昭和を抜けたら昭和以上のもっとすごい昭和だった@J-CAST
「昭和」感覚を糾弾してやまない城繁幸氏のよく出るJ-CASTが、先日紹介した『POSSE』14号を取り上げているようです。さて、いかなる立場になっているかというと・・・
http://www.j-cast.com/kaisha/2012/03/08124859.html?p=2
かなり厳しい職場環境のようだが、入社1年程度で辞めた女性たちの話を冷ややかに読んだ人もいる。都内に勤務する27歳の男性会社員Dさんに、J-CAST編集部が感想を尋ねたところ、「この子たちは入る会社を間違えただけでは」という声が返ってきた。
「業績が相当いい大企業と分かって入ったんでしょう? 社内競争だって激しいのは当然ですよ。サービス残業やハラスメントは別ですけど、正直、競争に乗り切れなかった人たちのグチと感じる部分もありましたね」
例えばBさんは、マナーやおじぎ、あいさつを厳しく指導する社内研修に対して、「『何で、発言者に椅子を向けて聞かないんだ』とか『退席するときに机のまわりを片付けなさい』とか、宗教みたい」と憤っている。しかしDさんの見方はこうだ。
「『人と接するのが好き』で『サービス面での評価の高さ』にひかれて入社したと言ってるけど、矛盾しますよね。そういうシビアな社風が、サービスの質の高さを支えてる。それを当たり前と思える人じゃないと将来の幹部候補なんて務まらないでしょ、バイトじゃないんだから」
また、一般客も宿泊する施設で研修を行った際、お風呂に入ったあと自社製品を着るように指定されたことにCさんが「一番驚いた」といい、Bさんも「私もそれが一番衝撃的(笑)。引くよね普通に」と答えたことについても、Dさんはつれない反応だ。
「アパレル会社が業務の一環でやってる研修なんだから、当たり前だと思いますけどね。そんなことも理解できないから余計ストレスが溜まるんでしょう」
ふむふむ。「それを当たり前と思える人じゃないと将来の幹部候補なんて務まらないでしょ」「そんなことも理解できないから余計ストレスが溜まるんでしょう」。まあ、そういうもんだと思いますよ、それこそ「昭和」感覚からすれば。
そして、それは一概に悪いばかりではない、ということも繰り返してきたとおり。生涯の保障との引き替えであれば。しかし、この「Dさん」の感覚は、そこがも少しシバキ主義になっているようですね。
昭和を抜けたら昭和以上のもっとすごい昭和だった・・・とでもいうところでしょうか。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/posse14-c8d1.html(日本を出たら日本以上のもっと凄い日本だった@『POSSE』14号)
『POSSE』の特集に対する感覚的批評としては、たぶん現在もっともあり得るタイプなのでしょう。
という風に、ちょっと突き放して読むことも必要ですよ。編集部諸氏。
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「モーレツを抜けたらモーレツ以上のもっとすごいモーレツだった」という意味だとすると、先生の指摘はすごく的確だと思います。
編集部諸氏へのアドバイスは、もっともでしょう。卑俗なネットメディアの方が現実を、そして間近にある未来を的確に見ており、偏ってはいるが現実を生きる読者(Dさん)のコメントをあえて採用している。
ぶつけられた意見をベースに議論して認識を深め、次の行動につなげるしかない。そもそも座談会が事実なら、どう読まれようと自由なはずだ。
投稿: Dに近い会社員 | 2012年3月10日 (土) 01時53分
当たらずとも遠からずで、
“市民”革命によってアンシャンレジーム(旧制)打破が叫ばれ、とことん突き進めていったら、旧制以上の専制権力(ナポレオン)ができちゃった、みたいな…。
その後、旧制への揺り戻しが生じたりしたのは周知のとおり。
ただし、旧制の復元は、もはや“旧制そのもの”と同じになったわけではないのも、おそらく同様に、今とつながるポイントなんだろうね。
投稿: 原口 | 2012年3月10日 (土) 22時08分