働いてもいないガキが半世紀以上も先のこと考えるんじゃない
読売のこの記事に
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120318-OYT1T00250.htm?from=tw(年金どうなるの?小学5年生の質問に総務相恐縮)
政府主催の社会保障・税一体改革の対話集会が17日、全国2会場で開かれた。
このうち、川端総務相が出席した松山市の集会では、小学校5年生の参加者が「僕が大人になって、年金などの問題で世の中やっていけるのか」と質問。
川端氏は恐縮した表情で「小学5年生にそういうことを心配させているのは大変申し訳ない。深刻に受け止めたい」と応じた。
黒川滋さんが切れています。
http://twitter.com/#!/kurokawashigeru/status/181285015043321856
働いてもいないガキが半世紀以上も先のこと考えるんじゃない、と一喝したくなります。経済学者のミスリードの弊害は大きいと思います。
気持ちとしては、黒川さんにまったく賛成ではありますが、小学5年生の子どもに言うべきだった言葉はむしろ、こうでありましょう。
君が真剣に考えるべきは、半世紀以上も先の年金のことなんかじゃないんだよ。むしろ問うべきは、ぼくたちが社会に出たときにやるべきまっとうな仕事がちゃんとあるのか、まっとうに仕事をして生活できていけるような社会をきちんと作っていこうとしているのか、それをこそ政治家たちに問わなければならないのだよ、と。
(追記)
上の黒川さんの言葉の激しさに、いささか見当外れのコメントをしているはてぶやツイートが散見されるので、念のため。
いま小学5年生のこの少年が自分で年金をもらうようになるのは、どんなに少なく見積もってもあと55年後以後でしょう。そのときに、彼の年金の原資を稼いでいる人々は今どこにいるでしょうか?
ほとんど未だこの世に存在しません。
これから生まれてくる人々です。
そして、ここからが重要ですが、そのこの少年の年金原資を稼ぎ出す人々は、ほっておいて勝手に木の股から生まれて成長して稼ぐわけではありません。
まさにこの少年たちが、これから勉強して、就職して、結婚して、子供を産んで、子どもを育てて、教育を受けさせて、就職させて、稼ぐことができるようにさせて、そしてはじめてこの少年たちの世代は自分の子どもたちの世代が稼いだ付加価値の一部を年金として受け取ることができるのです。
そういう一連の実体経済のつながりをことごとく無視しきって、なにやら魔法のような「お金」だけが55年の時代の流れを飛び越えて来るが如き、阿呆な一部経済学者の妄言に惑わされた莫迦な大人の片言隻句を鸚鵡返しにしたような小学5年生の子どもの言葉に対しては、50年間の実体経済の連なりの上に初めて55年後の年金が存在しうるのだという現実の姿を優しく諭して上げるのがまっとうな大人の責務というものではないか、という話です。
黒川さんの言葉の趣旨もそういうことであるはずですが、やや一部経済学者の妄言への怒りが少年に向けて噴き出してしまった感がありますが。
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