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2012年3月12日 (月)

CIETTパネルディスカッションの報道

I120312


去る3月6日のCIETT(国際人材派遣事業団体連合)主催のワークショップの報道が、アドバンスニュースにアップされています。

http://www.advance-news.co.jp/interview/2012/03/post-108.html

わたくしの参加したパネルディスカッションについても、次のように各パネリストの発言が紹介されています。

これについて八代氏は、日本の場合、派遣社員による正社員の代替が進んだこと、派遣社員と正社員は明確に分断されている事実を挙げ、「報告にはホーっと思う部分がいくつかあった」と日欧の違いについて率直な感想を述べた。

 氏も、欧州では派遣労働は雇用への足掛かりとなっているが、日本では必ずしもなっていないこと。フランスでは派遣の選択は「早く仕事を見つけるため」という積極的な理由が中心だが、日本では「正社員になれなかったから」という理由が多いことを指摘。日本で派遣の浸透率が08年以降は低下している事実について、「異常事態であり、派遣法改正問題や専門26業務適正化プランへの対応の結果ではないか」と述べた。

 濱口氏は、派遣法について「日本のモデルは派遣労働者の声が届かないシステムになっており、それらは労使協議によって話し合うべきだったが、その道筋も築いてこなかった」と強調したうえで、「四半世紀前に成立した派遣法の抜本的見直しが必要だが、それは事業規制によるべきではない」と述べた。

 龍井氏は、連合の労働相談の内容を紹介しながら、「派遣のユーザー企業は派遣社員については労組と向き合わずに済むため、痛みを感じないまま雇い止めできる。派遣が安定雇用への架け橋になるかどうか疑問」と問題提起した。

 松井氏は、これまでの派遣法の改正を「妥協の産物。規制緩和と規制強化が常に一体となっていた」と話し、「(現行の)法令を守れば新たな法改正は不要。派遣業界は派遣社員の権利を守るためにもっと主張すべきだ」と注文を付けた。

 ムンツ氏は、日本でも注目されているフレクシキュリティー(柔軟性+社会保障)の実現に深く携わった経験を踏まえ、「日本と欧州に違いのあるのは明らかだが、グローバル化による共通部分も増えている。派遣という働き方の環境を向上させるには、労使のパートナーシップが重要な役割を果たすが、日本ではまだ協力体制があまり見られない」との見解を示した。

 坂本氏は、日本の派遣が「正社員の職域に踏み込まない範囲で規制されている」としたうえで、「法令順守は必要だが、それが裁量行政による部分が大きいのは問題」と述べ、適正化プランを暗に指摘した。

 最後に、八代氏は「派遣労働者の保護は必要だが、問題はどういう方法で保護するかだ。派遣の問題は裏を返せば正社員の問題でもあり、片方だけで議論しても効果は上がらないだろう」と総括した。

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