹介したい。それは、「阻止するための、反対のための言い訳」ということである。

 1.社会保障と税の一体的改革をめぐり様々な議論が展開された。とくに消費税の引き上げについて、与野党を問わず一部の政治家(決して少なくない数である)や識者と言われている人たち、マスコミなどが口をそろえて言うことは「その前にやることがある」という言葉である。そこで言われるのは①公務員の人件費の削減、②国会議員の定数削減、③無駄な経費の削減と予算の見直し、④マニフェストの順守、などである。それらは正しい主張ではあるが、今、最もわが国にとって大事なことは何かということを忘れてはならない。それは言うまでもなく、社会保障の全体像を明示するとともに財政再建への道筋を明確に示し、国民の理解を得て協力してもらうことである。筆者も以前、出身企業の状況から数年間にわたって確か約7%の賃金カットを経験した。働く者としては言い分は多々あるが、まさに背に腹は代えられない危機的状況であった。そういう意味で、働く人たちの思いはわかるが、公務員の人件費は税金で賄われていることや我が国の財政の現状を考えれば、公務員の人件費の削減は直ちに実施しなければ国民の理解を得ることは難しいし、国会議員の定数削減も憲法違反の判決も含めて即時実現をはからなければならない。しかし、それが財政再建に大いに寄与するような物言いは間違っている。それほどの財源が出てくるわけがないことは明白であるにもかかわらず、マスコミもそのことには意識的にか、触れようとしない。予算の組み替えや無駄な経費の削減も不断の努力が必要なことは言うまでもないが、一連の「事業仕分け」などの結果、野党時代の民主党が主張していたほどのものは出てきていない。ただ、行政改革はいつの時代でも常に努力を継続していかなければならないことは当然のことである。また、マニフェストの順守については、巻頭言でも数回にわたって言及してきたように、政権に就いてみて当初のようにはいかないということがわかった以上、その背景を国民に説明して転換することを躊ちゅう躇ち ょすべきではない。以前の投票締め切りと同時に反故にされた「政権公約」に比べれば余程ましである。ここまで言えば明らかなように、先ほどの主張は「逃げ」であり「言い訳」であると言わざるをえない。そしてその背後にあるのは、選挙に負けないようにとの思いであろう。しかし、国民の多くは日本の現状をよく理解していると確信している。できれば負担増は避けたいが、それができる状況にないことを知っている。それは世論調査にもよく表れている。そのことを政治家は肝に銘ずべきであろう。また、この論理展開はTPPをめぐる議論でも見られることである。

 2.消費税に関して、まず経済成長を先行させるべきとの主張がある。これも正しい。しかし、過去を振り返ってみれば、失われた10年とか20年と言われるように、幾多の経済対策や膨大な国債発行にもかかわらず成果が見られただろうか。累積公債残高は積み上がる一方であった。経済成長が達成されるまで待っていたのでは、財政再建は到底おぼつかないのではないか。経済を早急に成長させるような魔法の杖はない。地道に雇用吸収力のある、先進的な技術を持つ産業の創造・育成、高齢化社会に対応したサービス業の健全な育成、生産性の向上などに集中的に取り組むとともに、臨機応変な経済対策を組み合わせていくことが肝要である。これまた同時進行で推進していかなければならないと考える。

 いまや待ったなしの状況に直面している。日本の英知を結集して取り組まなければならない。くだくだと議論している時ではない。

 折しも、野田改造内閣がスタートした。信念を持って愚直に邁進してもらいたい。

亡くなる直前まで、日本の現状を憂え、政府に「信念を持って愚直に邁進してもらいたい」と叱咤していた草野さんの思いに頭を垂れない方はいないでしょう。

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